コロナウィルスと日本のモノづくり

世界中が、日本中が新型コロナウィルス感染拡大に脅かされる未曾有の事態の中で、続々と発表される欧米ラグジュアリーブランドのマスクや医療用ガウン、人工呼吸器の生産。自社の生産背景を持つブランドがその生産技術を生かし目の前の困難に立ち向かう。
こうしたスピード感のある行動には、企業として、ブランドとして見習うべき点ばかりだった。

そして、続々と国内繊維製造業でもマスク生産がスタートし、今ではさまざまな技術と特徴があるマスクが販売されています。遅ればせながら米富繊維株式会社としても、マスクが入手困難である状況をふまえ、洗って繰り返し使用できる布マスクの生産をしました。

自社で生産または販売することに葛藤もありましたが、供給量が限られる本来の医療用マスクが必要な人達の手に渡るように微力ながら自社でできることは何か?考えた末に生産、販売することにしました。

Yonetomi ONLINE STORE 

本業ではないマスクの生産に関しては、業界内でも賛否両論があるのも事実。
もともとアパレル製品自体の供給過剰が問題となっているところに、今度はマスクが供給過剰になるのでは?と見る人も。

しかし、こうした意見は誤解を招く可能性も承知で書きますが、この緊急事態の中で誰かを助けるために何かしら取り組むことができたアパレルメーカーやブランド、小売店がどれだけあったのだろうか?

ある大手セレクトショップにおいては、一方的に発注商品をキャンセルするなど、その企業姿勢が問題になっていたりする。

メディアで取り沙汰されていないだけで、この手の話題はどこからでも聞こえてきてしまうこの頃。
置かれている環境は、業種を問わず厳しいものがあるのは事実ですが、こうしたニュースは同じ服屋として悲しい限りです。

 

 

様々な意見がありますが、個人的にはこの危機的状況の中で、自らの技術を生かして世の中が必要としている製品を企画、生産、販売まで手掛ける国内繊維製造業の動きは、今後の日本のモノづくりが進むべき一つの道を示すことかもしれないと思う。

なぜなら本来、モノづくりは、その製品を着る/使う人のために生み出される活動であり、作り手は必要としてくれる使い手のために、その技術を形にしていくもの。

これまでアパレルのモノづくり企業は、下請け的要素が強く、ただひたすら黙々と作り続けるしかない側面が強かった。

モノを作っていて誰かに感謝されたり、社会に貢献できたり、感じることができにくかった部分が、奇しくもコロナウィルスによる危機的状況によって「モノを作ることができる環境や人がいる」という自らの最大の強みを再発見できたのだと思う。


この状況に便乗しているのではなく、これをキッカケに自らの強みを再認識した日本のモノづくりは、自ら作って自ら販売するというシンプルな形へ進化を遂げていく。

 

必要としてくれる誰かのために、喜んでもらえる人のために、モノを作る。

シンプルだけど、素敵なモノづくりなんだと思う。

 

コロナウィルスの一日も早い終息を願いつつ、そんな素敵なモノづくりが続いていくこくことを願う。

Director 大江

「あの頃」interview with GING NANG BOYZ (Kazunobu Mineta)

記録的な暖冬と言われる中、ようやく山形にも雪が降りました。

雪が降ったと言えどすぐに溶けてしまうほどで、気分はすっかり春に移りつつあります。

今回のDirector’s BLOGは、COOHEMのシーズンカタログやWEB、Instagramをご覧になって気づいた方も多いかと思いますが、2020SPRING&SUMMERのINERVIEWに登場してくださった銀杏BOYZの峯田和伸くんと話した「あの頃」について。


峯田くんが山形出身というのはご存知の方も多いかもしれませんが、僕と峯田くんは山辺町の小・中学校の同級生です。

小学校高学年の頃、ボーイスカウトで一緒だったので、キャンプに行ったり色んな子供時代の思い出があります。


僕たちが少年時代を過ごした当時の山形は、今のように情報もなく、テレビや雑誌で見るものは何も手に入らないほど田舎でした。

町にコンビニはなかったし、マクドナルドができたのは高校時代だし、ニューバランスのスニーカーは売ってないので雑誌「Boon」裏表紙の通販ページを見て県外のスニーカーSHOPにFAXで購入みたいな、そんな時代でした。

それに加え田舎の小さな町の中で、僕はニット工場の息子、峯田くんは電器屋の息子、子供時代にお互いそれについて話したことはなかったけれど、小さい町のコミュニティの中で周囲から注がれる目線や変な期待に窮屈さを覚えた時期もあったのだと思います。

本当に山と自然しかないようなところで育って、何かを見たい、知りたい、手に入れたいと思うと、それはすべて自分たちの近くにはない。
テレビや雑誌を見て、まだ見ぬ「東京」に強い憧れを持つ。

僕たちの世代は、東京に行けば何かが叶う、何か手に入れられる、そう思って上京した人も多いのかなと。

同世代で地方出身の方なら同じように感じた思い出もあるかもしれませんが、僕たちが大学進学を機に上京した時は、開放感に満ちた感覚でした。

峯田くんもそうだったみたいですが、僕も「上京」したといつつ、実は「千葉」の大学だったり、僕は山形弁が抜けなくて、必死に標準語の練習をしてみたり。
この点、峯田くんは無理に標準語に直さなかった点は僕とは違っていたようです。


僕が前職に就職した頃、彼はインディーズバンドとして世に出て、その後の活躍は皆さんが知る通りです。

再会するきっかけとなったのは、峯田くんがプライベートでたまたま購入したニットがCOOHEMのニットだったり、数年前に山形で開催された同窓会だったり、峯田くんのスタイリストさんがリースにも来てくれたり。

今回の対談で久しぶりに色んな話しをしていく中で、少年時代に感じていた田舎の窮屈さだったり、期待を持って上京したりと「あの頃」の話はつきませんでした。

同じ時代を過ごしてきた中で、お互い道は違えど将来こんな風に出会うなんて不思議な感覚と少しの照れ臭さもありました。

自分のやりたいことを貫き通して音楽で多くの人を感動させている彼に若干、嫉妬しつつ、僕自身もまだまだ服を通して多くの人たちに感動を与えられるようになりたいと刺激ももらいました。

子供の頃、あんなにふざけて遊んでいたのに、数十年で人生いろいろ変わるんだなと。

Director 大江

懐かしく新しい「WITH A YOUTHFUL MIND 」COOHEM2020年春夏

ずいぶんご無沙汰してしまった、Director’s BLOG更新。
今年こそ、定期的に更新していきたいと気持ち新たに、、、

さて、今年は例年にないほどの暖冬、雪が降っていなかった山形でも1月になってようやく雪が降り始めました。。

そんな中で、そろそろ春物が立ち上がっていく今日この頃です。

COOHEMの2020年春夏は、どこか懐かしくて新しい、一着の服が呼び覚ます「あの頃」を感じる「WITH A YOUTHFUL MIND」をテーマにしました。

誰しも親の服を背伸びして着てみたり、憧れのアーティストの真似をしてみた時期があると思います。

「あの頃」、熱中して読んでいたファッション雑誌に載っていたアイテムと似ているものを探して着てみたり、今思い返すと少し気恥ずかしい感覚もあるけど、そんな思い出があるはず。

実家に帰省した際に発見した学生時代の写真、クローゼットの奥から見つけた一着の服によって思い出された「あの頃」の記憶は、今改めて見てみると新鮮に思えたりもする。

これって、懐かしいけど、今着てもいいな。

将来、そんな風に思ってもらいたいという想いでそれぞれのモノづくりを進めました。

それは、過去のコレクションで僕自身がそう思えたモノ、また昔から変わらず着ているモノ、昔着ていて、今新鮮に感じたモノをベースにしたデザイン。

メインビジュアルにあるメンズのマリンモチーフ・スプリングセーターは、実はブランド初期の頃にリリースしたテクニック。あの頃はウィメンズしか展開していなかったので自分では着ることができなかったけど、どうにか進化させたいと思っていました。

リバイバルするにあたって、より涼しげに男性でも女性でも着やすい素材感に変更、柄の大きさも修正してアイコニックな仕上がりになりました。

一見、至極ベーシックなセーターはコットンとカシミヤの別注糸いわゆる「メンカシ」。
自分の古着のスウェットを参考に、パターン、サイジング、袖と裾のリブの接ぎ合わせ、着古したスウェットのようなヨレ具合までニッティングのテクニックで再現した1枚。

いつものCOOHEMのサイズ感よりはゆったり目ですが、ハリがある素材かつしっかりと締まったリブが独特のシルエットを生み出しています。

このように、どこか懐かしくもあり、新しくもある、そんなコレクションが2020年春夏にご紹介したいCOOHEMです。

巡っては繰り返すファッションの世界で、時を超えて受け継ぎたい服が生み出すコミュニケーションを感じていただければと思います。

Director 大江

リアルSHOPだからできること

少し肌寒く、すっかりニットの季節になりました。

先週の10月18日よりCOOHEM初のポップアップイベント「COOHEM Arts and Craftsmanship」がスタートしました。
初日の夜のトークセッション、初めての週末を終え、改めて思った「リアルSHOPだからできること」を今回のDirector’sBLOGのテーマとしたいと思います。


JR馬喰横山駅から徒歩3分、長野県上田とデンマークに拠点を置くhalutaが運営する「次の世代に引き継いでいきたい人や食、地域」をテーマにした SHOP「frø(フォイ)」にて10月18日より10月27日まで10日間限定でオープンしています。



COOHEMを企画、生産している米富繊維・山形本社の工場のビジュアルを展示、生産背景を感じる空間の中で販売している商品は、2019AUTUMN&WINTERのWOMEN、MEN、UNISEXに加え、カードケースやウォレット、クッションカバー、パネルなど雑貨類、このイベントに向けて作成した限定商品も展開しています。



10月18日夜は、COOHEM・米富繊維のブランディングを支えてくれている山形を拠点にクリエイティブ活動をおこなうアカオニ・小板橋さんとのトークセッション「山形からデザイン、ファッションを発信するということ」を開催、定員を越える多くの方にご来場頂きました。

なぜ、山形を拠点にするアカオニさんにCOOHEMのブランディング、ロゴデザインやWEB、シーズンビジュアルから下げ札類に至るまで依頼したのか?

ファッション化と非ファッション化、あらゆる視点でこれまでの軌跡とこれからのブランディングについてお話ししました。


また、10月20日から3日間限定でニット巾着をリンキングミシンで作るワークショップも開催。

たくさんの方がご来場頂き、はじめてリンキングを体験していただきました。
*ミシンの調子が悪く、大変お待たせしてしまったお客様には大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。


COOHEMは直営店舗をもっておらず、自社運営はCOOHEM ONLINE SHOPのみとなっています。

販売に関しては、全国の卸先SHOPで展開して頂いておりますが、今回の期間限定ポップアップイベントを通して、改めて「リアルSHOPだからできること」を感じます。

EC全盛、全国どこにいても、いつでも、何でも商品が買えて、翌日には手元に届く。
溢れるほどの情報の中で、欲しいものを1円でも安く買う方法をWEBで探す時代。

ただ商品が欲しいだけならECの方が効率がいいのかもしれない。

その瞬間、その商品に携わる人に、その商品が作られる背景を感じることができる空間で、完成されるまでのプロセスやモノづくりの話を聞くことができる。

当たり前のことだけど、それが「リアルSHOPだからできること」。

トークセッションやワークショップなど、特別なコンテンツを通して、ブランドの世界を体感した上で手に入れるCOOHEMは、今までONLINE SHOPをご利用頂いてきた「使い手」であるお客様にとっても、「作り手」「伝え手」である僕たちにとっても特別なものになれるのかなと。

イベントは10月27日(日)まで。

10月26日(土)夜には2回目の森岡書店・森岡さんとのトークセッション「一冊の本と一着のセーター」の開催を予定しております。ご興味ある方は是非ご予約お待ちしております。

残すところあと1週間、皆様のご来場お待ちしております。

Director 大江

「作り手」「伝え手」と「使い手」が交わる場

先週末は全国的に台風19号の被害に見舞われました。
被害に遭われた方々のお見舞いを申しあげるとともに一日も早い復興、再建をお祈りいたします。

今回のDirector’s BLOGは、今週10月18日(金)よりスタートするCOOHEM初のPOP UPイベント「COOHEM Arts and Craftsmanship   糸、人、交わることからすべてがはじまる」についての想いを説明する「作り手」「伝え手」と「使い手」が交わる場」について。

常設の直営店舗を持たないCOOHEMですが、「作り手」「伝え手」と「使い手」が交わる場を目指して期間限定のCOOHEM初のPOP UPイベントをこの秋、開催します。


<開催概要>
会期:2019年10月18日(金)〜27日(日)
   11:00〜18:00(期間中無休)
会場:frø(フォイ)千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル 101
入場料:無料
展示と販売:
・COOHEM 2019 AUTUMN & WINTER
(MEN・WOMEN・UNISEXウェア)
・COOHEM Knit Tweed Life
(財布、ポーチ、カードケース、パネルなど雑貨)
・COOHEM EXCLUSIVE 商品
(MOHAIR NORDIC KNIT SWEATER、ミニトートバッグ)

<イベント・ワークショップ>
■10月18日(金)19:00〜20:30
オープニング・トークセッション
「山形からデザイン、ファッションを発信するということ」
https://www.facebook.com/events/440036529962699/
ゲスト:小板橋基希(akaoni)、大江健(COOHEM)
定員:30名
料金:2,000円(1ドリンク込、要予約)

■10月26日(土)19:00〜20:30
トークセッション「一冊の本と一着のセーター」
https://www.facebook.com/events/786463958452372/
ゲスト:森岡督行(森岡書店)、大江健(COOHEM)
定員:30名
料金:2,000円(1ドリンク込、要予約)

■10月20日(日)21日(月)、22日(火・祝)
「ミニ巾着のリンキングワークショップ」
https://www.facebook.com/events/403914260272744/
山形のファクトリーで実際に使用しているニット用のミシンであるリンキングの機械を使用して、オリジナル巾着バッグを作るワークショップです。ファクトリーならではの技術に触れ是非この機会にCOOHEMのモノづくりを体験してみてください。
開催時間:11:00〜16:00(随時受付)
所要時間:約30分〜
料金:4,000円(商品・講習料込み)

<お問い合わせ・ご予約>
米富繊維(株)山形本社
山形県東村山郡山辺町山辺1136
TEL 023-664-8166
E-MAIL info@coohem.jp

イベントご予約の際は、下記項目をお伝えください。
1. イベント名
2. 開催日
3. お名前
4. 人数
5. 当日ご連絡がとれる携帯電話番号

※参加費のお支払いはイベント当日、会場にてお受けいたします。

イベントのご案内(PDF)
COOHEMArts and Craftsmanship


さて、なぜ?このタイミングでブランド初のPOP UPイベントを開催するのか?

僕たちはまだ常設のSHOPを持っておらず、各卸先SHOPまたはCOOHEM ONLINE SHOPなどで商品を皆様にご覧いただいております。

 2010年にブランドをスタートしてから、2017年に雑貨とメンズラインをスタート、Onitsuka Tigerやfamiliarとのコラボレーションのリリースと駆け抜けてまいりましたが、ウィメンズもメンズもCOOHEMのファンになって下さるお客様に支えられここまでブランドが続いてきました。

2020年にブランド10周年という節目を迎えるにあたり、自分自身、スタッフともども皆さんとお会いできる場を作り、また皆さんに楽しんでいただけるコンテンツをご用意したイベントにしたいという想いから開催する運びになりました。

今回の開催場所は東京・馬喰町のアガタ竹澤ビルの1階。
「次の世代に引き継いでいきたい人や食、地域」をテーマにさまざまなもの・こと・アイデアを発信していくhalutaのポータルスペース「frø(フォイ)」は、戦後に創業した老舗ニットメーカーから生まれた次世代型ファクトリーブランド・COOHEMの誕生背景にもぴったり合うと感じました。

イベント期間中、様々なコンテンツご用意しております。
2019AUTUMN&WINTERのコレクション・限定商品の販売から、COOHEMにゆかりのある方々とのトークセッション、ニットのモノづくりが体験できるリンキングでニットの巾着を作るワークショップなど。

特にトークセッションでは、普段あまり皆様の前でお話しすることがない内容かもしれませんが、10月18日(金)アカオニ・小板橋さんとは「山形からデザイン、ファッションを発信するということ」と題し、COOHEMのブランディングのこれまでとこれから、また地方都市である山形からデザインやファッションを発信することについてお話しできればと思っています。

ちなみにアカオニさんは、現在のCOOHEMならびに米富繊維のWEB、クリエイティブ回り全般を手がけていただいており、この度のCOOHEMのブランドロゴリニューアルも手がけていただきました。

10月26日(土)森岡書店・森岡さんとは「一冊の本と一着のセーター」と題し、「一冊の本を売る本屋」という斬新なコンセプトの書店を営まれている森岡さんと、一着のセーターを作り出すためにあらゆるノウハウと技術を駆使しモノづくりをおこなう米富繊維が考える「作り手」「伝え手」そして「使い手」の関係性を探っていきたいと思います。

森岡さんも山形県の出身。上京し様々な経験を経て新しいことを発信している先輩でもあります。
2018AUTUMN&WINTERのCOOHEMシーズンカタログINTERVIEWにも登場していただきました。

トークセッションは事前予約制となっておりますので、ご興味ある方は是非ご予約ください。

「作り手」または「伝え手」であるCOOHEMが、「使い手」となるお客様と時間を共有できる場で交わることによって、ブランドの「次」を考えていくきっかけにしたいと個人的にも考えております。

COOHEMファンの方々、将来ファッション業界を目指している学生の方々、モノづくりに興味がある方々、地方で働くことに興味を持っている方々、同業種(製造業)の方々、様々な方にご来場いただきCOOHEMの商品、背景にあるもの、これから受け継いでいこうとするモノづくりを体感していただければと思います。

期間中、COOHEMスタッフも会場におりますので、何かご質問等ある方はお気軽にお声がけください。ちなみに私は10/18(金)、10/19(土)、10/26(土)終日会場におります。

皆様にお会いできることを楽しみにしております。

Director 大江

米富繊維が工場見学会を開催する理由

パリの出張から帰国、バタバタと過ごしていますが、すっかり秋らしくなってきました。

BLOGの更新もずいぶん久しぶりになってしまいましたが、今回のDirector’s BLOGは「米富繊維が工場見学会を開催する理由」について。

今週、10月1日(金)〜10月12日(土)の3日間、昨年に引き続き米富繊維の一般のお客様を対象にした工場見学会「YONETOMI FACTORY TOUR」が開催されます。

現在では多くの業種で「工場見学」が一般化していますが、それだけモノづくりへの関心、携わる人達への関心、その商品が生まれた背景や土地、文化などへの関心が高まってきているのだと思います。

今まではこうした「モノづくりの背景」は、特にこだわりが強い男性に多かったイメージですが、昨年9月に開催した初のYONETOMI FACTORY TOURでは、女性や子供たちも多数いらっしゃいました。

さて、今回のBLOGテーマである「米富繊維が工場見学会を開催する理由」についてですが、いくつかの理由があります。

COOHEMはまだ直営店舗を持っておらず、直接お客様と接する機会が多くない現状です。
また、製造業という業種から米富繊維で働く人達が自分たちが作った商品を買ってくれている、着てくれている、または気に入ってくれる方々ってどういった方々なのか知る機会もありません。

僕がこの米富繊維に入社した際に、前職の服屋での販売経験とのギャップで最も感じたことは、「お客様との距離が遠い」ということでした。

小売業であれば日々ご来店されるお客様と接することが仕事の一部ですが、製造業は販売されるマーケットの多くは首都圏に集中していることもあるため、お客様と接する機会自体が無いと言えます。

これまで「工場」とは、ある意味で閉ざされた世界で、「職人」とは未知の存在のような捉えられ方をしていた部分もありますが、自分たちが日々一つ一つを丁寧に作り上げていく仕事だったり、長い歴史の中で培われた技術、そこからしか生まれないストーリーを工場見学を通して何かしら感じて頂ける機会にできればという想いからスタートしたプロジェクトでした。

かつてはニットの産地として有名だった山形県山辺町。
今では山形県や山辺町がニットの産地であったこと、同じ町内の工場から有名ブランドの商品が生産されていること、ご存知の方も少なくなってしまっている現状です。

そうした現状の中で、自分たちの仕事をオープンにすることによって、少しだけ身近に感じることができたり、そこでモノづくりに携わり働くことに興味を持ったり、そこで作られる商品に感動したり、ファンになったりする人がでてきてくれたらと思っています。

 

 

昨年、YONETOMI FACTORY TOURにご参加頂いた方の中で小学生の女の子がいました。
その子が工場見学が終わってから「COOHEMのデザイナーになりたいのですが、どうすればいいですか?」と質問してくれたそうです。

小さい工場ですが、その「体験」がもしかしたら未来のニットデザイナーが誕生するきっかけになるかもしれないと個人的にはとても嬉しい出来事でした。

 

 

山形県または山辺町という地域にとっても、ニット業界にとっても、ニット工場という産業自体に興味を持ってくださる人達が増えることは、再び活性化させていくためには必要不可欠です。

 

 

 

まだまだ手探りで一つ一つ試行錯誤しているプロジェクトですが、ご参加頂いた皆様に楽しんで頂ける内容にしていきたいと思います。

今回は、初のニット巾着のリンキングが体験できるワークショップの開催や、国際ドキュメンタリー映画祭とご一緒に楽しめるタイミングでの開催のため、山形県内の方も県外の方も、是非ご参加ください。

皆様のご来社心よりお待ちしております。

Director 大江

「伝統」を「進化」させた「独自性」COOHEM 2019秋冬

そろそろ梅雨が明け、夏がやってくるこの季節。

米富繊維株式会社の山形本社工場内は、2019年秋冬の生産ピーク時期が近づいてきました。

2、3月の展示会を終え、原料を手配、糸から編地になり、製品になっていく過程は、長い時間と人の手を経て、店頭に並びます。

そんな中でCOOHEM 2019AUTUMN&WINTERがいよいよ立ち上がります。

テーマは「T.P.O.」。

以前、このDirector’s BLOGでも取り上げましたが、この「T.P.O.」という言葉。

「T.P.O.(ティー・ピー・オー)」とは?
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語で、かのVANの創始者である石津謙介氏がアメリカの服飾文化を日本に紹介した際に発案した言葉だと言われています。

日本のメンズファッションが戦後に産声を上げた当時、アメリカのIVYファッションをお手本に、「こういうシチュエーションではこの服はこう着るべき」など、「◯◯◯◯であるべき」、「◯◯◯◯として着るのが正統」とモノの背景とそれを着る状況に関しても、こうした概念が雑誌やSHOPにて発信されていました。

こうした概念を学び、真似してみて、日本人が欧米から生まれた「洋服」を着る文化が形成されていった側面は強いのだと思います。

今回INTERVIEWでご登場頂いた川邉サチコさんのお話しにも、当時の様子がうかがえる内容がありますので是非ご覧ください。

INTERVIEW #003 川邉サチコ

そして時は流れ、今では男性も女性も普段の通勤着は、クールビズに代表されるノーネクタイのスタイルやデニム、スニーカーもOKなど、当時に比べると驚くほどカジュアル化して、「T.P.O.」やドレスコードなどという概念を飛び越えて、ある意味で多様化しつつある「現代」なのかもしれません。


そうした総カジュアル化の流れの中で、自分達が作っている服が一口にファッションと言って何でもありでもなく、いつ着るのか?誰と会うのか?想いを巡らせた時に「これを着て行こう」と真っ先に手に取る一着でありたいという願いからこの「T.P.O.」をテーマにしました。

本物のムートンと見間違えるほどのニットムートンジャケット、メンズでは初登場のニットツウィードのダウンジャケット、定番とも言えるライダースなど今までニット素材ではなかったようなアイテムも細かいディティールも含めてニットのモノづくりによって表現しています。

素材の開発にしろ、アイテムのデザインにしろ、こうした細かいディティールをニットで表現するのにはどうするか?

日夜、職人達と悪戦苦闘の末に完成していくCOOHEMのコレクションは、Tradition(伝統)をProgress(進化)させて、Originality(独自性)を出すモノづくり。

このプロセスもまた「T.P.O.」と言えるのかなと。

モノが溢れ、スタイルが乱立したこの時代だからこそ、意味もなく何でもありじゃなくてこの「T.P.O.」という言葉を改めて意識したい気分です。

是非、SHOPにて商品をご覧ください。

Director 大江

米富繊維の新卒採用

早いもので今年も新卒採用の時期がやってきました。

現在、米富繊維株式会社では、2020年4月入社の仲間を募集しています。

ここ数年で県外から就職した人も含めて若いスタッフが少しずつ多くなり、ベテラン職人とともにCOOHEMならびに米富繊維のモノづくりを支えてくれています。

現在、米富繊維株式会社の新卒採用は山形本社採用のみとなっています。

なぜなら、将来ブランドの営業やプレスをやりたい人にとっても、デザイナーとして商品を企画したい人にとっても、私たちのモノづくりの「現場」である山形の本社工場で職人たちと同じ時間を共有し、モノづくりを「体感」「理解」することがとても重要だと考えるからです。

目の前で編んで、縫って、一つの商品が作られていく過程を間近で体感していくことは、特にモノづくりを志す方にとってはとても大切な環境だと思います。

将来、何を目指すにしても、現場でしっかりと「基本」を学び身に付けることが重要です。

初めて社会に出て仕事を覚えていく中で、現場で「基本」を身につけることは、その後の自身の「糧」となり、「支え」になります。


ファッションの仕事には、多くの職種が存在します。

販売員としてお客様に商品をご紹介する仕事。
倉庫係として在庫整理をする仕事。
ディストリビューターとして商品の配分や在庫調整をする仕事。
営業としてブランドの商品を置いていただけるSHOPを探す仕事。
プレスとしてより多くの人にブランドの世界観を伝える仕事。
パタンナーとして型紙を引く仕事。
デザイナーとして商品のデザインをする仕事。

数え上げればまだまだ職種はあります。

米富繊維株式会社においては、モノづくりの各工程や会社を円滑に運営するための仕事があります。
ソーイング(縫製)オペレーターとしてミシンを使ってニットを縫製する仕事。
ニッティング(編立)オペレーターとして編機を使ってニットを編む仕事。
ニットテキスタイル開発として、今までにない素材使いや編組織の組み合わせを考える仕事。
ニットデザイナーとして自社ブランドの商品を企画する仕事。
OEM/ODM営業担当として取引先ブランドのモノづくりを陰ながら支える仕事。
出荷担当として商品を検品、納期通り出荷業務をおこなう仕事。
経理担当として各種伝票の処理と管理業務をおこなう仕事。
広報担当として会社やブランドの価値を一人でも多くの人に伝える仕事。

などなど、その職種、仕事内容は多岐に渡ります。

どの職種も、一つの商品ができあがって、お店に並び、その価値に共感してくださるお客様の手元に渡るまで、欠かすことのできない職種と仕事内容だと言えます。


米富繊維に限らず、どの会社、どのブランド、どの職種にとっても、前述した「現場」での経験は、近い将来、自分の仕事のベースとなり、活きる日がくるでしょう。

縁もゆかりもない山形へ移住することに不安を覚えるのは当然とも言えます。
簡単な決断ではないことですし、見たこともないモノづくりの現場で仕事をすること自体が未知の世界でもあります。

そのため、米富繊維株式会社では、下記の日時で会社説明会と工場見学を実施いたします。

<会社説明会>
4月16日(火)山形本社 13:00~15:00
4月17日(水)東京オフィス 13:00~15:00

<会社・工場見学(山形本社)>
4月24日(水)~4月26日(金)、5月8日(水)~5月10日(金)
(1)10:30~12:00
(2)13:30~15:00

*会社説明会及び会社・工場見学の参加をご希望の方は必ず事前にメールまたはお電話にてお申し込みください 。

会社説明会では、県内外から就職した先輩社員も同席して、学生の皆さんからのご質問にお答えする機会を設けています。

是非、この機会に疑問に思うこと、不安に思うこと、仕事内容や山形での生活など質問・相談して頂ければと思います。

現在、就職活動中の学生の皆さんにとって、ファッション業界の仕事といっても、様々な業種、ブランド、会社がある中で、どういう道に進もうか?色々と模索している方も多いと思います。

そんな中でCOOHEMのファンの方、モノづくりに興味がある方、地方に移住してファッションの仕事をしていくことに興味がある方は是非、会社説明会および工場見学にご参加ください。

皆様のご応募お待ちしております。

Director 大江

STEPPIN’ OUT IN STYLE

展示会を終え、パリ出張直前のバタバタですっかりBLOG更新が滞っておりました。

まだ肌寒い季節ですが、気分的にはそろそろ重たいコートやアウターを脱ぎ捨て、春を感じたい季節になってきました。

今回のDirector’s BLOGは、COOHEM2019SPRING&SUMMERのテーマである「STEPPIN’ OUT IN STYLE」について。

「STEPPIN’ OUT IN STYLE」とは?

オシャレして出掛けたくなる服。

今はスマートフォンひとつあれば、家の中で何でも手に入る時代。

家にいながらも、有名レストランのランチをオーダーすることだって、好きな映画をわざわざ借りに行かなくても観れてしまう。

服だって、どこにいたって、何時でも、買い物ができる。

少し前には考えられないほど便利な世の中ですが、ふと振り返るとどこかに出掛ける前に、誰かに会うために服を買うということって貴重な体験だと感じます。

外に出てヒトやモノに出会ったり、感動したりすることって、予想できないから貴重だし、記憶に残るものなんだと思う。

そんな時に、軽やかに、色鮮やで楽しい服に袖を通して出掛けてみる。

そういう気持ちにさせてくれる服を考えてみたいということが2019SPRING&SUMMERコレクション作成にあたっての思いでした。

「軽さ」を表現するために、ポリエステルでツウィードを作り、熱圧着で表面を潰してフラットにする。

ボリュームがありながらも軽やかな生地感はニットで作るテキスタイルだからこそ。

糸、編み組織、素材の組み合わせに、見た目の軽さを演出するカラーリングなど、モノづくりの一つ一つに培ってきたテクニックを施す。

弊社の創業者が世に出したと言われる「サマーニット」、カットソーじゃ表現できない上質感と表現の多様性。

新しいアイテムを開発し、2019年春夏も新しいCOOHEMを感じていただけるコレクションとなりました。

是非、袖を通して、春が待ち遠しい気分を楽しんでみてください。

Director 大江

「地方」から「世界」に向けて発信する米富繊維の中途採用

新年はじめてのDirector’s BLOGは、「「地方」から「世界」に向けて発信する米富繊維の中途採用」COOHEMを手がける米富繊維株式会社・山形本社<中途採用>について。

 

 

初の自社ブランドCOOHEMを立ち上げてから8年が過ぎ、僕が米富繊維株式会社に入社した頃に比べてずいぶんと若いスタッフが多くなった米富繊維株式会社。

今では地元・山形出身の人だけではなく全国各地から山形に移住した県外出身者もそれぞれの職種で米富繊維のモノづくりを支えています。

勤続数十年のベテラン社員と若手社員が一緒に働いていることも都内のアパレルメーカー、セレクトショップには見られない特徴です。

そうした社内の現場を見渡すと、ファッションは若い人たちだけの仕事じゃなくて、技術と経験を備えたベテランと目標を持って地道に努力し、挑戦しようとする若手たちが共に手を携えてモノづくりをしていることが米富繊維・COOHEMの唯一無二のモノづくりを可能にしている土壌だと感じます。

現在、米富繊維株式会社では下記の職種<中途採用>を募集しています。


【パタンナー】
<求める人材>
・アパレルメーカーおよびニット工場、縫製工場においてパタンナーとしての実務経験がある方

【リンキング】
<求める人材>
・ニット工場、縫製工場においてリンキングの実務経験がある方

【経理(幹部候補)】
<求める人材>
・経理の実務経験10年以上の方
・日商簿記3級以上もしくは同等の知識がある方

【経理(事務)】
<求める人材>
・経理の実務経験5年以上の方
・日商簿記3級以上もしくは同等の知識がある方

【応募締め切り日】*履歴書を郵送またはメールでお送りください。
2019年1月31日(木)

採用スケジュール等の詳細は下記のURLご参照ください。
http://www.yonetomi.co.jp/recruit/

山形に馴染みがない方には写真のような自然に溢れた田舎に思えるかもしれませんが、こうした昔ながらの素晴らしい自然環境もさることながら、東北芸術工科大学を中心として県外から山形に移住した方が立ち上げたデザイン会社やカフェ、山形ビエンナーレなどのイベントと今の山形はクリエイティブな一面も併せ持っています。
 

少し前の時代、僕の学生時代には考えられなかったことですが、今は山形のような地方都市から世界に向けて発信ができる時代。

インターネットや物流が発達した今だからこそ「地方」から発信できるのだと思います。
「地方」でクリエイティブな仕事ができる時代と言えます。


僕自身もUターン就職であり、COOHEMを支えるメンバーの多くは県外からのIターン就職のスタッフでもありますが、山形出身、県外出身に関わらず、山形本社をベースにしながら「世界」に向けてそのモノづくりを発信しているのが「今」の米富繊維です。

一度はファッションを志し、県外に出てデザイナーやパタンナー、マーチャンダイザーなどファッションの仕事を経験、故郷・山形へのUターン就職を考えている方、または地方での生活に根ざし自分の可能性を試したいIターン就職を希望する方、地元・山形でモノづくりに携わっている方のご応募大歓迎です。

皆様のご応募お待ちしております。

Director 大江

 

T.P.Oで考える服

昨年に比べて暖かい今年の秋冬ですが、山形は雪が降り始めそろそろ冬の訪れを感じる頃となりました。

さて、今回のDirector’s BLOGは、「T.P.Oで考える服」について。

「T.P.O(ティー・ピー・オー)」とは?
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。

この概念の発案者は「VAN」の創始者・石津謙介氏と言われています。


言葉の使い方としては「T.P.Oをわきまえた着こなし」や「TPOに相応しい言動を心掛ける」など、ビジネスシーンのみならず冠婚葬祭や社会人としての一般教養的な意味合いでしばしば使われることが多いと思います。

かの石津氏は、戦後の日本にアイビーファッションを紹介、そのライフスタイルを啓蒙する中で、欧米のドレスコードの概念を「T.P.O」という言葉を使って当時の日本人にわかりやすく解説したのかもしれません。


ご存知の通り日本には欧米ほど階級意識やドレスコードの概念が強くありません。
歴史を紐解けば、日本にも和装における独自の文化や着こなしの概念が存在していたはずですが、明治維新から今日に至るまで欧米の先進的な概念やライフスタイルを取り入れて、自分たちなりに編集して発展してきたことは言うまでもありません。

そんな世界に誇る編集大国・日本で独自に解釈され発達した考え方として「T.P.O」も挙げられるのではないでしょうか。

その服は昼に着るべきものか?夜に着た方がいいのか?
華やかなパーティで着るべき服なのか?リラックスした週末に着たい服なのか?

今は、オフィスのカジュアル化が進み、いわゆるOLさんでも通勤着としてスーツやジャケットを着用しないでもOKだったり、ビジネスマンのクールビズに代表されるようにネクタイを締めないビジネススタイルも一般的になりました。
自転車通勤の方が着替えないでそのまま仕事ができる仕様になったスーツすら誕生しています。

そういう点では、時代とともに「T.P.O」を考えるっていうこと自体が変化しつつあります。
「こうあるべき、こう着るべき」という古くからの伝統や慣習に囚われるだけでは時代の流れについていけなくなります。

これは服の着方に限らず、モノづくりにも同じことが言えるのではないか?
ニットの基本はこうあるべき、秋冬のニットはこう着るなどなど。
基本は大事ですが、縛られずに、そして基本を忘れずに個々の個性を出していく。

Time(時間)とPlace(場所)、Occasion(場合)をわきまえる。
「ファッション」だから何でもありじゃなくて、着ていくシーンや出会う誰かによってアイテムや着こなしを考えてみる。

古臭く感じるようなことでも、大事な基本を忘れずに、時代に合わせて捉え方を変えていく。

「T.P.O」って、Tradition(伝統)をProgress(進化)させて、Originality(独自性)を出すCOOHEMのモノづくりに相通じるものとも言える。

モノが溢れ、スタイルが乱立したこの時代だからこそ、意味もなく何でもありじゃなくてこの「T.P.O」という言葉を改めて意識したい気分です。

Director 大江

COOHEM東京スタッフ募集

すっかりニットが着たくなる季節になりました。
東京は秋の心地よい季節ですが、山形はもう冬が目の前までやってきている予感がするほど冷えてきつつあります。

さて、久しぶりのDirector’s BLOGですが、今回は「COOHEM東京スタッフ募集」について。
現在、COOHEMでは東京スタッフを募集しています。
募集職種は、下記の通りです。

1. 自社ブランド COOHEM(コーヘン)PR
COOHEMのPR業務、展示会運営、POP UPイベント業務、営業スタッフのフォローなどを担当して頂きます。
2.自社ブランド COOHEM(コーヘン)海外営業
COOHEMの海外営業としてパリ展示会に出展、海外バイヤーとのコミュニケーション等を担当して頂きます。

1、2ともに専門性の高い職種ですが、ファッションブランドには欠かせない「そのモノづくりのこだわりやブランドの世界観、目指す方向性」を国内外に発信する非常に重要な仕事です。

いずれもCOOHEMのモノづくりを理解した上で、実務としてはPR業務、海外営業業務を担当して頂きます。*入社後に山形本社においてモノづくりの流れを知るために約一ヶ月間の研修を予定しています。

募集要項の詳細はWEBサイトをご覧ください。
https://www.coohem.jp/recruit


世の中に数あるアパレルメーカー、ファッションブランドの中で、僕たちのブランドCOOHEMが他と違う点は、①自社生産背景を持つブランドである。②独自性のあるモノづくり。が挙げられます。

これだけモノが溢れる時代の中で、完全にオリジナリティがあると言いきれるブランドはそんなに多くはないのではないでしょうか?

商品の独自性はモノづくりにあり。
自社工場での独自開発、デザイン、生産による生み出される商品にはPR的にも国内外の営業的にも発信すべきストーリーが溢れています。

地方に本社工場があり、その自社工場で糸からニットテキスタイルを開発、デザイン、生産、販売までを手がけるブランドである点も他にはない特徴です。

本社が山形にあるという意味では、山形県出身で現在、東京で生活されている方や山形にゆかりのある方などは、生まれ育った土地の企業の東京オフィスでの勤務となるため、親近感があるかもしれません。

海外留学経験があって英語力があるのに、今の仕事では活かせていない。
これを機に自身の英語力を活かして海外ビジネスに挑戦したい人などやりがいを感じて頂けるのではないかと思います。

上記の募集職種において男性、女性を問わず募集しております。


COOHEMはまだまだ小さいチームですが、WOMEN、MEN、そしてライフスタイル雑貨、異業種コラボレーションと今後もさらなる可能性を広げています。

これまで商品力と営業力で販路を開拓しブランド認知度を上げてきましたが、PR業務に関してはまだまだやるべきことがたくさんあり、課題を抱えております。
海外ビジネスに関しても、2013年にパリのWOMEN合同展示会出展をスタート、香港、韓国、台湾、イタリア、アメリカ、フランスとアカウントを増やしてきましたが、今後はMENや雑貨も含めた展開も加えて可能性を広げることが課題です。

小さい会社、ブランドだからそれぞれの個々の仕事がブランディングの重要な要素です。
ブランドは「人」が創る。その「人」の成長が、会社の成長につながる。
自分自身の成長とブランドの成長を重ね合わせ、挑戦する姿勢を大事にする方を僕たちは求めています。

僕たちと一緒に山形の老舗ニットファクトリーから生まれた唯一無二のモノづくりを、そして日本のファクトリーブランドの可能性を広める仕事をしてみませんか?

応募締め切り日は2018年11月10日(土)となっています。
ご興味ある方は是非ご応募ください。

DIrector 大江

初の一般の方に向けた工場見学会

先日のDirector’s BLOGでもご紹介したJAL機内誌「SKYWARD」掲載に関して、全国から多くのお問い合わせを頂きありがとうございます。

そんな中で、今週の13日(木)より米富繊維株式会社初の一般の方に向けた工場見学会「YONETOMI FACTORY TOUR」を開催します。


より多くの方々に、COOHEMを産み出し、世界へ向けて日本のモノづくりカルチャーを発信し続けている米富繊維の唯一無二のモノづくりを知って頂きたいという思いからこのような機会を設けました。見学日は、東北芸術工科大学が主催している「山形ビエンナーレ」開催期間中の9月13日(木)~14日(金)、21日(金)~22日(土)の計4日間です。(お申込み方法などの詳細は下記をご覧下さい)

古くから日本のニット産地として栄えた山形県・山辺町。
私の祖父母、大江良一・英子によって戦後に創業、かつては町民の大多数がニット産業に従事していたというこの土地で米富繊維はモノづくりを続けてまいりました。

高度成長の波に乗り事業を拡大していく中で、常に時代の最先端のモノづくりを業界に提案、サマーニットの生みの親といわれる逸話がある工場でした。

時代の流れに翻弄されるかのように、海外生産が主流となる中で事業の縮小を余儀なくされましたが、2代目である現会長・大江富造の時代より続けてきた編地開発の歴史と技術がCOOHEMという自社ブランド誕生の背景にあります。


工場見学会では、1本の糸からセーターが作られていく過程や他では真似できない編地開発技術、COOHEMのモノづくりを手掛け、支えている職人たちなど、COOHEMのコレクションが完成するまでの裏側をたっぷり堪能して頂くことができます。



なぜ?このタイミングで一般の方を対象とした工場見学会を実施したのかというと、今後ますます「顔」の見えるモノづくりが重要になってくるファッション業界で、一人でも多くの方に私たちのモノづくりのこだわりだったり、培われた技術だったり、その歴史と技術にあぐらをかくことなく新しいモノづくりに挑戦する姿勢だったり、感じて頂ける機会を創っていきたいという想いがあるから。

哀しきかな、地元・山形でも、山形や山辺町がニットの産地であるという認識が薄くなってしまった昨今、改めて世界に向けて発信するに価するモノづくりがこの地にあるということを地元の方々にも知って頂きたいと思います。

今回は会社としても初の試みでまだまだ手探りな部分もありますが、参加された方の中から将来、米富繊維のモノづくりを支える仲間が増えたり、お取引先になったり、コラボレーションが実現したり、良きご縁につながるのであればなお素敵なことだと思います。

YONETOMI FACTORY TOUR 
受付 完全予約制(先着順)

予約方法 電話:023-664-8166またはメール:info@yonetomi.co.jp
※見学日の3日前までご予約を承ります
参加費 無料

工場見学実施日 9/13(木)、9/14(金)、9/21(金)、9/22(土) 時間 10:00~11:10/14:00~15:10
※開始10分前を目安にお越しください。
所要時間 約70分
人数 各回1名様~10名様

場所 米富繊維株式会社 山形本社 山形県東村山郡山辺町山辺 1136
Tel 023-664-8166
※正面玄関よりお入りください。

注意事項 ・キャンセルや人数・時間のご変更は見学日の3日前までお電話にて可能です。
(予約状況によっては対応できかねます。)
・旅行会社の企画募集による見学は受け付けておりません。
・駐車場が大変限られているため乗り合わせてお越しください。
・お客様の事由による当社工場内での事故・怪我などについての責任は負いかねます。 問い合わせ先

米富繊維株式会社
電話:023-664-8166
メール:info@yonetomi.co.jp
営業時間9:00~17:00(土日祝を除く)

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

DIrector 大江

空の上で出会うCOOHEM

すっかり久しぶりのDirector’s BLOG更新となりました。

そして、すっかりSHOPも2018AUTUMN&WINTERが立ち上がってきました。

今回はのDirector’s BLOGは「空の上で出会うCOOHEM」と題しまして、先日COOHEM NEWSでも告知されましたが、JALの機内誌「SKYWARD」9月号にCOOHEMが掲載されたストーリーをご紹介します。



ウィメンズは2018AUTUMN&WINTERのメインビジュアルともなっているVIMAR TWEED、メンズはアイコニックなBRAZER TWEEDが掲載されております。

 
 

JAL機内誌「SKYWARD」9月号 掲載品番 
WOMEN  10-183-028 VIMAR TWEED J/K      #10WHTE  ¥56,000(税別)
MEN        20-183-014 BLAZER TWEED J/K    #14BLACK ¥58,000(税別)

誌面でCOOHEMを紹介する文章は、一冊の本を売る本屋「森岡書店」の店主・森岡督行さんに書いて頂きました。

いつもパリ出張の際に機内で読んでいたSKYWARDにCOOHEMが掲載されるのは僕としても感慨深いものがあります。

今回の掲載までに至ったストーリーは、さかのぼること2年半前の2016年2月、アメリカ・ラスベガスで開催されたPOGGY’S WORLDに出展した時に起きた「ある出来事」がきっかけとなったのです。

 



当時、TOKYO FASHION AWARD受賞をきっかけとして、COOHEMのメンズラインを数型作成、1月のパリSHOWROOM.TOKYO出展、2月のラスベガスPOGGY’S WORLD出展と飛び回っていました。

ラスベガスへはサンプルを両手に単身で乗り込んだわけですが、初のロサンゼルス国際空港でのトランジット(国際線から国内線への乗り換え)、サンプルの税関処理が予想以上に混雑していて、なんと予定していたラスベガス行きの国内線の便に間に合わないという最悪の事態に。。

カスタマーセンターで待つこと2時間、こんな時に限ってiPhoneの残りの電池は8%と途方に暮れていたところ、長蛇の列に一人の日本人男性が並んでいました。

今、思えば大変失礼なのですが、同じように乗り換えできなかった方と思い、気軽に話しかけてみました。

そして、いざ自分の番が回ってきて、次のラスベガス行きの便にチケットを替えてもらおうと可能な限りの英語を使って説明していたところ、彼が流暢な英語でヘルプしてくださり無事に次の便に振り替えることができました。
既に予定の便でサンプルだけがラスベガスに飛んで行ったため、空港で止めてくれるように伝えて頂き、紛失する可能性があった荷物の段取りと何から何まで助けて頂きました。

お互い次のフライトまで4時間近くあったため、その間いろいろな話をしていました。
僕が洋服屋であること、以前はセレクトショップで販売をしていたけど家業のニット工場でブランドを作ったこと、TOKYO FASHION AWARDを受賞してメンズを始めたことなどなど。

そして世間話の中で、

僕 「普段は日本の航空会社(JAL)を使っているから荷物の心配もないんですよね」

彼 「いつもご利用頂きありがとうございます」

僕 「え??」

なんという偶然なのか!異国の地のトラブルがこんな展開になるとは夢にも思いませんでした。

海外には何度も出張していましたが、このようなトラブルは初めてでまさに「捨てる神あれば拾う神あり」、彼との出会いが僕をラスベガスへと導いてくれたのです。

それから2018年の2月にCOOHEM 2018AUTUMN&WINTER展示会で彼と再会、ある意味で映画のような今回の出来事をご縁にして今回の掲載に至りました。



誌面で森岡さんも書いて頂いていますが、COOHEMのニットジャケットには、シワになりずらく、畳んでスーツケースに入れることができ、インナーの合わせでON/OFFどちらでも対応できる汎用性、軽く柔らかな着心地とまさに国内外を飛び回るビジネスマンや旅行にも重宝するアイテムです。

そして、思わず他人が「それ何?どこのブランド?」って話しかけたくなる華やかさや独特の存在感が、異国の地での新しい出会いを生むのかもしれません。

つくづく、特に「旅」や「海外」っていろんな「奇跡」が起こるなと感じます。

おそらく普段の生活の中にもいろんな出会いのポイントがあるのだけれども、気づかずに過ごしているだけかもしれません。

皆様、是非9月にJALに乗った際は、SKYWARDをご覧になり空の上でCOOHEMに出会ってみて下さい。
その裏にはこんなストーリーと素敵な出会いがあったことを思い出しながら。

Director 大江

日常に見つけたデザインの種

連日の猛暑。
猛暑を通り越して、炎暑というこの頃。
くれぐれも熱中症にはご注意ください。

今回のDirector’s BLOGは、COOHEMの商品企画の原点とも言えるデザインの発想「日常に見つけたデザインの種」について。

 

ブランドを立ち上げて、服のデザインをするようになってから、日常のあらゆるモノやコトに対して「これをこうしたら面白いのかな?」「だんだんニットの配色に見えてきた」「この考え方をニットに置き換えられないか?」など妄想癖がついたような気がします。

 

ふと足元を見て、目の前に広がる色の組み合わせがニットの編み組織に見えた地下鉄。

そして、リサイクルショップの前で無造作に積み上げられたコンテナや古着のワッペンを何気なく並べて見て気づく色の配列。

直感的に何かを「デザインの種」として無意識に感じ取っているのかもしれない。

 

僕の日常は、海外出張の時のリサーチだったり、染色工場の見学だったり、米富繊維のアーカイヴスだったり、イラストレーターの画集を見ることだったり、出張中の地下鉄や何気なく目に留まった看板だったりと関連性のない一つ一つが「日常」だったりする。


そういう一つ一つにデザインの種がある。

コレクションの企画が一段落しても、脳は常に先のモノづくりのことを考えているので、目にしたモノや聞いたコト、全てがデザインにつながる可能性を秘めている。

 

以前、弊社のニットテキスタイルを開発してきた室長が言っていた。

 

「電線が絡まっているのを見て編地を思いついた」

そして

「一番嬉しいのは編地を編めた時じゃなくて、思いついた時」

 

何かをクリエーションしている人には特に共感できる内容かもしれないけど、モノが出来た時じゃなくて、「新しい考え方」や「新しいアプローチ方法」に辿り着いた時が最も嬉しい。

 

彼もまた、いつもいつの日も「日常に見つけたデザインの種」を無意識に探しているのかもしれない。

学生の頃、なんで「トレンドって生まれるてくるのか?」って疑問を持った事があった。
世界のどこかで偉い人達が集まって、議論して決めているのかと思っていた時期もあった。

でも、自ら商品企画をやるようになって、突き詰めて、突き詰めて考え抜いた末に、新しさを表現する方向性が世のトレンドと合致することがあるということを体感した。

短略的にデザインが同じとか、アイテムが同じとかそうじゃなくて、大きな方向性として自らのデザインと世のトレンドが合致したりすることはある。

大ヒットするメガトレンドが不在と言われる世の中、多様性(ダイバーシティ)という現象そのものをトレンドと解釈する向きもあるが、他と同じトレンドの商品が大事なのではなく、大きな方向性の中で放つ自らの独自性が最も大事だと思う。

その時代を生きた大勢の人が瞬間的に享受できる良さが「トレンド」にはあるが、COOHEMという一見トレンドを纏ったように見えて、実は培われた技術と歴史に裏打ちされたデザインという「独自性」が日本のファクトリーブランドの進化の一つだと思う。

今日も通勤途中に見かけた景色、起きる出来事、全てに「日常に見つけたデザインの種」がある。

Director 大江

ルーツを探す2018年秋冬

全国的に夏真っ盛り、猛暑のニュースが飛び交うこの頃ですが、7月に入り少しずつ2018年秋冬商品の出荷が始まりました。

早いところでは、来月のお盆前後には秋冬商品の第一弾が出揃い、2018 AUTUMN&WINTERシーズンが立ち上がる店舗もあります。

今回のDirector’s BLOGは「ルーツを探す2018年秋冬」と題して、COOHEM 2018 AUTUMN&WINTERのテーマ「FIND THE ROOTS」とそこに至るまでのストーリーについて。


そもそも、2018 AUTUMN&WINTERのテーマがなぜ「FIND THE ROOTS」となったのか?

今、情報のスピードも世の中の流れもすごい速さで過ぎ去っていく感覚があって、ブランド、SHOP、デザインなにを取っても多種多様で、溢れるほどのモノやコト、情報が僕たちの周りを囲んでいます。

いつもシーズンテーマの設定を突き詰めて考えていく時に、「自分たちが服作りを通して何を伝えたいのか?」もしくは「何を大切にしたいのか?」「どういう気持ちで服を作っていくべきなのか?」「その服が作られる過程にどんな想いがあったのか?」「袖を通した時に何を感じてもらいたいのか?」自らの内面を掘り下げて自問自答しています。

特に秋冬は、ニット本来の腕の見せ所でもあるので、コンセプトワークにも力が入ります。

そんな中で、今一番大切にしたいことは「原点回帰」、「自分自身のルーツを振り返る」ことでした。

ヒトがモノを選ぶ時の基準は、男性の場合、女性の場合、それぞれ角度が違うかもしれません。
女性は時代感だったり、トレンド感だったり、その時々の感情を大事にする傾向があり、男性はそのモノ自体のこだわりだったり、背景にあるストーリーだったりを大事にしたい傾向が強いのではないでしょうか?

でも、自分のワードローヴを見返してみると、意外に共通点があったりする。学生時代から、社会人、いろんな人生の場面で着る服のテイストが変わったりしてきたことも多いはずですが、その一見、関連性のない服のテイストの変遷もまた自分自身のルーツと言えるのではないか?

そんなキーワードを頭の中で巡らせながら、僕自身のルーツ、COOHEMが米富繊維株式会社のファクトリーブランドとして誕生したルーツを紐解いていく中で気がついたフレーズ。

「ニットらしいけれどニットらしくないもの(THIS IS NOT A SWEATER)」


COOHEMは米富繊維株式会社の40数年の編地開発の歴史と技術の上に成り立つブランドとして、ブランド誕生以来この「ニットらしいけれどニットらしくないもの(THIS IS NOT A SWEATER)」を展開してきました。


「ニットの機械で作る布帛(ふはく)=織物のようなテキスタイル」という時点でも目新しい上に、そのニットツウィードをジャケットやライダースなど今までのニットのモノづくりにはなかったアイテムで表現してきたことがCOOHEMのルーツとも言えます。



また、クラシックなノルディックセーターについても、手法は昔ながらのジャカード編みを応用しながら、一般的なセーターでは使用しない手芸用のファンシーヤーン(意匠糸)を切り替えた、COOHEMのニットツウィードがセーターになったような新しいニットウェアに進化を遂げる。

同じくクラシックなアラン編みのテキスタイルは、ミンク加工によって新しい色の重なりを表現し、繊細なパターンメイクとカッティングによって、カシミヤのセーターがラグジュアリーなMA-1ブルゾンに進化を遂げる。

これらもまた「ニットらしいけれどニットらしくないもの」をルーツとするCOOHEMらしいアプローチ。

そんな新しさを感じていただけるコレクション、夏真っ盛りの中で少し秋冬が待ち遠しくなる、そんな風に感じて頂ければ幸いです。

Director 大江

創業者が常識を覆したサマーニット

6月中旬にも関わらず、関東エリアは梅雨明け宣言され、いよいよ今年の「夏」がやってきました。

 

白い雲と青い空、緑の木々と自然の色のコントラストがとても綺麗な日本の「夏」です。

さて、今回のDirector‘s BLOGは「創業者が常識を覆したサマーニット」について。

 

サマーニットとは?

その名の通り、夏に着るニット。

本来、秋冬のアイテムというイメージが強いニットですが、素材や編組織、半袖やノースリーブなどデザインの工夫で夏でも着ることができるニットを指します。



実はこの「サマーニット」ですが、米富繊維の本社工場がある山形県山辺町が発祥の地と言われています。

遡ること50年以上も前に、弊社・創業者である大江良一がサマーニットの製造方法を開発。後に産地内でその製法を公開し1961年(昭和36年)1月の厳冬期に、山形県・上山温泉の旅館を借り切って、全国のアパレルメーカー、商社、百貨店を招待した展示会を開催、山形ニット産地全体で日本全国にそのモノづくりを発信したそうです。

”ニットは夏に着れない”が通説だった当時、大手繊維メーカーのアクリル繊維をニット用に使用することによって涼しげなサマーニットが完成。その様々な編組織や素材の組み合わせを研究、開発するのに約2年を要したとのこと。
当時の米富繊維と山形のニットメーカーが、試行錯誤を繰り返した末にサマーニットブームを生み出しニット業界の常識を覆しました。

他に先駆ける。
それまでの常識を疑い、常に新しいモノへ挑戦し続ける姿勢は、現在の米富繊維ならびにCOOHEMのモノづくりにも受け継がれています。

ニットなのにニットらしくない商品を開発するCOOHEM。


創業者がサマーニットの開発に奔走したのは、ニット工場の年間を通した操業という工業的な発想からだったのかもしれない。
しかし、完成するまでのプロセスは、素材を開発し、製法を試行錯誤し、商品の打ち出し方を変えていく、そんな新しいことの連続だったのだと思う。

上手くいかないことや、予想外のアクシデントが起きても、ただひたすら純粋に「これまでに無かったものを開発したい」「常識を覆す商品を自らの手で生み出したい」という想いで乗り越え、完成したに違いないだろう。

今も昔もやっていることは同じなのかもしれない。

そして、時は流れ現代においては、ニットはいわゆる”セーター”だけではく、ファッションアイテムとして多種多様なスタイリングを可能にしたモノづくりに進化をした。

今、2019SPRING&SUMMERのモノづくりをしていて、改めて先人達が生み出した”サマーニット”を僕たちなりの新しい解釈で表現しようとしている。

その姿を創業者、ニットの先人達はどう思うのだろう?と想いを巡らす日々です。

Director 大江

オシャレして出かけたくなる時

梅雨の真っ只中、不安定な天気に振り回される季節。
ジメジメとした毎日が続けば、梅雨明けが待ち遠しい限りです。

日本は四季があり、それぞれの季節に風情があります。
僕たちの会社・工場がある山形は、皆さんご存知の通り冬には雪が降り、夏はとても暑い。
「寒い冬」と「暑い夏」、メリハリのある気候です。
山形が食べ物で有名なのは、そんな気候・風土が果物や米作りに適しているのと関係しています。



山形のような雪国で生活をしていると、春の訪れだったり、夏の暑さだったり、冬が寒いだけにとても貴重で特別に感じるようになりました。

肌で感じる気温の変化だったり、気分の高揚だったり、季節の移り変わりの中で、人は新しい服を着たくなるのかなと改めて感じることがあります。

春が近づいてきた頃は、重いコートを脱ぎ捨てて、軽やかで春らしいカラーリングのスプリングコートやジャケットが着たくなる。まだ肌寒さが残っていても、コットンのローゲージニットを重ね着して寒さを凌いでみたり。

春が過ぎ、梅雨が明けて、一気に夏らしいスカッとした青空の下では、半袖のTシャツやポロシャツをクローゼットから引っ張り出して、気恥ずかしさもありながらハーフパンツを履いてみる。
ノースリーブや透かし編みなど、見た目に涼し気なアイテムでスタイリングに軽さを出したり。

長い夏が終わりに近づいた頃、シックな色合いのシャツにジャケット、ブルゾンを着て、コーディネイトを楽しむ。
残暑が厳しくても、なんとなく春夏の軽い服から色目が落ち着いてクラシックな柄が新鮮に感じる時でもあります。

そして、本格的に冬の到来を感じる木枯らしの中では、素材の温もりを感じることができるセーターやしっかりとした生地のコートで身を包みたくなる。
身を守るかのようにアウターで寒さを防ぎながらも、インナーにはあえて柄物を合わせてコントラストを考えてみる。

こうして1年というあっという間に過ぎ去る時間の中で、僕たちは4つの季節に合わせた服に袖を通し、ファッションを楽しもうとする。

そして、お気に入りの服や大切に長年着てきた服に袖を通した時、新しい服を買った時、オシャレして出かけたくなるものだ。

「オシャレして出かけたくなる時」

それは、季節を感じ、新しい服に新しい自分を感じ、小さな可能性を見出せた時なのだと思う。

もうすぐ夏がやってくる。
今年の夏は何を着ようか、あれこれ思いを巡らす日々もまた楽しい。

Director 大江

これからの国内生産

久しぶりのDirector’s BLOGの更新となりました。

年明けからAUTUMN&WINTERの展示会、海外出展、各コラボレーションのリリースと忙しく過ぎたこの数ヶ月。
ファッションのサイクルは早く、今は2018AUTUMN&WINTERの量産と2019SPRING&SUMMERの企画の真っ只中というこの頃です。

さて、今回のDirector’s BLOGは「これからの国内生産」というテーマ。
少し内容がシビアに聞こえる部分もありますが、先日こんなニュースがありました。

「衣類の国内生産、ついに1億点割れ」

「2%から逆襲できるか」


日本国内に流通するアパレル製品に占める輸入品(海外生産)を表す指標「衣類の輸入浸透率」は、2014年に97%台へ突入、そして2017年には過去最高の97.6%となり、国内生産はついに3%を割り限りになく2%へ、その数は1億点を割り込んだと報じられました。

この数字だけで見るといわゆる「日本製」のシェアは3%未満、2%台。

当然、皆さんのクローゼットにも、私のクローゼットにも海外生産の服は溢れています。
国内のSHOPでも全て「日本製」なんてことは珍しいのかもしれません。

近年、「MADE IN JAPAN」ブームとも言える国内生産回帰の流れがあっただけに、数字で表されたこれらのニュースは衝撃的でした。

「日本製」だから、「国内生産」だから高品質、と短略的に捉えるのは間違いなのかもしれません。海外生産でしか作ることができなくなってしまったモノも多いのかもしれない。

人が服を買う時の第一優先事項は「原産国」ではないと個人的には今でも思っています。
「ブランド」「デザイン」「価格」「品質」などなどあらゆる要素の一つとして「原産国」も含まれ、さらにその服を作った「人」「会社」「ストーリー」なども重要な要素となる。

服やブランド、SHOPが飽和状態で、同じような商品が氾濫する中で、服を買う時の動機として何か一つを第一優先事項として挙げるのは難しい時代なのかもしれません。

最近、スナックで飲むことや、カセットテープで音楽を聴く、使い捨てカメラで写真を撮るなどが注目をされています。

デジタルの時代に思い切りアナログなものが流行する。

これこそが、人が人である所以な気がします。

世の中が、周りの皆が、左を向いたとしても、右を向きたくなる人も必ず出てくる。

すべてがAIに取って代わられるのではなく、人でしか表現できない仕事や製品がある。

COOHEMを立ち上げた時の、裏コンセプトは「この場所でこの人達と一緒だからできる商品作り」。

この場所(米富繊維+山形のニット産地)で

この人達(ベテラン職人+若手職人)と

一緒だからできる商品作り

=COOHEMのモノづくり


これからの国内生産は、そんな角度で考えていきたいと思う。

Director 大江

日本ブランド同士のコラボ「COOHEM × Onitsuka Tiger」

4月に入ったにもかかわらず、まだ若干の肌寒さを残した山形にも桜が咲き、遅く来た春を感じるこの頃です。

そんな中で先日、正式にプレスリリースが解禁となりご存知の方も多いかもしれませんが、いよいよ2018年4月20日(金)より日本ブランド同士のコラボレーション「COOHEM × Onitsuka Tiger」が発売となります。

 


Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)とは、1949年に鬼塚喜八郎が神戸で創業したスポーツシューズブランド。創業以来、バスケットボールシューズを皮切りにランニングシューズなど、数々のスポーツシューズを開発、今ではヨーロッパを中心に世界各国で爆発的な人気を博している日本を代表するグローバルスポーツシューズブランドです。

そんな日本が誇るOnitsuka Tigerと唯一無二のニットテキスタイルを開発してきたCOOHEMとのコラボレーションの背景には、同じ「日本」から世界に向けてモノづくりを発信していることに対するリスペクトがありました。

今回の初コラボレーションは、バスケットボールシューズをデザインベースとした「FABRE NIPPON(ファブレ ニッポン)」と同シューズのローカットタイプ「FABRE NIPPON LO(ファブレ ニッポン ロー)」をもとに作製。
ホワイトをベースにレッドやネイビーなど、いくつものカラーや異素材を組み合わせて編み立てたCOOHEMオリジナルのニットツイードをアッパー(甲被)に施し、オンオフ問わず取り入れられるモダンなスタイルに仕上げています。

 

ニットが織りなす温かみの中に、精密に計算されたデザイン性もあわせ持つ、日本の技術の奥深さが感じられる一足となりました。


今回のコラボレーションに使用したニットツウィードですが、COOHEMファンの方には見覚えがある方も多いかと思います。

それは、これまでのCOOHEMのアーカイヴスからマスターピースとも言えるニットツウィードを今回のコラボレーションに向けて特別に復活させたからです。

もし、今回のスニーカーと同じニットツウィードのアイテムをお持ちの方がいたら、トップスと合わせてコーディネイトするのもいいかもしれません。

展開モデルは、メンズサイズで2モデル、ウィメンズサイズで2モデルとなっており、4月20日(金)よりCOOHEM ONLINE SHOPでも数量限定で発売を開始します。

同じ「日本」という国で長い歴史の中で唯一無二のモノづくりを続けてきたCOOHEMとOnitsuka Tiger、この両者がそれぞれの強みを融合させた新しいスポーツシューズの誕生は、COOHEMというブランドにとっても刺激的で、さらなる可能性を感じさせてくれた取り組みでした。

ニットらしいけど、ニットではないアイテムが誕生する。

COOHEMがブランドスタート以来、変わらず発信し続けてきた「ニットテキスタイルという無限の可能性」を広げてくれたコラボレーション。

是非、ご覧になってみてください。

URL https://www.coohem.jp/onitsuka

Director 大江

文字にして伝えるブランドの想い

春らしくなってきたかと思えば季節外れの雪が降るなど、不安定な天気が続きますが、気分はすでに春。
肌寒さを感じながらも一度、ダウンジャケットを脱いだ気分は、そうそう変えることもできず、軽く、明るい服を着たいものです。

 

今回のDirector’s BLOGは、「文字にして伝えるブランドの想い」について。

今、店頭で販売されている最新のBRUTUSの特集「服が人を作る 何を選び どう着るか。」など、特にメンズ雑誌を中心として、セレクトショップのシーズンカタログやブランドのWEB、あらゆるメディアで、ストレートな想いをテキストにして写真だけではなく、あらゆる視点で「服を着ること」自体を啓蒙しているように感じることがあります。

実は、COOHEMにおいてのシーズンテーマについても、単なるストリート、トラッドなど服のテイストなどではなく、その時点でどんな想いで服作りに向き合ってきたのか?をベースにしたテーマ設定、シーズンカタログ作りに2017AUTUMN&WINTERより転換しました。



2017AUTUMN&WINTER以前は、その時々の気分やトレンドの流れも見ながらテーマ設定をしていたのですが、ニットを中心としたコレクションを構成する中でトータルアイテムでの表現が難しい側面があり、わかりやすさがなかった気がしていました。

今、「服を着る」という価値観が大きく変わりつつある中で、適当にベーシックでまとめて「服なんて何を着たって同じ」と思えたり、「どこで買っても同じ」と感じてしまったり、それだけ服と店と情報が溢れてしまっている時代を反映しているのかなと感じます。

そういう中で、服作りに携わっている者として、COOHEMを着てくれる方へブランドの想いを、伝えたいメッセージを素直に文字にして伝えようと思ったことがきっかけでした。

以前までは、「ブランド」や「デザイナー」って少し謎めいていて、テーマは欧米のカルチャーやアーティストにインスピレーションを得ていて、カタログもイメージ写真のみで、そのテーマを連想させるような流れが多かったように思えます。

それはそれで、今もなお魅力的だと思いますが、逆に考えていること、感じていること、思っていること、をストレートに伝えていくっていうのも素直でいいのかなと思ってこのBLOGを書いています。


COOHEMのシーズンカタログには、このDIrector’s BLOGを加筆・修正したコラムも掲載しています。

 

ブランドのシーズンカタログにしては、テキストの量が多いのかもしれない。
ただ、カッコイイ服をカッコイイ写真で、カッコイイ装丁で見せるだけではリアリティを感じない。

半年でシーズンが変わり、目まぐるしく変化していくファッションの世界。
旬なトレンドはどんどん消費され、過ぎ去ってしまう。

シーズンカタログもまた半年で過ぎ去ってしまう。
その多くは新しいシーズンに取って代わられてしまうことも多いのも事実。

COOHEMがそのシーズン時点で発表した小さい一つのメディアとして捉え、今後もあらゆるコンテンツを入れていくことによって、服とその背景にある想いとコンテンツ、取って代わられることのないシーズンカタログにしていければと思う。

 

実際にCOOHEMを買ってくれたお客様全てにお会いできるわけでもなく、直接お話しできる機会はあまりないのかもしれませんが、COOHEMのシーズンカタログやWEB、SNS、このBLOGなどあらゆるメディアを通して、ブランドの想いを伝えていければと思います。

Director’s 大江

米富繊維株式会社の人財採用

パリの展示会も終え、米富繊維がある山形も雪が溶けて肌寒さは残るものの春の訪れを感じます。

 

今回のDirector’s BLOGは、2019年度新卒採用・中途採用に向けた「米富繊維株式会社の人財採用」について。

米富繊維株式会社の経営理念は「進化する老舗」。

創業66年の歴史と技術の上に成り立つ進化を目指すニットファクトリーでは、勤続数十年のベテラン職人と若き職人が自社ブランドCOOHEM、OEM/ODM取引先のモノづくりに真摯に向き合っています。

 

 

その「時代」に求められるニットの新しいモノづくりには、ベテラン職人達の長年の経験や技術、若い職人の感性と挑戦の両方が必要不可欠。

 

 

技術にあぐらをかくこなく、時代に合わせて変化し、進化し続ける「老舗」を目指すには、ベテラン、若手双方の力が必要であるという意味を込めた経営理念です。

山形県を本社とする米富繊維株式会社では、新卒採用に関しては全員、山形本社勤務の採用となっています。

自社ブランドCOOHEMをスタートしてから、県外から就職するスタッフが多くなってきました。

広島、愛知、埼玉、群馬、東京、千葉など日本各地の出身で、四年制大学や専門学校を経て、米富繊維に新卒で入社したスタッフ達です。

それぞれ、職種は様々ですが、自社ブランドCOOHEMのアシスタントデザイナーや営業、OEM営業、パタンナーなどを担当してくれています。

小売業であるセレクトショップ各社において、新卒社員が「現場」である「店頭」の販売スタッフからキャリアをスタートすることと同様、モノづくり企業である米富繊維株式会社の「現場」は生産現場である山形の本社工場、入社した社員はモノづくりの「現場」を経て、それぞれの職種・部署に配属となります。

 

<社員情報> *米富繊維株式会社で働く人達について下記のWEBサイトをご覧下さい。
米富繊維株式会社「PEOPLE」

 

近年、県外からの新卒入社だけではなく、山形県出身の方で県外のアパレルメーカー・小売業などで経験を積み、Uターン就職した方も多くなってきました。

ある人は、アパレルメーカーでパタンナーとアシスタントデザイナーを経験、山形にUターンして現在、米富繊維のパタンナーとしてCOOHEMならびにOEM/ODM取引先のモノづくりを担当していたり、ファッション業界以外で営業事務を経験し、米富繊維株式会社にUターン就職し総務・広報を担当している人など。

 

生まれ育った山形の地でこれまで経験してきたことを生かしながらファッションの仕事に携わる。
山形から世界に向けて日本のファクトリーブランド、モノづくりを発信する。

これからは、そんなワークスタイルが多くなるのかもしれません。

 

 

最後に、新卒・中途採用において米富繊維株式会社が求める人財像について。

・情熱を持ってプロフェッショナルになることを目指したい方
・ファッションが好きでモノづくりに興味がある方
・日本のモノづくりに可能性を感じ、世界に向けてモノづくりカルチャーを発信したい方
・現場でひたむきに技術を身につけて、職人になりたい方
・生まれ育った山形の地でこれまでの経験を生かしながらファッションの仕事に携わりたい方

 

 

自社ブランドCOOHEMのみならず、将来、第二、第三の自社ブランドの立ち上げの原動力になるであろう若き情熱を持った人達に出会えることを期待しております。

 

 

3月に入り、今年も2019年4月入社の新卒採用に関しての採用活動がスタートしました。
中途採用に関しても随時、募集しています。

 

<採用情報> *採用に関しての詳細は下記のWEBサイトをご覧下さい。
米富繊維株式会社 RECRUIT
COOHEM RECRUIT

 

皆様のご応募、お待ちしております。

Director 大江

ニットの不可能を可能にしたCOOHEM Gジャン

3月に入り、気温が温かくなり春めいてきました。
重い秋冬物から軽く、色が明るい春物を着たくなる頃です。

今回のDirector’s BLOGは、「ニットの不可能を可能にしたCOOHEM Gジャン」について。

「Gジャン」とは、ジーパンと同じデニム素材で作られたジャンパー、ジャケットのこと。
英語では通常ジーンジャケット (jean jacket) ですが、日本では和製英語ジーンジャンパー (jean jumper) の略称が定着したようです。

 

その語源から考えると「ニットのGジャン」は素材がデニムではないので意味合いとしては異なりますが、ニット素材で作られたGジャンのデザインということ。

さて、本題に入ると、BLOGテーマである「ニットの不可能を可能にしたCOOHEM Gジャン」の「ニットの不可能」って??

 

どんな「不可能」を「可能」にしたのか?

 

ニットのモノづくりの世界では、Gジャンに使われるネオバーボタンは素材の特性上、使用することは不可能と言われてきました。

なぜなら、ニットは編物で布帛のような織物と違ってネオバーボタンの挟み込む附属がニットの編み目から滑脱する恐れがあったためです。

 

 

米富繊維株式会社においてもこの附属・仕様は品質安定上、禁止されていました。

 

 

まだCOOHEMがウィメンズラインのみだったころに、デニムのようなニットツウィードをGジャン型で表現したことがありましたが、この時にチーフパタンナーや現場の職人たちを説得するのに約1ヶ月かかったというエピソードも。。

 

 

 

「不可能」とされてきた仕様をどうやって「可能」にしたのか?

 

滑脱を回避し、ネオバーをセットする際にニットの糸を切ってしまわないように手で編み目を潜り抜けさせて、裏に芯を貼ったり、現場の創意工夫を重ねることによって、安定して直立するネオバーボタンを付けることに成功しました。

 

やはりこのGジャン型を表現するためには、この直立するネオバーボタンは必要不可欠であり、商品になった時の見え方が、Gジャンボタン風の足つきボタンとは全く異なります。

ボタンの付け方ひとつとっても、創意工夫と実験、失敗を繰り返しながら実現させるのが、COOHEMのモノづくりポリシーと言えます。

ニットらしいけどニットらしくないモノを開発する。

 

そんなニットブランドって今までなかったのではないでしょうか。

 

それは長い歴史と技術に裏打ちされたファクトリーと職人たちがいるからこそ、誰も挑戦したことがないアイテムをリリースし、日本のファクトリーブランドの新しい姿を追求し続けることができる。

 

 

まずはトライして、何が問題で使用できないのか?

今まで「不可能」とされてきた理由を整理し、問題点を克服するためにどんな工夫ができるのか?
そこに日本人ならではの地道な試行錯誤と創意工夫があるからこそ、誰もできなかったことが「可能」になる。

 

これがCOOHEMのCOOHEMたる所以で、2018SPRING&SUMMERのコレクションにおいて象徴しているアイテムです。

とても軽いので、Tシャツと合わせるのもいいですが、あえてシャツにタイドアップしてドレスアップしても新鮮です。

 

サラッとした素材感と軽さは、Tシャツやポロシャツの上に着て夏の羽織りモノとしても重宝します。

おそらくGジャンはお持ちでも、みなさんのワードローブに「ニットのGジャン」は恐らく無いことと思います。是非、お試しになってみてください。

Dorector 大江

「会社」をブランディングするということ

記録的な寒波に見舞われる中、米富繊維がある山形も例年より雪が多く春の訪れが待ち遠しいこの頃です。

今回のDirector’s BLOGは一年前より進めてきた米富繊維株式会社の企業ブランディング、「会社」をブランディングするということについて。

 

米富繊維(よねとみせんい)は、今から65年前、1952年に私の祖父母・大江良一、英子によって山形県山辺町で創業した横編ニットメーカーです。

戦後、モノが不足し仕事もない中で、自宅前の倉庫でニットのモノづくりをスタートしたことに遡ります。

社名である「米富(よねとみ)」の由来は、代々伝わる“米沢屋富蔵”という屋号の通称。その祖は鎌倉幕府に仕えた大江一族とされ、寒河江市の古刹/慈恩寺に移り住み奉行を務め、150~160年前に当たる幕末の時代には既に生糸を手広く商い、後に丈夫で高度な染色技術を誇る山辺木綿の卸し売りに。産地問屋として、明治の初期に横浜まで生糸を売りに出向いていたという記録が残っています。

創業から今日に至るまで、モノづくりを支えてきた先人たちの歩んできた道は、決して平穏なものではありませんでした。

戦後、日本の高度経済成長に乗り産地のリーディングカンパニーとしてその名を馳せた老舗ニットメーカー米富繊維、ニットのモノづくりに携わる人で一度はその名を耳にしたことがあるというほどの企業に成長していきます。

そこから、90年代後半よりアパレル業界全体が海外生産にシフトする中で事業規模を縮小していくことに。

 

 

そして、時は流れ、米富繊維株式会社初の自社ブランドCOOHEM(コーヘン)が誕生、現在に至るまで国内外の百貨店、セレクトショップでの展開、異業種コラボレーションなどブランドスタートから7年の中で大きな変化がありました。

 

そうした激動の歴史の中で、これから企業として「何を残し、何を伝え、何を変えていくのか?」これまでの先人たちの歩んできた道を振り返りながら、新しい時代に向けて「伝え残していくもの」を整理する。このことが、米富繊維という「会社」を再びブランディングしていことに繋がります。

創業者・大江良一が遺した自著「ファッションは生活なり」からその歴史や創業者の想いを、現在も働くベテラン職人たちからの伝え聞く当時の米富繊維、様々な角度から「会社」が大事にしてきた理念やそこに携わってきた先人達が大切にしてきたポリシーを丁寧に振り返る。

 

そして、現在の米富繊維のこだわり、働く人達、これから先向かうべき方向性などを整理していきます。

 

このタイミングで、COOHEMだけではなく、米富繊維という「会社」のブランディングに着手したことには理由があります。

 

今、新卒入社の社員を含めて、ここ数年で若手社員が増えていく中で、「これまでの米富繊維」と「これからの米富繊維」をビジュアルとして、形にして伝えていく必要があると感じたからでした。

 

また、米富繊維はCOOHEMのブランド展開だけではなく、国内大手アパレルメーカー、百貨店、セレクトショップ、デザイナーブランドのOEM/ODM生産も手掛けており、そうしたお取引先各社に対しても「これまでの米富繊維」と「これからの米富繊維」を発信、より良いモノづくりを継続的にお取り組みしていく土壌作りの一つとして「会社」をブランディングしていく必要を感じました。

 

 

 

まず最初に取り組んだのが、米富繊維の会社概要。

全64ページという充実した内容でこれまでの歴史、技術、ニットの生産工程から、携わる人までを網羅した内容になっています。

次にその会社概要の内容とリンクした米富繊維のコーポレートサイトのリニューアル。

米富繊維株式会社

http://www.yonetomi.co.jp

 

時代は変わり、製造メーカーであっても、WEBでの情報発信は必要不可欠です。

ニット工場を見たことがないという若いニットデザイナーに対しても、このコーポレートサイトを活用して今後も情報発信ができればと考えています。

 

 

 

COOHEMのモノづくりを可能にしているのは、創業65年の米富繊維の培われた歴史と技術の上に成り立つという事実、そしてこれからもなお、米富繊維たらしめる存在であり続け、ニットのモノづくりの常識を覆す商品を作り続けるために。

OEM/ODMの各お取引先の商品が、この会社でしか作ることのできない独自性、時代性、先駆性がある付加価値の高い商品になるために。

「これまでの米富繊維」と「これからの米富繊維」を発信し、「会社」をブランディングすることは続いていきます。

 

Director 大江

「LOVE&PIECE」なCOOHEMの2018年春夏

年が明けて寒い日が続いても、分厚い冬物を脱ぎ捨て、春の新作を着たくなる気分になってきた今日この頃です。

そんな中、今月より徐々に2018年の春夏コレクションが立ち上がるSHOPも出てくると思います。

今回のDirector’s BLOGは、COOHEM 2018 SPRING&SUMMERのテーマである「LOVE&PIECE」について。

「LOVE&PIECE」って「LOVE&PEACE」?とお気づきの方もいるかと思います。

そう、こちらは決して間違いではなく、あえて「PEACE」ではなく「PIECE」を選びました。

2018年春夏のテーマである「LOVE&PIECE」の背景には、僕たちを取り巻く様々な環境の中で日々感じていること、服作りを生業にしている者としてモノづくりを通して伝えられることってなんだろう?という思いがありました。

あえて「PEACE」ではなく「PIECE」という言葉を選んだ理由は、僕たちが作り手として手間暇を惜しまず、糸一本からニットテキスタイル、デザイン、仕様面にいたるまで愛情を込めて作った一つひとつ<LOVE>がつながって着る人の心沸き立つ高揚感、それによって感じる希望、未来など感情に訴えかける一枚<PIECE>であって欲しいという思いから。

春らしいWHITEにトリコロールの配色、YELLOW、RED、BLUEと色鮮やかで、着ると自然に元気をもらえるような服たち。

最近、メンズもウィメンズもCOOHEMに初めて袖を通した人から、最初は「この色似合うかな?」「すこし派手かな??」と思っていた方も、着てみると周りの方に「それどこの??」ってすごく聞かれるとか、案外コーディネートも難しくなかったなど耳にすることがあります。

服を着るっ嬉しさや楽しさって、これまでの自分のスタイルなどもありますが、新しい自分を探すために今まで着たことがないテイストやアイテム、デザインを着てみて、誰かに褒められたり、自分の意外な可能性を発見できたり、そしてその服に袖を通した自分に自信を持てたりすることかなと感じます。

 

そして、僕たちモノづくりをしている人達は、そんな風に感じてもらえる瞬間がなにより嬉しいし、携わる人達すべてに感謝する瞬間でもあります。

 

今シーズンもコレクションを構成する遊び心あふれるニットのテキスタイルをスニーカーやキャップなど小物まで展開しています。コーディネートの「差し」として、今からでも取り入れられるアイテムなので是非ご覧になってみて下さい。

春はもうすぐやってくる。

先行き不透明と言われるこんな時代でも、もうすぐやってくる春を楽しみにその「PIECE」が幸せな気持ちにさせてくれるものであったなら服屋冥利に尽きます。

 

2018年春夏、皆さんに「LOVE&PIECE」を感じて頂けるCOOHEMでありたいと願います。

 

Director 大江

 

 

 

子供の可能性をクリエイトする「COOHEM × familiar 」

新年あけましておめでとうございます。

昨年はCOOHEMのMEN’SラインやライフスタイルグッズのコンセプトラインCOOHEM Knit Tweed Lifeがデビューした年でした。

いずれもSHOPでもとてもご好評頂いており、早くも2018SPRING&SUMMERの新しい商品も立ち上がっております。

そして、今回のDirector’s BLOGは、COOHEM初となるキッズライン「COOHEM × familiar 」について。

 

 

 

 

 

昨年の年末にプレスリリースが発表されましたが、2018年1月11日(木)より子供の可能性をクリエイトするfamiliar(ファミリア)とのコラボレーション商品が発売開始となります。

「COOHEM × familiar」
https://www.familiar.co.jp/news/COOHEM.html

発売は、familiar銀座本店、familiar神戸元町本店、familiarオンラインショップ、COOHEMオンラインショップのみとなります。

サイズは、男の子、女の子それぞれ2サイズ(S(120-130)M(130-140))ずつご用意をしています。

 

これまでにもニットツウィードの無限の可能性を追求すべく、スニーカーやダウンジャケット、財布やカードケース、ポーチ、パネルやクッションカバーなどあらゆるアイテムを開発してきましたが、familiarという歴史ある子供服のブランドとのコラボレーションによって、COOHEMの世界観をキッズラインで表現することができました。

 

今回のコラボレーションを記念して、2018年1月11日(木)よりfamiliar銀座本店CUBiEにてPOP UP SHOPを開催いたします。

 

 

 

COOHEM × familiar POP UP SHOP

日時:2018年1月11日(木)〜2月13日(火)※最終日は18時まで
場所:familiar銀座本店CUBiE

 

COOHEM × familiarの全ての商品をご覧いただける他、子供と一緒に楽しめるワークショップの開催やクラッチバッグのカスタマイズオーダーができます。
毎回、各SHOPで大好評のCOOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEEDのクラッチバッグですが、今回は特別にバッグの前面部分にファミリアオリジナルチェック(赤系・青系)の生地をセレクトすることもできます。毎年、3〜4月の卒入園時期に、COOHEMのニットツウィードジャケットを着て頂いている方も多いと思いますが、是非「COOHEM × familiar 」でお子様と同じ世界観でコーディネートしてみるのも良い思い出になりそうですね。

 

 

今回のコラボレーションに際しては、かねてからキッズラインの構想はあったものの、ブランド単体では商品開発が難しかった中で、familiarさんとの出会いで実現することができました。

通常のインラインの素材をそのまま子供服サイズに落とし込むのではなく、大人のニットツウィードの世界観を子供用に”ひっかけ”にくいように、かつ少し薄手に仕上げるために特別に開発しました。

 

COOHEMのニットツウィードのアウターを着て頂くと、その軽く柔らかい着心地に驚かれる方も多いのですが、子供にとってもカーディガンのようにストレスなく柔らかい着心地を感じてもらえるアイテムになりました。

小さい子供達にも、このCOOHEM×familiarの商品を通して、服を着る楽しさだったり、その服を着ている時が一番ドレスアップして特別な時間であるというような体験をして欲しいと思います。

そして、アートやファッションなどクリエイティブな分野に興味を持ったりしてもらえたのなら幸いです。

 

皆様、来週のCOOHEM × familiar POP UP SHOPを是非ご覧ください。

Director 大江

Rootsを探す旅

今年も残すところあとわずか。

 

街はクリスマス気分で、2017年もあっという間に過ぎようとしています。

そんな中、米富繊維・山形本社では、COOHEM2018AWの企画、サンプル作りの真っ只中です。

今回のDirector’s BLOGは、そんな秋冬の企画を考える時に感じる「Roots(ルーツ)」について。

「Roots(ルーツ)」とは、発祥(起源、由来、原点)、先祖(祖先)、故郷(出身地)などの意味。

 

Rootsと言っても、洋服のアイテムの一つひとつやブランド、会社や人にもRootsはあります。

 

「洋服にはRootsがある。そのRootsを踏まえた上で着崩したり、時代に合わせたスタイリングや提案がある。」

 

つまり、「基本に忠実である。そしてその上に成り立つ新しさである。」

 

これは、僕がこのファッションの世界に入った頃、先輩方やSHOPの考え方でいつも言われてきたことでした。

 

思えば、7年前のCOOHEMブランド立ち上げの際、自らを自問自答しながら、ブランドの商品づくりのベースに置いたのはこの言葉でした。

 

老舗ニット工場が初めて作る自社ブランド。

ニットしか作ってこなかった会社で、ある意味でニットらしくないもの、「THIS IS NOT SWEATER」とも言えるブランドがCOOHEMのスタートでした。

その工場である米富繊維のRootsは、創業者・大江良一、英子が戦後に山形県・山辺町でニット工場を創業したことに遡り、ニット業界、他社に先駆けて様々なことに挑戦してきた工場であったということ。

今では一般的となった春夏に着る「サマーセーター」の製法を生み出し、それまでセーター(ニット製品)=ウール(羊毛)といったイメージを覆したと言われています。

 

また、2代目である大江富造(現・米富繊維会長)は、工業的な下請け工場から脱し、企画提案型の工場になるために40年前に編地開発室を創設、その後の企業の成長、衰退期を通し激動の時代の中で継続して他社に先駆けた提案のできる技術の蓄積をしてきました。

 

そして、その「編地開発室」が続けてきた研究・開発の技術と数々のアーカイヴスを生んだ歴史の上に成り立つ米富繊維株式会社初の自社ブランドとしてCOOHEMは生まれました。

COOHEMはブランドスタートから7年でも、その基盤となる米富繊維には65年の歴史があります。

COOHEMのRootsは、米富繊維のRootsにつながっているのです。

 

新規事業を立ち上げる使命を受け、僕が米富繊維に入社したのは10年前。

それまでセレクトショップで販売しか経験したことがなかった自分が、老舗ニット工場の初めての挑戦として悪戦苦闘の毎日。

 

「工場なのでニット製品なら一通りのモノづくりはできる。」

しかし、この会社(工場)で、この場所(産地)において、この人達(職人)と一緒だからこそできるモノづくりって何だろう?

考え抜いた末に辿り着いたのは、この「Roots」でした。

技術を時代に最適化させつつ、ディレクターである自分のRootsをデザイン面とマーケティング面でのベースとしました。

 

それは、販売からキャリアをスタートした自分が考える、「ニットだけどニットらしくないもの(THIS IS NOT SWEATER)」という考え方。

 

ニットツウィードという唯一無二の米富繊維の技術を、ジャケットやダウンジャケット、スニーカーや財布、パネルに至るまで生活の中で身近にあるアイテムを商品化してきました。

ニットを中心として、トラディショナルマインドを大切にしながらも、「今の時代だったらこういうアイテムで表現する」といった創意工夫を重ねながらも、素材の組み合わせやカラーリングで現代的にアップデートする。

 

そのCOOHEMのマインドは、技術にあぐらをかくことなく、先駆けて、挑戦してきた米富繊維のRootsに重ね合う。

 

トレンドがストリート、フェミニンなど時代の中で変化する中でも、一貫してこだわり続けるコンセプトは、「ニットだけどニットらしくないもの(THIS IS NOT SWEATER)」、他の誰にも真似できない、今までになかった商品開発に挑戦し続ける姿勢こそCOOHEMの「らしさ」なんだと思う。

 

2018AWは、そんな自分達のRootsに立ち返り、MEN’S、WOMEN’Sともに洗練されたCOOHEMを提案したい。

 

Director 大江

今年の冬は自分だけのアランセーターで。

東京も「木枯らし1号」が例年より10日ほど早く発表され、寒い冬の到来を感じさせます。

 

そんな寒い冬には、ニットを着たくなるもの。COOHEMでも秋冬の立ち上がりから様々なニットアイテムをリリースしてきました。

 

今回のDirector’s BLOGは、そんな寒い冬に最適なアランセーター、しかもカスタマイズして自分だけのアランセーターを作ることができるイベントをご紹介します。

「COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED」
TOKYO
2017年11月2日(木)~11月26日(日)
PASS THE BATON 表参道店
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ西館B2F パスザバトン表参道店内
TEL 03-6447-0707

YAMAGATA
2017年12月8日(金)~12月10日(日)
とんがりビル KUGUR
山形県山形市七日町2-7-23とんがりビル

 

イタリアのデッドストックヤーンを使用したアランセーターにCOOHEMのニットツウィードのポケットやエルボーパッチの組み合わせを、好きに選んで完成させるオーダーイベントを開催、迫力のあるアランセーターにCOOHEMらしいニットツウィードのポケットやエルボーパッチが付いた世界に一つだけのアランセーターを作ることができます。

【COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED オーダーシステム】
① 全5色(ホワイト、レッド、グリーン、インディゴ、ブラック)のアランセーターから好きな色を選ぶ。
② SIZE1、SIZE2のいずれかを選ぶ。*サイズはユニセックスです。
③ 胸ポケットのみ、エルボーパッチのみ、胸ポケット、エルボーパッチ両方それぞれを選ぶ。
*オーダーから完成まで約1ヶ月いただきますのでご了承ください。

*オーダー無しでそのままアランセーターのみご購入希望の方でもお買い上げいただけます。
オーダー無し本体のみの場合はお買い上げ後そのままお持ち帰りいただけます。

―PRICE―
本体のみ             38,880円(税込)
本体+胸ポケット         39,960円(税込)
本体+エルボーパッチ       41,040円(税込)
本体+ポケット・エルボーパッチ  42,120円(税込)

その他、毎回大好評のCOOHEM別注ファンシーヤーンやCOOHEM Knit Tweed Lifeのパネルやクッションカバーも合わせて販売します。

COOHEMのノウハウと米富繊維の技術によって、デッドストックと化した糸が見事に蘇りました。

ベーシックでありながら、他のセーターとは一味違う自分だけのアランセーター。
是非、お店でご覧ください。

Director 大江

改めてモノの価値を考えてみる② PASS THE BATON × YONETOMI

10月中旬から東京も山形もすっかり寒くなり、先物買した秋冬物が大活躍し始めた季節です。
例年よりも寒くなるのが早い感じですが、ローゲージのニットやアウターはやっぱり秋冬らしくってコーディネートを考えるのも楽しいものです。

さて、今回のDirector’s BLOGは改めてモノの価値を考えてみる② PASS THE BATON × YONETOMI」と題し、現代のリサイクルセレクトショップPASS THE BATONと老舗ニットメーカー米富繊維のコラボレーションをご紹介していきます。

風を通さないくらいしっかりと編み込まれた迫力満点のニットコート。

ヨーロッパのヴィンテージを彷彿とさせる素材感。

存在感がありながら、色々と着まわしのきくニットアウターです。

 

では、その誕生秘話からご紹介していきます。

「ニットのアウターがやりたい」

PASS THE BATONからリクエストされた課題は、デッドストックの糸を再利用したニットアウター。風を通さず、ニットの柔らかさを感じつつ、ある程度のウェイトを持ったアウターを成立させる。

これが簡単なようで、非常に難しい。

なぜならデッドストックの糸を使う前提のため、その今ある「糸」をリクエスト通りのアイテムに落とし込むために、素材の組み合わせだったり、編み方だったり、加工だったり、悪戦苦闘のテキスタイル(編地)作りは続きました。

 

ケーブル編みはより立体的に、そしてコートにふさわしくより厚く。

そして、何度も何度も試行錯誤の末にイタリアのデッドストックヤーンをクラシックなケーブル編みにして強縮(きょうしゅく)加工という後加工を施すによってコートのテキスタイルが完成。

 

テキスタイルの(編地)のベースができるまでにかかった時間は、COOHEMのニットツウィード開発と同じくらい、何度も失敗し、限界まで挑戦しました。

 

編み始めて加工してみたら、実はあまり強縮加工に向いていない糸であることが判明、米富繊維の開発室長と色々と考え議論の末、強縮加工に向いている別のウールの糸を引き揃えて、その糸が縮む原理を利用して、このデッドストックの糸を引っ張らせて勢いで縮ませることに成功。

「色」をコントロールするために、染まった糸を使用するのではなく、染まっていない「生地糸」を使用し、「色」は製品染めでコントロール。

イタリアのカラーネップに製品染めしたのは、ブラック、ホワイト、ピンクの3色。
糸とりどりのカラーのネップも色によって微妙に見え方が変わる味のあるカラーリングとなりました。

 

 

Deadstock italian yarn cable overdye coat

¥62,640(税込)

前回のDirector’s BLOG「改めてモノの価値を考えてみる① PASS THE BATON × YONETOMI」でも書きましたが、デザインや考え方によって、それまで何らかの理由で使用できなかった糸がこんなにも素敵な商品に生まれ変わる。
 
 
ファッションデザインやアートって、やっぱり付加価値なんだなと改めて感じます。

「デッソストックの糸でもここまでできるんだ」

今回もこのコラボレーションで僕自身も改めて感じたデザインの技術と発想の底力。
まだまだ日本の技術と日本人の発想には可能性があります。

 
 
 
こちらのコート、ウェイトもそれなりにありますが、個人的には最近いたずらにアウターが軽くなって、軽いアウターを着ることが当たり前になりつつありますが、ヴィンテージのアウターに代表されるように一番外側に着て寒さをしのぐものってある程度の重さがあるものなのかなと。
 
 
女性の方はもちろん、男性の方も来ていただけるオーバーサイズなデザインですので、是非みなさん店頭で袖を通してみてください。
 
Director 大江

 

ファッションってやっぱりヒトを楽しくさせてくれるもの

FNOも終わり、先物買いした秋冬物に袖を通せる日が待ち遠しい今日この頃です。

今回のDirector’s BLOGは、先日開催された阪急MEN’S大阪でのナイトイベントで感じた「ファッションってやっぱりヒトを楽しくさせてくれるもの」について。

このナイトイベントは、大阪・梅田にある阪急MEN’S大阪にて通常営業閉店後に顧客を招待して開催され、地下1階から5階までの全フロアを使い、アーティストのライヴやトークイベント、ファッションショーなどが夜遅くまで繰り広げられていました。

2Fにあるデザイナーブランドのセレクトショップ「GARAGE D.EDIT」でこの2017年秋冬よりCOOHEM MENの商品をお取り扱い頂いていることもあり、初めてこちらのイベントにも参加しました。

イベント開始と同時に並んでいたお客さんが一気に入店され、あっという間にショーの会場の席も埋まってしまうというほどの盛況ぶり。

MEN’Sの百貨店なのに、女性のお客様が多いことが驚きでした。
みなさん、カップルで来店される方も多く、年に一度のこのイベントを楽しんでる様子。

 

この秋冬のNEWブランドとしてCOOHEMも数ルック、フロアショーに参加させて頂きました。

 

 

僕たちは基本的にはランウェイ形式でコレクションを発表するスタイルではないので、新鮮でもありましたが、なによりこうしたイベントをお客様、または運営するスタッフが楽しんでいることが印象的でした。

 

シンプルなことですが、「ファッションってやっぱりヒトを楽しくさせてくれるもの」だなとしみじみ感じた一日。

最近「モノよりコト」と言わんばかりにカスタマイズのイベントや期間限定のPOP UP SHOPなど、どのSHOPでも四六時中、開催されていますが、こうしてイベントを楽しんでる人達を見ていて、SHOPに足を運ぶ理由はどうであれ、イベントに行くためにファッションを楽しみ、時間を過ごすことってヒトを楽しくさせてくれるのだなと改めて感じます。

「服が売れない」と言われる時代の中で、情報とモノが少なかった以前に比べて、いろんなことに刺激を受けたり、感動したり、楽しくなったりすることが少なくなりつつあるのかもしれません。

 

それでも、やっぱり服に袖を通した時に、素敵な服に出会えた時に、その服を着て楽しいイベントに参加した時に、小さい喜びだったり、新しい自分の発見だったり、覚えるものなのかなと。

 

とっても基本的なことですが、やっぱりファッションが好きで、そのファッションによってヒトが楽しそうにしてくれたり、自分も楽しんだり、そのためにこの仕事を選んだ自分がいるんだなと思いました。

COOHEMが一人でも多くの男性、女性のお客様にとって、そのヒトを楽しくさせてくれるものであったなら幸いです。

Director 大江

 

「WARDROBE OF LIFE」COOHEM 2017年秋冬

夏が終わり、例年よりは残暑を感じることもなく、過ごしやすい季節になりました。

COOHEM ONLINE SHOPも卸先各SHOPも2017年秋冬の商品が揃いました。

 

いよいよ秋本番、今回のDirector’s BLOGは、2017年秋冬のテーマ「WARDROBE OF LIFE」について。

こちらは、COOHEMのシーズンカタログに使用したメインビジュアルの一つ。
WEBサイトのCOLLECTIONからもご覧いただけます。

さて、2017年秋冬はなぜ「WARDROBE OF LIFE」というテーマになったのか?

この2017年秋冬は、COOHEMにとって大きなターニングポイントとなるシーズンです。

ブランドロゴが変わったシーズンであり、COOHEM MENが本格的にスタートしたシーズン、そして今後はMEN&WOMENで見せていく方向性を示すシーズンなどなど。

そんなブランドとしても重要なシーズンを迎えるにあたり、僕自身が自分のクローゼットの中にあるWARDROBEを見返してみることから企画がスタートした背景があります。

WARDROBEって冷静に振り返って見てみると、意外と同じようなテイストの服が多かったり、同じデザインのアイテムをブランド違いでたくさん持っていたりするものです。

 

特に男性の方は、ボタンダウンシャツならコレ、ウールパンツならコレ、スニーカーならコレ、などと自分にとって欠かせないブランドやアイテムが決まっている方も多いかもしれません。

自分のWARDROBEを見た時に、その一つ一つの「服」に買った時の思い出や、そのアイテムをよく着ていた頃が思い出されました。

そう、WARDROBEにはその人の生きてきた通過点(人生)が垣間見えるような気がします。

2017年秋冬、この「WARDROBE OF LIFE」をテーマに人のWARDROBEにあるべきニットウェアをCOOHEMならどう提案するのか?を考えました。

 

 

毎年、数え切れないほどの「服」が生産され、消費され、そして廃棄されていく時代に、後世に伝え残していきたいと思える「服」って何だろうと。

丁寧な作り、贅沢な素材感、ベーシックに見えながらどことなく新鮮で他にないデザインなどなど。キーワードが少しずつ見えてきた中で、やはりニットといえばアランセーターやジャカード編みのニット、野暮ったく、時に「ほっこり」とした印象が目立つアイテムをどう現代的な解釈で表現し洗練された印象に仕上げるのか?

それは、鮮やかなカラーリングとのコンビネーションだったり、異素材との組み合わせだったり、左右非対称のパターンを作ってみたり・・・

 

 

試行錯誤の末にCOOHEMらしい素材使いや色使いでありながら、いわゆる「セーター」らしい少しベーシックなニットウェアが誕生。

ニットツウィードがアイコニックな存在であるCOOHEMですが、2017年秋冬はこれらのニットアイテムもMEN&WOMENともにおすすめです。

 

そして、みなさんのWARDROBEに新たにCOOHEMが加わり、5年後、10年後にもWARDROBEの中で一際輝くニットウェアであり続けることを願います。

 

是非、袖を通してご覧になってみて下さい。

 

Director 大江

改めてモノの価値を考えてみる① PASS THE BATON × YONETOMI

9月に入り秋物が本格的に立ち上がってきました。

店頭が秋色になって、外はまだ暑くても気分的には秋の雰囲気を取り入れたくなる時期です。

今回のDirector’s BLOGは、昨年初めてリリースし大好評だった現代のセレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」「米富繊維」のコラボレーションについて。

 

PASS THE BATONと米富繊維の取り組みは、COOHEMの開発・生産過程で使われなくなったデッドストックのニットツウィードをRecycleして新しいプロダクトを生み出すプロジェクト「COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED」を開催したことがキッカケでした。

過去のニットツウィードアーカイヴスを使用したクラッチバッグ、カードケースなどを店頭でご覧になった方も多いと思います。

 

そんなお取り組みを継続していく中で、米富繊維がCOOHEMというブランドとしてではなく、ニットメーカーとしてコラボレーションしたのが2016年秋冬、「残った糸でここまでできるんだ!」と僕自身も驚きと感動すら覚えたコラボレーションが誕生しました。

米富繊維が誇るニットテキスタイル開発技術を駆使し、いくつかのパターンが1着のセーターに組み合わさり表現されたこのセーターは、販売開始から数ヶ月で完売したとのこと。

メーカーというのは、どうしても生産過程で原料(糸)のロスが発生してしまうもの。
そのデッドストックと化した使用予定の無い糸を再び製品に生まれ変わらせることができるということは、モノ作りをしている人間にとっても感慨深いものです。

そして、2017年秋冬のコラボレーション第2弾は、米富繊維で眠っていたデッドストックのモヘヤの糸を使用したカーディガンが登場。

 

PASS THE BATON丸の内店、表参道店、京都祇園店、ONLINESHOP、4店舗同時に2017年9月9日( 土)に発売開始となります。

左右の前身頃、後ろ身頃、袖部分に4つの編地アーカイブスを組みあわせてPASS THE BATONオリジナルデザインで制作。

 

残っていた糸の色にぴったりと合わせた染めボタンは、COOHEMの別注ボタンをお願いしていることでもお馴染みの銀座の名店「ミタケボタン」

 

カーディガンは、寒暖差で着脱することが多いので、 首元に持ち歩き用ストラップをつけています。

デッドストックの糸を活用しているため、カラーはアソートで、ブラック、チャコール グレイ 、ダークグレイ 、グレイ 、ライトグレイ 、ピンク 、ピンクベージュ 、キャ メル 、ベージュ 、ライトベージュ 、ホワイト 、カナリーイエロー、マスタードイエロー、ネイビー、ダークネイビーの 全15 色の展開。価格19,000円(税抜き)

PASS THE BATONらしい、ヴィンテージニットをデザインリソースに生まれたディティールと米富繊維の技術が融合した商品となりました。

工場に残った糸でただセーターを作るのではなく、高いレベルでクリエーションとモノ作りが融合した、新しい付加価値。

お取り組みを続けていく中で、僕自身も新しい発見があったり、モノの価値を改めて考えさせられる良い機会でもあります。

そして、ファッションの持つ可能性を感じるコラボレーションと感じます。

素材、デザイン、見せ方、売り方、全てが新しいことだけが付加価値ではない。
残ってしまったものでも、デザインや見せ方次第で全く新しい見え方になる。

デッドストックの糸も発想と技術で素敵な商品となって生まれ変わることができるということを体感できるセーターだと思います。

色によって在庫の数に限りがあるため、是非、店頭でご覧頂きたいです。
この週末はPASS THE BATONへ足を運んでみてください。

Director 大江

 

 

メンズファッションの聖地から発信されるCOOHEM MEN

お盆が過ぎ、あっという間に夏の終わりを感じる季節となりました。

 

都内はまだ残暑がありますが、山形はすっかり朝晩は涼しく、肌寒さを感じる時さえあります。

 

さて、今回のDirector’s BLOGは、「メンズファッションの聖地から発信されるCOOHEM MEN」について。

ちょうどお盆の時期の2017年8月11日〜8月20日の10日間、UNITED ARROWS原宿本店「UA&SONS」にて2018AW COOHEM MEN POP UP SHOPを開催しました。

こちらのUNITED ARROWS原宿本店は、1992年に旗艦店としてオープン。店舗デザインは、スペインの建築家リカルド・ボフィルが日本で初めて設計した”原宿のランドマーク”、国内外のメンズファッションの”聖地”とも言えるセレクトショップです。

前回のCOOHEM BLOGにもありましたが、開催前はSHOPスタッフに対して商品説明会を実施、皆さんとても熱心に聞いてくださるので、話しにも熱が入りました。

お盆中にもかかわらず、たくさんのお客様にCOOHEMをご覧いただけたようで、COOHEMがロゴリニューアルをして本格的に展開をスタートする1年前の2016AUTUMN&WINTERからUA&SONSで展開していたこともあり、リピーターのお客様や外国人のお客様のお買い上げもあったとのこと。

これもSHOPスタッフの方がブランドのストーリーも含めてお客様にご紹介頂けた結果と感じました。

皆様もご存知の通り、COOHEM MEN誕生のキッカケを頂いたUNITED ARROWSでこのように大きく展開して頂き、たくさんの方に見て頂けたことはCOOHEMにとってもとても貴重な機会となりました。

こちらのUNITED ARROWS原宿本店ですが、ウィメンズ館を統合、「UNITEDARROWSONE(ユナイテッドアローズワン)」をコンセプトに掲げた新しい旗艦店として2017年9月7日(木)にリニューアルオープンします。
そのため、写真のような状態は8月31日までとなり、その後のCOOHEMは通常展開となる予定です。

メンズ館としての最後にこうした展開をして頂けたことは大変ありがたいことで、このメンズファッションの聖地から発信されるCOOHEM MENが今後も各展開SHOPでたくさんのお客様にご覧いただけるようになれればと思います。

インターネットで普通に洋服を買う時代、ますます利便性が高まり、店に足を運ぶことがなくなりそうなご時世ですが、SHOPでしか味わえない空間のなかで洋服を選ぶ、SHOPスタッフとのコミュニケーションの中で見つける新しい自分。

是非、ファーストCOOHEMは各展開SHOPで実際に手に触れて、着てみて頂きたいです。

Director 大江

COOHEM MENの本格デビューで始まる2017年の秋冬

2018SSの展示会後、バタバタと過ごす中ですっかりBLOG更新がご無沙汰となりました。

 

今回のDirector’s BLOGは「COOHEM MENの本格デビューで始まる2017年の秋冬」。

外は夏真っ盛り。海に、プールにと「夏」を楽しんでいる方も多い季節。

一気に暑くなってきた今日この頃ですが、SALEもひと段落したSHOPでは、早くも2017年秋冬の新作が店頭に並び始めました。

SNSやWEBでチェックした方もいるかと思いますが、新しいロゴデザインになったCOOHEMは、この2017年秋冬より本格的にMEN’Sコレクションの展開をスタートし、MEN&WOMENでブランドを展開していきます。

既に都内、地方の各エリアでの卸先SHOP、COOHEM ONLINE SHOPでも2017年秋冬の新作が販売開始となりました。

MEN’Sコレクションの展開店舗に関しては、FIND A SHOPをご覧下さい。

 

各社で立ち上がりつつあるCOOHEM MENの中で、僕がオススメしたい品番をご紹介します。

 

 

まず、この2017年秋冬で人気があったCOOHEMが作るCOOHEMらしいセーター。

クラシックなジャカード編みも、COOHEMのツウィードに使われるファンシーな糸が配色で施されると、どことなくモダンで新しい見え方をします。

続いてCOOHEMファンの方にはお馴染みとなったCOOHEM×MoonStarのニットツウィードスニーカー。

デザインは定番のスリップオンタイプなので、暑い夏でも今からでも履けて、秋にはソックスの色味とのコンビネーションを楽しめるアイテムです。サイズはWOMEN’Sサイズ、MEN’Sサイズともに展開しています。

 

単調になりがちな「夏」のスタイリングに、少しだけ早く「秋」を匂わせるアイテムを組み合わせるのもいいかなと。

他にもまだまだご紹介したいアイテムがあるのですが、これから店頭に並ぶ商品も多いため、今回はこのへんで。

 

そんな中、今週末よりお盆休みで夏季休暇の方も多いと思いますが、この2017年秋冬に本格スタートするMEN’SコレクションのPOP UP SHOPが開催されます。

COOHEM MEN 2017AUTUMN&WINTER POP UP SHOP at UA&SONS

期間:2017年8月11日(金)〜8月20日(日)

場所:UNITED ARROWS原宿本店「UA&SONS」B1フロア

ユナイテッドアローズ&サンズ
150-0001 東京都渋谷区神宮前3-28-1 ユナイテッドアローズ
原宿本店 メンズ館 B1-1F
TEL 03-5413-5102
FAX 03-3479-8214

営業時間平日 12:00〜20:00
土・日・祝 11:00〜20:00

 

先日、POP UP SHOPに向けて商品説明会を上記店舗で行ったのですが、秋冬の新作が揃い始めており、とても見ごたえがありました。

スタッフの方も熱心に説明を聞いてくださり、POP UP SHOPが楽しみです。

是非、お盆休みに原宿へ、COOHEM MEN POP UP SHOPに足を運んで見てください。

Director 大江

 

PARISでCOOHEMが得たもの

ジメジメとした梅雨の季節。

 

天気が不安定なため外出するのも億劫になりがちですが、この梅雨が明ければ夏。

今しばらくの辛抱です。

さて今回のDirector’s BLOGは、先月末に開催されたPARISの展示会「SHOWROOM.TOKYO」のレポートも交えて、2015年にTOKYO FASHION AWARDを受賞して「PARISでCOOHEMが得たもの」について。

 

COOHEMでは2013年から本格的にPARISにてコレクションを発表してきました。

PARIS SUR MODE、TRANOIと大型の合同展示会に参加し、イタリア、ドイツ、イギリス、香港、台湾、韓国などの百貨店やセレクトショップにて展開。さらなる高みを目指して応募したのが次世代を担うデザイナーブランドの海外展開を支援するTOKYO FASHION AWARDでした。

 

 

メンズブランドが中心ではあるものの様々なバックボーンを持つ受賞ブランドとともにショールーム形式でコレクションを発表するのは初めてでした。

このBLOGでも何度かご紹介しましたが、この受賞をキッカケにMEN’Sコレクションを試験的に立ち上げ、これまでのWOMEN’Sコレクションに加えてブランドの世界観を広げてきました。

 

 

早いもので2年間、計4回のショールームも今回で最後。前回の1月に引き続きマレ地区のショールームで開催。これから秋冬の商品が立ち上がるという時に、一足早く2018 SPRING&SUMMERのご紹介になりますが、会場の様子をリポート。

 

TRANOIなどの合同展示会でのブースの3倍ほどのスペースにCOOHEM MEN&WOMENを合同で見せる。多くの人が行き交う合同展示会と異なり、世界中の名だたるセレクトショップのバイヤーがアポイントを入れ、ゆっくり時間をかけて見るという雰囲気はショールーム形式ならでは。

このショールームに参加するようになって、一番意識するようになったことは、1つのラックに対しての適正な枚数とアイテム、カラーの構成でした。

 

それまでは、ニットアイテムがほとんどで強い個性の商品が中心の商品構成でしたが、よりスタイリングを提案できるように、AW、SSに限らずインナーとしてのTシャツを展開することだったり、2018SSにはシャツも登場。

 

強い単品構成の連続から打ち出したい商品を中心とする構成への変化。

よりスタイリングを打ち出すスタイルへ徐々にシフトをしていく。

まだまだ課題はあるものの、今後もさらに磨きをかけていきたいなと。

 

受賞ブランドのみ、そして日本のデザイナーブランドの中で展示会できたことは、今後のCOOHEMを考えていく上でも色々と勉強になりました。

自分たちの強み、弱みを客観視でき、雑貨も含めてトータルに展開していくことによって、MEN&WOMENで独自の世界観を見せていく。

 

今後のブランドの方向性を考えていく上で、この「PARISで得たもの」が大きなターニングポイントになっていくと思います。

 

これから本格的に各SHOPにて2017AUTUMN&WINTERが立ち上がっていきます。

 

少しずつしなやかに進化し続けるCOOHEMを店頭でご覧ください。

 

 

Director 大江

ニットツウィードの新しい可能性

いよいよ今週よりパリ出張。
直前の展示会準備が大変な中のBLOG更新となりました。

今回のDirector’s BLOGは、「ニットツウィードの新しい可能性」について。COOHEMファンの方は、ご記憶に新しいかもしれませんが、この「COOHEM Knit Tweed Life」、昨年の11月、12月に東京はPASS THE BATON表参道店、山形はとんがりビルにて展開したCOOHEMのニットツウィードを使用したウォレット(財布)やカードケース、ポーチなど。

この度、6月14日より開催されたインテリア・ライフスタイルの展示会「Interior Lifestyle Tokyo」にてデビューしました。
2017年の年末から展開を本格スタートします。

COOHEMとして初めて出展する「Interior Lifestyle Tokyo」は、東京ビッグサイトで開催される国内では最大規模のインテリア・ライフスタイルの展示会です。

いつものファッションの展示会とは異なり、壁紙や紙モノ、家電やファニチャー(家具)にいたるまで「日常」を彩る様々なアイテムのメーカー、ブランドがブースを構えます。COOHEMでは、2018 SPRING&SUMMERの一部のサンプルとともにニットツウィードをライフスタイルグッズに進化させた新しいコンセプトラインである「COOHEM Knit Tweed Life」のウォレットやカードケース、ポーチなどを並べました。

そのほか、PASS THE BATONなどでは販売したこともあるニットツウィードパネル、クッションカバーなども展示。

過去のマスターピースとも言えるニットツウィードがファッションとはまったく違う存在感を放ちます。

インテリアに関するメーカーやブランドも多数出展していることもあり、来場者の方にはテキスタイルメーカーと見間違えられるほどの印象があったようですが、横に並んだ2018 SPRING&SUMMERのCOOHEMのコレクションを見て、あくまでファッションブランドだからこうしたテキスタイルが作れるのだと感心される方も多かったのは事実。

そう、既存のテキスタイルメーカーとCOOHEMのニットテキスタイルの違いは、織物(布帛)と編物(ニット)という物理的な違いから、あくまで服にする前提で独自に開発された素材である、時代の流れをモノづくりに取り入れながら表現している点が違うのだと思います。

途方もない時間と多くの人たちの手で作られるニットツウィードが、ファッションのシーズン性によって半年スパンで移り変わっていくことにある意味で疑問も感じていました。

 

「時が過ぎても変わらない価値」もある。

 

そんな過去のアーカイヴスがパネルやクッションカバーになって、新しい価値を感じることのできるアイテムに生まれ変わる。

ファッションブランドとして、半年スパンの中で時代を感じ取り新しさを追求する一方で、過去の自分たちが作ってきたニットツウィードに再び光を当てる。

そんな想いが、この「COOHEM Knit Tweed Life」というコンセプトラインが生まれた背景にあります。

7月11日〜14日に開催される東京・外苑前で開催される「COOHEM 2018 SPRING&SUMMER」の展示会では、WOMEN’S、MEN’Sのフルコレクションに加え、こちらの「COOHEM Knit Tweed Life」も一堂にご覧いただけます。

ご興味なるプレス、バイヤーの方は是非、展示会の詳細を下記のアドレスまでお問い合わせください。

info@coohem.jp

一般のお客様は、12月上旬頃(予定)からCOOHEM ONLINE SHOPでも販売を開始しますので乞うご期待ください。

「ニットツウィードの新しい可能性」

それは、COOHEMの新しい可能性につながっていきます。

Director 大江

COOHEM MEN’Sが目指すもの

早いもので2017年も半年が過ぎました。
都内も梅雨入り、この梅雨が明けたら夏がやってきます。

この時期は、なんとかサンプルアップしてパリの展示会前で準備に忙殺される時。
COOHEMの本拠地である山形県の米富繊維・本社工場では、今月より出荷が始まる2017AWのモノづくりが日夜、続いています。このBLOGでも何度か触れていますが、WOMEN’Sに加えて待望のMEN’Sコレクションの展開が、7月よりスタートします。
今回のDirector’s BLOGは、一足早くこの秋冬に本格スタートとなるCOOHEM MEN’Sについて。


今年1月にパリのSHOWROOM.TOKYOに出展、2月に国内の展示会を開催。

ブランドをスタートして7年目となる2017AWの展示会は、これまでのWOMEN’Sのみの展示会とは異なり、MEN’S&WOMEN’S合同の展示会として、国内外多くのセレクトショップ、百貨店、専門店のバイヤー、プレスの方にご来場頂きました。


そんなCOOHEMのMEN’Sは、鮮やかなカラーリングやファンシーな生地感がある意味でWOMEN’Sらしいと思われがちな印象ですが、実はスタイリングの考え方はいたってシンプルなんです。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、COOHEMのWOMEN’SもMEN’Sもトラディショナルウェアをベースにしています。

特にセレクトショップ各社が創業から今日まで提案してきた欧米のオーセンティックなアイテムの数々、団塊の世代が洗礼を受けたVANジャケットからその子供達にあたる団塊Jrが歩んできた裏原宿ブームなど、日本のメンズファッションのベースにはいつも欧米のトラディショナルウェアがありました。

僕がWOMEN’Sでブランドをスタートした当初から、デザインリソースとして求めたのは、これらのトラディショナルウェアやビンテージの参考図書。

ファンシーな独自のニットツウィードをトラディショナルウェアの「スタイル」や「ディティール」を組み合わせて商品をデザインしてきました。

ニットツウィードのセットアップに始まり、Gジャン、MA-1、フライトジャケット、モッズコート、チェスターフィールドコートなどニットでありながら、ニットではない「THIS IS NOT SWEATER」な数々。

世の中の全てのトラディショナルウェアと言われるアイテムをニットで表現する。

ダウンジャケットからスニーカーにいたるまで、COOHEMが生みだした今日までのマスターピースとも言えるアイテムは、「ニットでこんなことができるのか?」という驚きを発信してきました。

WOMEN’Sもそうですが、フォトジェニックな見た目の印象とは裏腹に、袖を通してスタイリングしてみると、意外に?着やすいアイテムの数々。
MEN’Sも同様に、ベーシックなテーラードジャケットはウエストから裾にかけてストンと落ちる何とも着慣れたパターンでデザインされています。
ラペルの太さ、返りの位置、細部に渡るまで、ある意味で「基本形」を崩さないことを根幹に置きながら、使用されるテキスタイルはCOOHEMらしい。

そのため、これまで着ていた基本的なワードローヴのアイテムとの親和性が高く、普段ネイビーブレザーを着ている感覚でスタイリングしてもシルエットバランスはいつも通りなのです。


トラディショナルウェアというと、ストリートファッション全盛の今は、少々古臭く聞こえるかもしれません。

ただ、特にメンズファッションには、「基本」となるベースがあり、一つ一つのアイテムやデザインに「ルーツ」があります。これは、僕がこのファッションの世界に飛び込んだ頃の洋服屋の先輩方の口癖でもありました。

「基本」に忠実であり、それらの「ルーツ」を知った上で、自分なりに着崩す。

この着崩すことを楽しむためにCOOHEM MEN’Sウェアをポイントに、これまでの自身のワードローヴを合わせながらも新しい自分を発見してほしい。
その想いを込めたCOOHEM MEN’Sが10年先、20年先に新しいトラディショナルウェアとなれることを目指したい。
そんな、トラディショナルマインドを忘れない方達に是非COOHEM MEN’Sに袖を通して頂きたい。
唯一無二と言われるニットで作る世界でどこにもないツウィードやセーター。
その全てが日本の老舗ファクトリーが受け継いできた歴史、技術、それに関わる多くの人たちの丁寧で真摯なモノづくりによって生み出されているということ。
そして、僕たちがこうした日本のモノづくりカルチャーを世界に発信し、COOHEMがファクトリーブランドの進化形として新時代のトラディショナルウェアとして語り継がれることを目指しているということ。
その背景に共感して頂ける方々に、ファンになって頂ければ服屋冥利に尽きます。

 

2017AWのテーマは「WARDROBE OF LIFE」。

この世に生を受けて、学生時代、初めて社会人になった時、30代を過ぎ、仕事を引退する歳になるまで、人は人生の局面、局面で色々なテイストのファッションに挑戦したり、巡り巡って自分のスタイルを見つけ出し、洋服を着ているのだと思います。

人生のワードローヴに加えて頂きたい1着。

是非、お取り扱いはFIND A SHOPにてチェック頂き、店頭でCOOHEM MEN’Sを感じてください。

Director 大江

なぜCOOHEMはブランドロゴをリニューアルしたのか?

先日、COOHEM NEWSやInstagramにて告知しましたが、2017AUTUMN&WINTERよりブランドロゴデザインがリニューアルします。

2010年のブランドスタートから7年目にあたる今、なぜCOOHEMはブランドロゴをリニューアルしたのか?
Directorである僕からご説明をしたいと思います。

 

 

 

COOHEMは米富繊維株式会社の初めてのファクトリーブランドとしてWOMEN’Sのみでスタートしました。

よく取材等で聞かれるのですが、「なぜWOMEN’Sからスタートしたのか?」。

このBLOGをご覧になっている皆さんにもご存知の方も多いかもしれませんが、COOHEMは造語で、ニットのテクニックである交編(こうへん)に由来します。

 

交編(こうへん)=COOHEM

 

それは、ブランドのアイコンでもあるニットツウィードが交編(こうへん)技術によって生み出されており、その交編(こうへん)技術をブランド化することを目的としてブランド名も名付けられました。

ニットツウィードという素材を軸にブランドを構成する際に、MEN’Sよりもアイテムバリエーションが多いWOMEN’Sの方が表現に最も適していると判断したからです。

僕自身も前職のセレクトショップ時代はMNE’Sを担当しており、個人的にはMEN’Sも当初から展開したかったのですが、いわば老舗企業の将来を担う新事業でもあったため、まずはWOMEN’Sをしっかりブランドとして成長させるべきという背景がありました。

お馴染みとなった赤いタグは、実は「MADE IN JAPAN」の証である「赤」と「白」。

タグの色に「日本から世界に発信する」という密かな想いを込めつつ、ブランドのテーマカラーを「赤」と「白」にしました。

スタートから7年。 
企画と営業を一人で兼任しながら悪戦苦闘の日々を乗り越え、たくさんの方に支えられ、COOHEMは2013年に海外進出を果たします。

今では日本のファクトリーブランドを大手のセレクトショップの店頭で見かけることも多くなりましたが、僕たちがブランドを立ち上げた当時はほとんど皆無だったかもしれません。

ノウハウもなく、ただただモノづくりに真摯に向き合い、シーズンごとに急激な進化を遂げたファクトリーブランドCOOHEMは、2015年10月、TOKYO FASHION AWARDを受賞することになります。

このTOKYO FASHION AWARD受賞が、ブランドとしての第2章の幕開けとも言え、この受賞をキッカケにMEN’Sコレクションをスタートします。

2016年1月パリ・SHOWROOM.TOKYO、2月ラスベガス・POGGY’S WORLDに出展、そして7月にUNITED ARROWS原宿本店UA&SONSにてCOOHEMのMEN’Sコレクションはデビューしました。

続いて2016年12月、PASS THE BATON表参道店にてCOOHEMのニットツウィードをライフスタイルグッズに進化させたコンセプトライン「COOHEM KNIT TWEED LIFE」を立ち上げました。

従来のWOMEN’Sコレクションに加え、MEN’Sコレクションならびにライフスタイルグッズのコンセプトラインの立ち上げ。

COOHEMの世界観の広がりが見られた2016年を経て、2017 AUTUMN&WINTERより本格的にMEN’Sコレクションの卸売りをスタート、2018 SPRING&SUMMERよりCOOHEM KNIT TWEED LIFEの卸売りをスタートさせます。

そんなブランドととしての新たなステージに向かうこの節目に、筆記体からブロック体にロゴデザインを変更し視認性を高め、WOMEN’SコレクションにもMEN’Sコレクションにも、そして雑貨アイテムにも合うシンプルかつ力強いロゴデザインにリニューアルをします。

 

 

これまでの「赤」のネームから、「白」のネームに切り替えた背景には、この7年間の間で確立されつつあるCOOHEMのフォトジェニックなニットツウィードの存在があります。
遠目に見ても「COOHEM」だと認識できるほど独自性のあるニットツウィードやカラーリング。

タグを隠せば何のブランドかわからない商品が溢れるこの時代において、一目でわかるブランドの個性は、COOHEMならではのオリジナリティのあるモノづくりによるものだと思います。

そんなモノづくりを変わらず続けていく中で、MEN’Sコレクションもスタートしたこの新しい門出に「白」のシンプルなタグに込めた想いは、ブランドをスタートした時のようなまっさらな気持ちで、新しい歴史を重ねていくということ。

これまでのブランドらしさを継続しつつ、常に新しさを追求するブランドとして、日本のモノづくりカルチャーを世界に発信するブランドに生まれ変わる。

今後は、WOMNE’S、MEN’Sウェアはもちろんのこと、ライフスタイルグッズ、異業種とのコラボレーションも含め、COOHEMの世界観を広げていきたい。

これからの、新しく生まれ変わりつつあるCOOHEMにご期待ください。

Director 大江

子供達と考えるCoohemの可能性

先日、地元・山形での3回目のイベントを終えました。

卸先SHOP各社で開催していたCUSUTOMIZE KNIT TWEED、今回は夏の定番Tシャツのカスタマイズです。

今回は残念ながらウィメンズデザインのみでしたが、次回は男性のお客様にも楽しんで頂けるイベントを考え中です。
会場は山形ではお馴染みとなった「とんがりビル」、こんなに大きなスペースで展開できるのは都内では考えられないことです。

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色とりどりのツウィードポケットがたくさんあるので、自分にとってベストな1枚を選び出すことは大変ですが、合わせるポケットで表情が変わるのがカスタマイズの醍醐味と言えます。

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Tシャツのカスタマイズに加え、財布やポーチなど小物も展開。ウェアも一部メンズ、ウィメンズでご紹介しました。

また、これまでの数々のCOOHEMのイベントの中で初の試みだったのは「キッズスペース」を設けたこと。

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地元・山形でのCOOHEMのイベントにご家族でいらっしゃる方も多いため、子供達が遊んでいる側でゆっくりお買い物を楽しんでもらえるようにこのスペースを作りました。

子供達が暇を持て余すことのないように、今回はCOOHEMのアイコニックなアイテムであるノーカラージャケットとテーラードジャケットの「ぬりえ」を用意。

クレヨン、色鉛筆、サインペンに加え、COOHEMのファンシーヤーンをテープやノリで自由に貼ったりして遊べるようにしました。

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子供達が徐々にハイテンションになっていくわけですが、男の子も女の子も「ぬりえ」している時の集中力はデザイナー顔負けです。

「色」に対する常識にとらわれない子供達の感性は、本能的かつ瞬間的であり何にも縛られない自由な発想だと感じます。

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こうして年齢、性別を越えた色んな人の作品を貼り出してみると、楽しさ溢れる演出にもなります。

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子供達にまぎれて僕たちスタッフもトライ。
これがやってみると童心にかえるというか、大人でも楽しい遊びとなりました。
それぞれが思うカワイイ、カッコイイ、ツウィードジャケット。
何も考えずに、ただただ直感的に色を重ねていく最中に、意外にも新しい発見があったり。。

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僕自身もトライしてみて、自分の好きなテイストって変わらないんだなぁと。
無心になって色を考えたのは、いつ依頼だろう??と思ったり。。

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大人になるといろいろな角度から様々な情報や常識が入り、自由なようで不自由な中で物事を考えなくてはなりません。

業界の常識、今の時代感、これまでのブランドイメージ、ビジネスとのバランスなどなど。
日々、モノづくりをしていても、ただただ無心で考えるということがなかったことに気がつきました。

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常識や先入観に縛られない子供達が示したCOOHEMの可能性。
色を塗る、重ねる、糸を貼る、シンプルなことですが、そこに個々の感性が反映されてクリエーションとなる。
改めて「Coohemって楽しい服なんだな」って子供達に気付かされたイベントでした。

「服が売れない」「ファッションに楽しさがない」などとメディアで騒がれる昨今、「服育」ではないですが、子供達にデザインする楽しさ、楽しい洋服着たいって思ってもらえるキッカケを作っていくことも大事だと思います。
今回遊びに着てくれた子達が将来、何かしらクリエイティブな仕事に興味を持ったり、山形のニット産業に関心が芽生えたり、洋服を着ることが楽しく感じられたりするならば、良かったなと感じます。

そして、未来のCOOHEMのファンになってくれればブランド冥利につきるのかなと。
Coohemではメンズがスタートしたばかりで、ウィメンズ、メンズとその世界を広げてきていますが、いつかは子供達に向けたラインもできればと思っています。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。

Director 大江

米富繊維・Coohemの仕事 〜商品開発(しょうひんかいはつ)〜

「米富繊維・COOHEMの仕事」 第三弾は、CoohemおよびODM商品企画・デザイナー、ニットテキスタイル開発スタッフが在籍する商品開発(しょうひんかいはつ)です。

この部署は約40年ほど前から米富繊維株式会社が続けてきた編地開発が前身で、主にOEM/ODMの編地依頼や、ニットメーカーの合同展示会の提案サンプル、自社ブランドCOOHEMの商品企画を担当しています。

ニットテキスタイル開発の大ベテラン職人である二人に加え、僕とアシスタントデザイナーが日夜、新しい商品を開発するために悪戦苦闘のモノづくりをしています。

ニットテキスタイルの開発や商品企画は、イメージを具現化することが職業。完成形である「服」のイメージを共有しながら具体的なモノづくりを進めていきます。

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原料(糸)の方向性が決まったら、何度も何度もイメージに近づけるために編地を編んでいきます。

COOHEMは1つのニットツウィードが完成するまでにおよそ20パターン近い編地を編んで、「色」と「柄」を作っていきます。

1つのシーズンの企画が全て終わる頃には、大きなダンボール2つ分を超える編地が。。
これほどまでに素材作りに時間をかけるブランドやニットメーカーは他に類を見ないかもしれません。

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編地が完成すると、その編地を「形」にするために商品のデザインも含めて仕様書を作成。

サンプルを編む編立(あみたて)スタッフやパタンナーに指示するためにニット特有の細かいディティールまで仕様書に落とし込みます。

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特にデザイナーは、パタンナーとの打ち合わせも細かく行い、縫製仕様面を決定。

ニット特有の伸縮も計算しながら、1stサンプルの修正も含めて慎重に、そして丁寧に進めていきます。

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特にCoohemに代表される「糸」から「編み」、「商品」の仕上がりに独自性を追求していくモノづくりでは、このように確かな経験と技術を持ったベテラン職人たちと一緒にモノづくりできる環境があってこそ。

机の上でイメージを具現化するのは難しく、工場の中で、自分のイメージが形になっていく過程に自分自身が介在しているからこそ見える発見や発想があります。

一つ屋根の下で、職人と共に商品企画をしていく醍醐味がそこにはある。

そんな仕事がしたい人に向いている部署とも言えます。

その他、JAPAN BEST KNIT SELECTIONなどの合同展示会におけるニットメーカー・米富繊維としての提案用サンプルも作成。

企業の開発部門として、今後もブランドだけではなく新しい提案にチャレンジしていきます。

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商品開発は一人一人の完成をそれぞれが「形」にしていくことが求められる仕事ですが、一人の力ではできないことがあります。

チームだからこそできるモノづくり。

長い経験と技術の上に成り立ち、時代に合わせた柔軟な発想力が新しい提案につながる。

ブランドを運営することによってかつての編地開発力に商品企画力が備わり、今後も他に先駆けた提案を追求していきたい。

ニットのデザイナーを目指す方、編機を使ってニットテキスタイルを開発していきたい方のご応募お待ちしています。

COOHEMもMEN’Sラインがスタートし、会社としてもMEN’Sのモノづくりにも力を入れていくため、男性のご応募も大歓迎です。

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文書1

<商品開発(しょうひんかいはつ)の仕事にはこんな人が向いています>
・四六時中ファッションやモノづくりを考えていることが好きな人。

・モノづくりの現場からファッションを発信していきたい人。

・自分の「イメージ」を「形」にする仕事がしたい人。

このBLOGをご覧になって興味がある方は是非、会社説明会、工場見学にいらして下さい。

米富繊維株式会社 採用情報

中途採用に関しても同時に募集しております。

皆様のご応募お待ちしております。

Director 大江

米富繊維・Coohemの仕事 〜縫製(ほうせい)〜

前回に引き続き2018年度新卒採用・中途採用の募集職種をご紹介する「米富繊維・COOHEMの仕事 」、今回は商品を形作る「縫製(ほうせい)」の仕事について。

前回の「編立」に比べて、一般的に聞きなれた「縫製」は、工業用ミシンを使って洋服を縫製する仕事です。

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ファッションの専門学校や高校の被服科で勉強されている方は、学校で実技の授業もあるので馴染みがあるかもしれません。

 

本縫いミシンやロックミシンなどは、ニットメーカー以外の縫製工場でも使用しますが、ニット専用のミシンである「リンキングミシン」は初めてご覧になる方も多いはず。

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一つ一つの編目を差し込んでいく作業は、根気が要ります。

ニットの「縫製」には、パターン状に編んでリンキングで縫製する「成型」のモノづくりと、四角いガーメント状に編んで裁断、縫製していく「裁断縫製」のモノづくりの2通りがあります。

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どちらのミシンも洋服のパーツ同士を縫い合わせて「洋服」の「形」にする工程です。

商品の最終的な仕上がりを左右するため、とても集中力が必要であり、表からは見えないところにも気を配ることが品質の高い商品作りに欠かせないポイントです。

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米富繊維株式会社の「縫製」の特徴は、ニットジャケットやブルゾン、コートに至るまでいわゆるセーターだけではなく多種多様なアイテムを縫製してところ。

当然、ジャケットなどのアウター類の縫製には、高い技術と経験が必要であり、入社直後からスイスイ縫えるアイテムではありません。

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勤続数十年の大ベテランの先輩方から技術を学び、少しずつ自分の技術を磨いている若い職人達も育ってきました。

単一アイテムを延々と縫い上げていくロット生産ではなく、様々なアイテムをライン毎に担当するライン生産は、縫製オペレーターである一人一人が、自ら裁断、縫製、完成品になるまで縫い上げるのが理想です。その達成感にやり甲斐を感じている人も多い部署です。

複数のラインを組んで、数人がチームとなり同じ品番を縫製していくシステムで生産は進んでいくので、チームとして目標枚数達成のために仕事をする場面が多いのもこの「縫製」の特徴と言えます。
COOHEMの難易度が極めて高いアウター類も、彼女たちの技術によって形作られ、日本から世界に発信されています。

唯一無二と言われるCOOHEMのニットツウィードは、アイコニックなニットテキスタイルばかりに目がいきがちになりますが、きちんと丁寧に縫製されてこそ、商品の「顔」が作られていきます。

黙々とパーツを縫い上げ、完成度の高い商品を形作っていく。

決して表からは見えない箇所の丁寧な縫製は、高いクオリティを維持するためにとても重要です。

縫い目が滑脱しないようにステッチをかけたり、伸びないように薄い芯地を貼ったり、テープを一緒に縫い込んだりとパッと見のデザインからは見えにくい、陰ながら手間暇を惜しまない丁寧な仕事。

まさに日本人らしい気配りのある仕事が、編立同様に職人技が光る部分です。

この部署は男性の管理者の下に女性のみ総勢19名のスタッフが働いています。
昔から女性が多い部署ではありすが、 男性の方のご応募も大歓迎です。

陰ながら山形から世界に向けてモノ作りを発信していく立役者とも言える彼女たちと日々、技術を磨き、品質の高いモノ作りを支えてくれる仲間を募集しております。

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文書1<縫製(ほうせい)の仕事にはこんな人が向いています>
・手先が器用な人

・ひたむきに作業に打ち込める人

・目の前で「洋服」が形作られることに面白みを感じる人

このBLOGをご覧になって興味がある方は是非、会社説明会、工場見学にいらして下さい。

米富繊維株式会社 採用情報

中途採用に関しても同時に募集しております。

 

皆様のご応募お待ちしております。

Director 大江

米富繊維・Coohemの仕事 〜編立(あみたて)〜

都内は桜が咲き、いよいよ春本番。

厚い冬物のコートから軽くて春らしいアウターを着る季節となりました。

 

さて、今回のDirector’s BLOGより数回にわたり、「米富繊維・COOHEMの仕事」と題して2018年度新卒採用・中途採用の募集職種についてその仕事の内容を綴っていきたいと思います。

 

今週は「編立(あみたて)」について。

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この「編立(あみたて)」は、文字通り「ニットを編み立てる」のが主な仕事。

糸から製品になるまでのモノづくりはこの「編立」からスタートするため、非常に重要な部署であり、各ニットメーカーの技術の差が大きく出るところです。

ニットの手編みなどは想像しやすいかもしれませんが、工業用の編機をご覧になったことがない方も多いと思います。

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米富繊維の編機は、和歌山にある島精機製作所の編機を主力としていて、COOHEMのニットツウィードもこの編機で開発されています。

どうやって編機を動かすのかというと、パソコンでプログラムを組んで、ニットの編み方を指示するデータを作ります。

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この作業は、「柄組(がらくみ)」と言われ、複雑な編み組織になればなるほど、このプログラムも複雑になります。

初めて工場見学をされた方は、このプログラムを組む工程に一番驚かれるのですが、「ニットの職人」はいわばITのシステムエンジニアのような仕事内容とも言えます。

黙々とプログラムを組む彼ら彼女達の仕事は、パソコンを駆使しながら技術を追求するまさに現代のハイテク職人のように感じます。

COOHEMのニットツウィードも編み組織が複雑で、編みにくい糸ばかりを使うため、この「編立」では表からは見えないプログラム上の微調整など職人技が発揮され、編めなかったものを編めるように、不可能だったものを可能にしています。

唯一無二の商品ができる背景には、彼から彼女達のモノづくりに対する真摯な姿勢と技術の上に成り立っているのです。

編機を動かしてニットを編むといっても、パソコンでプログラムを組むのは「人」の感性。
デザイナーのイメージを具現化するために陰ながら、この編立の人達によってファッションは形作られていると言えるでしょう。

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編立の部署は総勢9名。女性のスタッフもいますが、機械を扱う仕事内容というのもあり男性中心の部署です。

しかしながら、女性の繊細なプログラミングもまた丁寧なモノづくりには欠かせないため、女性の方のご応募も大歓迎です。

 

また将来、ニットデザイナーを目指すスタッフも、この「編立」の部署からキャリアをスタートする場合も多く、ニットは「編み」にはじまりこの技術をしっかりと理解していることも重要になります。

 

 

編めなかったもの、編みにくいものを自分の手によって編めるようにする。

「不可能」だと思えたことが「可能」になる瞬間こそ、この「編立」の仕事の醍醐味と言えます。

 

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<編立(あみたて)の仕事にはこんな人が向いています>

・黙々と作業をしながらも、自らの手でモノづくりをしたい人

・自分にしかできない技術を身につけ、職人を目指したい人

・不可能を可能にすることにやり甲斐を感じる人

このBLOGをご覧になって興味がある方は是非、会社説明会、工場見学にいらして下さい。

米富繊維株式会社 採用情報

中途採用に関しても同時に募集しております。

 

皆様のご応募お待ちしております。

Director 大江

私達はこんな人を募集しています。

ようやく桜が咲き、春の訪れを感じる季節。

各企業でもフレッシュな新入社員が入社する季節でもあります。

米富繊維株式会社も先週の2017年4月1日、新しい仲間を迎えました。

広島、千葉など県外から山形に引越しをして入社してくれました。
彼らの今後の活躍を期待しております。

さて、今回のDirector’s BLOGは、2018年度新卒採用と中途採用について。

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モノづくりは、たくさんの「ヒト」の手を経て、「形」になります。

「ブランド」は、ひとつ、ひとつの「商品」・「モノづくり」、ひとり、ひとりの「ヒト」の集合体であり、ファッションを生業にするたくさんの仕事の中で、モノづくりは「ファッション」を構成する最もベースにあるものと言えます。

新卒採用を再開してから、早7年が過ぎようとしており、今では県内外から就職した若き職人達も多くなってきました。

埼玉、群馬、広島、愛知、そして海を越えてイタリアからも。

山形県出身で都内やその他の地域でファッションの仕事をしていたUターン就職の人もいます。

 

出身地や学んできた学校など様々ですが、皆に共通していることは「ファッションが好き」ということ。

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COOHEMもそんな彼ら、彼女達によって運営されており、それぞれデザイナー、パタンナー、営業、ONLINE、海外営業などを担当しています。

米富繊維株式会社は、今年で創業65年を迎えます。
歴史のある会社ではありますが、絶えず進化し続けているのは、そんな若き情熱を持った職人達の挑戦をベテラン職人達の技術と経験によって形にしている社風かもしれません。

米富繊維株式会社が手掛ける事業は、①OEM事業、②ODM事業、③自社ブランド事業と多岐に渡ります。

OEM、ODM事業では、国内の大手アパレルメーカー、セレクトショップ、百貨店、デザイナーブランドのオリジナル商品の生産をしています。
将来的にはOEM、ODMにおいても海外ブランドとの取引を目指しています。

自社ブランド事業である「Coohem(コーヘン)」は、2010AUTUMN&WINTERよりスタートし7年目を迎えます。
これまでのWOMEN’Sに加え、MEN’Sも本格的にスタート、国内、海外でブランドを展開しており、自社でONLINE SHOPを運営しております。

また、新しい展開として雑貨のラインを立ち上げる予定となっており、ニットツウィードを生活のあらゆる場面で使える商品の開発もスタートしました。

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現状の3つの事業の中で、新たな自社ブランドの開発にも着手しております。

そのような中で、私達は、下記のような明るく、元気な、情熱を持った職人を目指したい人を募集しています。

国内外の専門学校や大学でファッションの勉強をされている人。

ニットのモノづくりに興味がある人。

ブランドのアシスタントデザイナーになりたい人。

OEMやODMで多くの有名ブランドのモノづくりを支えたい人。

編機を使用してニットツウィードの開発がしたい人。

編機を使用してニットが編み立てられる技術を身につけたい人。

CADを使用してパターンメイキングをの技術を身につけたい人。

ミシンを使用して洋服の縫製の技術を身につけたい人。

アパレルメーカーやデザイナーブランドでパタンナーやデザイナーの経験があり、山形へUターン、Iターン就職したい人。

山形から世界に向けてニットのモノづくりを発信したい情熱を持った若き職人を目指す人を募集しています。

現在、米富繊維株式会社のWEBサイトCOOHEM WEBサイトに2018年度新卒採用と中途採用の募集要項が掲載されています。

募集職種や会社説明会に関しては上記WEBサイトのRECRUITをご覧ください。

 

次回のDirector’s BLOGより、2018年度新卒採用・中途採用で募集する職種について具体的に説明していきたいと思います。

皆様のご応募お待ちしております。

Director 大江

WISE SPENDING(賢い消費)について

先週のBRUTUSに引き続き、「モノが売れない時代」に叫ばれる「WISE SPENDING(賢い消費)」について。

 

Unpluggedの特集を読んだ感想も交えて。

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同時期に似たような雑誌の特集が組まれるというのは、世相を反映しているというか、「今」を生きる大勢の方が肌で感じている時代の象徴なのかもしれません。

 

数年前からファッションの世界ではエシカル(ethical : 「倫理的・道徳的」の意。環境や社会に配慮した製品やサービスを選んで消費すること。)なんて言葉が頻繁に聞かれるようになりました。

 

サスティナブル(sustainable : 持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発など。)という視点もファッションビジネスのみならず重要性を増していると言われています。

 

こうした潮流の背景には、モノを消費する、所有することによって得られる満足から消費する、所有することによって誰かのためになったり、地球のためになったり、単純に物質的に満たされることに加えて精神的にも満たされたいお客様の気分の変化があるようです。

 

少し前に「MADE IN JAPAN」が再注目されましたが、この流れもエシカルやサスティナブルといったキーワードにつながるのかもしれません。

 
さて、今回のUnpluggedの特集も各著名人の「WISE SPENDING(賢い消費)」があらゆる角度で掲載されており、非常に面白い内容でした。

 

今、流行りのもの、ずっと使える、何にでも着回せるとか洋服の価値感は様々あります。

 

そんな中で僕自身の「WISE SPENDING」を考えてみました。

やっとやってきた春に向けて新たにワードローブの仲間入りをした服や雑貨です。

まずはCOOHEM DENIM TWEED Jacketです。

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遠目に見るとウォッシュされた感じに見えるニットツウィードのGジャン。

藍染めやインディゴ染めではなく、デニムの濃淡の色をカスリ染めというグラデーション状に糸を染める技術で表現した元糸を別注で作成しました。

さらにその元糸を使いスラブ形状などファンシーヤーンを別注で作り、デニムの綾織に見えるようにニットツウィードで編み上げた。

素材はコットンベースなので、春に限らず一年中着れて、まさにデニムそのもの。

 

でも、ニットだからカーディガンのようで、様々なレイヤード(重ね着)可能というのも嬉しい1枚です。

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続いて、先日のPARIS出張でアシスタントに買ってきてもらったフランスのワークウェア。

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日本の東急ハンズのようなDIYの店で売っていた作業着をスプリングコート代わりに。
こちらはいつもよりビッグサイズを選択、ガバっと羽織って先ほどのGジャンと合わせて着ています。

日本円で5000円以下というリーズナブルな作業着でも、ヨーロッパのワークウェア独特の鮮やかなブルーがスプリングコートとしてもピッタリな印象です。

 

最後はSHARKの腕時計。

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こちらは学生の頃に買ったものでここ数年つけることがなかったのですが、別の時計のベルトに交換してみたら、また違った印象になり、スタイリングのアクセントとして良い感じになりました。

こうしてみると時計のベルトを変えただけでも新しい時計を買ったように新鮮に見えます。

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以前から所有していたモノや愛着のあるモノをリペアしたりカスマイズしたり、その時の気分で変えていくのもWISE SPENDINGなのかもしれません。
僕たちは日々、新しいモノを生み出すために、糸を作り、ニットツウィードを開発し、新しいアイテムに挑戦しています。

その中には生産性が低く、モノ作りにおいても希少性が高い商品も多いかもしれません。

そんな徹底的にこだわって作られたCOOHEMを手にすることが、みなさんにとってWISE SPENDINGと思って頂けるように今日もモノ作りに真摯に向き合いたいと思います。

Director 大江

わざわざ行きたくなるSHOPとわざわざ買いたくなるブランド

「洋服が売れない時代」と業界新聞のみならず一般紙までが特集する今、こうした状況をファッション誌でも取り上げられることが多くなりました。

 

今、発売されているBRUTUSの表紙で目についた「価値ある買い物ってなんだろう?」のフレーズ。

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タイトルは「忘れられない買い物。行く理由のある店、出会った服。」というストレートな表現。

 

誌面では、様々なSHOPのディレクターやショップスタッフの考えるお店作りやこだわりが特集されています。

 

その中でとても気になった言葉がありました。

 

 

特集の始まりにあるイントロダクション。

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「欲しい服を手に入れたのに物足りないとしたら、あなたが満たしたいのは物欲だけじゃないのかもしれません。」

 

改めて「洋服を買う時の楽しさってなんだったのかな?」と考えさせられました。

 

 

誌面には最近できた話題のSHOPや著名人の忘れられない買い物体験エピソードなど読み応えのある内容でした。

 

ご存知の方もいるかと思いますが、僕もその昔は洋服屋の店頭に立っていました。

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昔の写真を披露するのは、気はずかしいですが。。

 

当時、あるセレクトショップのメンズクロージングを担当し、ビジネスマン、結婚式に出席するためにスーツを探されている方、就職活動で初めてスーツを購入される方など様々なお客様を接客させて頂きました。

 

特にクロージングではお客様の体型によりフィットするための「お直し」の技術も必要とされるため、自分のスーツもあれこれ試して練習したものでした。

 

オリジナルから高額なインポート商品までを扱うSHOPだったので、ブランドの背景や商品知識も必死に勉強しました。

この20代を洋服屋の店頭で徹底的に「服屋」としての経験を積んだことが、今のCOOHEMを立ち上げる際にとても支えになりました。

 

都心近郊の路面店だったので、自動的にお客様が入店するようなことはなく、常に「わざわざ足を運んで頂けるようにするにはどうすべきか?」と考えていた気がします。

 

今のようにECで簡単に洋服が買える時代ではなく、基本は接客をしてお買い上げ頂くというスタイル。

 

そこにはITでは越えることのできないコミュニケーションがありました。

 

僕自身も買うつもりがなかったのにSHOPの方と話をしているうちに盛り上がって買ってしまったこともあります。

 

無名のブランドでも接客の中で、そのモノづくりに感動してワードローブに加わった1枚もあります。

 

たとえ立地が良くないSHOPでも、時間が空いたらわざわざ足を運びたくなることやわざわざ買いたくなるブランドがある。

 

「洋服」といってもファストファッションからデザイナーブランドまで溢れるほどのモノがあるのは事実ですが、モノづくりをしている身としては、わざわざ足を運んで、わざわざ買いたくなるブランドでありたいと思います。

 

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僕たちにはまだ直営店がなく、全国の卸先SHOPと自社ONLINE SHOPでCOOHEMを販売していますが、昨年のPASS THE BATON表参道店や山形のとんがりビルでのイベントは、期間限定SHOPとして新しい商品の販売をしました。

 

遠方のお客様には、わざわざ足を運んで頂くには限界もありますが、今後もこうしたPOP UP  SHOPやCUSUTOMIZEイベントを企画していきたいと思っています。

 

それらのイベントを機に初めてCOOHEMを知った方も多いと思いますが、わざわざ買いたくなるブランドだと感じて頂けたら幸いです。

 

IT化という時代の流れには逆らえない部分もありますが、ヒトが「価値」を感じる瞬間は、わざわざ足を運んで、わざわざ買いたくなる商品、ブランドであり、手にした時の高揚感が体験となってその人の思い出の1つとなる。

 

そのために僕たちは1つ1つを丁寧にモノづくりをしていきたい。

 

Director 大江

2017年3月上海出張 〜SPIN EXPO〜

今回のDirector’s BLOGは、今月初めの上海出張について。

僕自身、2回目となった中国・上海にて開催された糸の展示会「SPIN EXPO」ですが、現在企画進行中の2018 SPRING&SUMMERの元になる原料を探してきました。

以前にもこのBLOGでも書きましたが、中国独特のカラーリングとニットのテクニックが提案されていました。

出展メーカーの方に聞くところ、日本からの来場者も少なくなってきているようでしたが、初日、2日目は来場者も多く、ブースのアポイントがとれないメーカーも多々ありました。

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ファンシーで立体的なテキスタイルが多く提案される中、原色使いのハッキリしたカラーリングは昨年同様にアジア特有のトレンドなのかもしれません。

フリンジや編地をカットしたテクニックも前回の秋冬の展示会同様に多く見られました。
カラーリングは別にして、糸の組み合わせやカットの仕方は参考になります。

中国に限らずですが、ニットで作るスポーツアイテムが世界的に注目される昨今、ファッションだけではなくヨガやリゾートウェアの提案も目立ちました。

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こうして見ると、ニットの可能性ってまだまだあるんだなと感じさせられます。

そうした提案の中で、Coohemとしていくつか面白い糸をピックアップできました。

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日本の一宮の技術も素晴らしいですが、中国メーカーには日本ではつくることができない機械を使用したものもあったりと、新しい発見がありました。
イタリアでできること、日本でできること、中国でできること、それぞれありますが、色々なものを見て、触って体感することで、糸(原料)を見る目を鍛えているような感覚です。

そういう点でモノづくりの奥深さをまだまだ感じた出張でもありました。

展示会の合間を見て、中国のマーケットをリサーチ。

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百貨店やショッピングセンターの中の現地ブランドのSHOPを回ると。。。

「赤」「黒」「ピンク」とウィンドウで提案されています。

そして、椅子まで「赤」と「黒」。。

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中国人が好きな色は、「赤」と「黒」で、「ゴールド」や「ピンク」など元気で縁起が良いカラーを好むそうです。
そうしたポイントも、世界の、日本の大きな流れとは異なり、現地に来ないと感じることはできないことなのかもしれません。

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急速な勢いで発展する「中国」というマーケット。

まだまだ日本のセレクトショップのような業態は少なく、ラグジュアリーブランドとファストファッションの両極しか目立ちませんが、中間層が増えてマーケットが成熟化し日本のセレクトショップのようなミドルマーケットができる日もそんなに遠くないかもしれません。

前回の上海出張でも感じましたが、「生産地」としての「中国」と「消費地」としての「中国」、これをどう考えていくのか?

日本のブランドにとっても課題になってくることだと思います。

今回の出張でサンプリングした糸たちがどう表現されるのか?

すこし先のお話ですが乞うご期待下さい。

Director 大江

洋服を着るということ。

東京もずいぶんと春らしくなってきつつある今日この頃。

 

重たいコートから軽めの春物アウターを、まだ肌寒さを感じながらも袖を通したくなる季節です。

 

今回のDirector’s BLOGは、最近感じている「洋服を着るということ」について。

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僕たちは、洋服を作ってそれを販売することを生業にしています。

 

世の中に色んな職業の人がいて、それぞれ必要としてくれる誰かがいるからこそビジネスが成り立っている。

 

最近のファッション業界は、グローバル化の波にのまれ、商品やブランド、SHOPの同質化によって以前ほど洋服が売れなくなったと言われています。

 

僕が前職のセレクトショップの店頭に立っていた当時と比べても様々なことが変化してきました。

インターネットで普通に買い物する時代。

人と人が顔を合わせて、会話し、そのコミュニケーションの中に新しい発見があったりして、思わず買ってしまったり。。

そんな体験は誰しもあるはず。

世の中ずいぶんと便利になりすぎたのか、そうしたことは少なくなってしまうのかもしれません。

そんな中で、先月行なわれた2017 AUTUMN&WINTERの展示会は、MEN’Sが本格的にスタートするシーズン。MEN’S&WOMEN’Sで開催する初めての国内展示会でした。

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MEN’Sの本格的なスタートにあたり、新規のお客様も多く、全国の地方のセレクトショップのバイヤーさんも多くご来場頂けました。

皆さんとお話をしていると、、

近年のBASIC回帰でシンプルなものばかりでSHOPに「色」がなくなっていた。

再び「個性の強い服」をきちんとご紹介していこうと思った。

などなど、皆さんがCOOHEMに求めているものを感じました。

この展示会を通してもそうですが、自分自身も改めて「洋服を着るということ。」を考えることが多くなりました。

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もちろん、着る服がなくて困ることはなく、10年前に買って未だに気に入って着ているもの、去年買ったばかりなのに何故だか今年はそういう気分になれないもの、いろいろですが、シンプルな服が流行っているから着てみるのも楽しいけど、ずっとそのままだと何だか楽しくなかったり。。

白Tシャツが流行って、なんとなく白無地のTシャツも着てみるのだけれど、今年はもう少し違う方が新鮮だったり、説明できるようで説明できない曖昧な「気分」的なものがあるのかもしれません。

ただ、「洋服を着るということ。」

 

それは、時代の、自分の「気分」を着るということなのかもしれないなと。

新しいアイテムに袖を通した時にワクワクするのは、少し新しい自分になれた「気分」にワクワクするのかもしれない。

今、スタッフによるCOOHEM BLOGにて「My Favorite Coohem」と題し、それぞれのお気に入りのCOOHEMをそれぞれがどのように着ているのか?皆さんにご紹介する連載を発信しています。

実際にCOOHEMを作り出しているスタッフが、日常の中で、どのように着こなしを楽しんでいるのか?

やはり、僕たちブランドを作り出している人達が、まずは「洋服を着るということ。」を楽しんでいることが重要だと感じています。

単純なことなようで、忙しく時が流れるこの時代には大切なことだと感じます。

「モノ」自体に共感を覚えににくくなっている昨今、されど「モノ」から派生する「ヒト」が発信するそんなストーリーに共感頂けるブランドになりたい。

Director 大江

「NEW TRAD ON THE STREET」で過ごす2017年春

久しぶりのBLOG更新となりました。

 

1月のパリの展示会を終え、2月初めの東京での2017年AUTUMN&WINTER展示会。

初のMEN’S&WOMEN’Sの国内展示会は新規バイヤーさんも多く、この秋冬からMEN’Sの商品も都内に限らずご覧いただけるお店も増えそうです。

さて、今回のDirector’s BLOGは、2017 SPRING&SUMMERのテーマ「NEW TRAD ON THE STREET」について。

NEW TRAD(新しいトラディショナルウェア)がON THE STREETってどういうことなのか?

90年代ブームやSTREET FASHION隆盛のファッションの世界。
スニーカーやロゴスウェットなど、これまで馴染みがなかった方も自身のファッションに取り入れることが多くなってきたことが多いと思います。

そうした流れの中でニットを中心として新しいTRADITIONAL WEARを提案してきたCoohemが少しだけ今のSTREET FASHIONの気分を取り入れたコレクション「NEW TRAD ON THE STREET」を提案します。

元々、スニーカーなどは展開していましたが、スタジャン、デニム、スカジャンなどのアイテムを春らしいニットテキスタイルで表現しています。

テーマカラーは春夏らしい、WHITEとNAVY。
潔いカラーリングとCoohemらしい素材感がキレイなラインナップとなりました。

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COOHEMはブランドスタートして以来、ブランドのベースにTRAD=TRADITIONAL WEARを軸に商品を展開してきました。

ニットブランドでありながら、いわゆるセーターのような「ニットらしいもの」よりも、ニットジャケットやライダースジャケット、ブルゾン、コート、ダウンジャケットやスニーカーなどある意味で「ニットらしくないもの」に挑戦し、そのデザインリソースをTRADなテイストに求め、色鮮やかでファンシーなニットテキスタイルでアウター類を中心にコレクションを構成しています。

このBLOGやCOOHEM BLOGでも何度か触れておりますが、下の写真は「絵本アイビーボーイズ図鑑」を始めとするアイビーファッションやTRAD STYELEのバイブルとも言える書物からインスピレーションを得ています。

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絵だけ見るとニットと何の関係もないスタイル、デザインですが、こうしたアイテムを作るためにニットテキスタイルの開発からスタートします。

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MEN’S&WOMEN’SでCOOHEM ONLINE SHOPや全国の卸先SHOPでも完売がしているのが写真のSTRIPE TWEED。

春夏のシアサッカーを思わせるテキスタイルが涼しげで、これまでのカラフルでファンシーなCoohemとは一味違ったシンプルさが新鮮な印象。

特にこの素材は、MEN’Sコレクションのために開発され、WOMEN’Sにも展開して少しMEN’Sライクでマニッシュな印象となりました。

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また、TRADなデザインとSTREETなアイテムをMIXしたコレクションとして、春夏なのにアウターが充実しています。

コットンのフワフワしたモールのスタジアムジャンパーや盛夏まで着れるスカジャンタイプ、デニムツウィードのGジャンなどブルゾンタイプでもこれだけのバリエーションを揃えました。

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春夏のアウターって着る時期が短いと思われがちですが、秋口に着ても自然な素材感を考えると、コットンベースのニットツウィードのアウターって実は一年で一番着る時期が長いのかもしれません。

肩パッドや裏地、袖裏もない、カーディガンのような着心地は、年間を通していろいろなスタイリングを可能にします。
時に布帛アウター・コートのインナーとして、暖かくなりだした季節にはそのままアウターとして。。

僕も、SPRING&SUMMERの素材感を秋口、冬に入る前の時期にストールを合わせたりやパーカーなどをレイヤード(重ね着)してよく着ています。

世の中、古着ブームやSTREET FASHIONが多く見受けられる中で、本物のスタジャン、スカジャン、Gジャンなどのアイテムに若干抵抗がる方も、COOHEMのニットでできたこれらのブルゾンならカーディガン感覚で、羽織ってみて頂けるのではないかと。

少しだけ時代の気分も取り入れつつ、自身のベーシックなワードローブにも合わせることができる。

そんなアイテムがNEW TRADと言えるのではないでしょうか?

そんな少しだけSTREET FASHIONのテイストが入ったCOOHEMの新しいTRADアイテムで、今年の春を過ごしてみるのもいいかもしれません。

Director 大江

同質化しないモノづくり

先週、パリの展示会を終え、いよいよ来週からは国内の展示会。

 

東京展に向けたサンプル作りもなんとか終え、国内初のCOOHEM MEN’S展示会の本格的なスタートとなります。

 

昨今のアパレル不況が新聞等のニュースになるなど、こうした問題を招いた要因の1つが「商品やSHOPの同質化」と言われています。

 

「同質化」と言うのは、SHOPも商品もどこも似たようなものばかりということ。

 

なぜ?こうした事態になるのか?

 

その答えは「モノづくり」「店づくり」のプロセスにあります。

 

僕たちCOOHEMはと言うと、皆さんご存知の通り山形の自社工場でデザイン、糸からテキスタイルを開発、パターンメイキング、縫製、仕上げを一貫して行なっており、糸やボタンなど洋服を構成するパーツ自体もオリジナルで作成することがほとんどです。

 

このプロセス自体が「同質化」とは程遠い。

 

手前味噌ですが、本当に時間をかけ多くの人の手をかけ、手間暇を惜しまず一所懸命にモノづくりをする。単なる後追いやコピーなどではなく、完全にオリジナルであることにこだわる。

これこそが、COOHEMがファクトリーブランドとしてのアイデンティティー。

 

そこで、そんなCOOHEMの具体的なモノづくりプロセスを見ていきましょう。

 

まず、企画がスタートする段階で登場するのが、ニットテキスタイル開発部門創設以来、先代から続く約40年間のニットテキスタイル(編地)、製品サンプルの膨大なアーカイヴスが眠る資料室へ。

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僕が入社以来、一通り目にしたはずなのですが、その時々で初めて見た新鮮さを感じるくらいの物量です。

 

予想していない新たな発見がいつもある場所。

 

そして、糸。

このBLOGでも何度かふれてきた糸探し。

イタリア、上海、一ノ宮と足を運び、目で確かめ、オリジナルの糸を作ることも多くなってきています。

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サンプリングの糸が届いたら、アレコレ組み合わせ、ニットテキスタイルの開発へと進みます。

 

この時点で具体的なアイテム、デザインのイメージはできつつあり、そこに近づけていけるかがニットテキスタイルの難しさ。

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何度も試編みしては、修正し、アレンジし、調節し、失敗し。。

 

1つのニットテキスタイルのベースができるまでに繰り返されるこのプロセスが最も大事であり、デザイナーとしては最も難しい部分です。

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ようやく完成したガーメントはパタンナーの手に渡り、ガーメント(生地)から「服」の形になっていきます。

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簡単に説明してきましたが、ここまで来るのにキズや編めないなどというトラブルが無いことはほぼ皆無。

 

それだけハードなモノづくりは、問題解決=クリエイションという方程式がピッタリだと個人的には思います。

 

さて、縫製され、最終の仕上げが完成した商品はというと、、、

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そう、「これってニットなの?」と感じるくらいアイテムの数々。

 

僕たちはニットの機械でニットでは誰も作ったことのないアイテムを、そして、この場所(工場)で、この人達(職人)と共にいるからこそできるモノづくりをしています。

 

そこには、可能性を無限に追求する純粋性と愚直な姿勢がある。

 

時代のトレンドや周囲の環境に翻弄され、紆余曲折、数々の失敗を繰り返し、進化を遂げてきた背景には、こうしたプロセスの中で携わる皆のモノづくりに対する想いがあり、それは日本人がこれまで培ってきた「モノづくりカルチャー」と言えるのではないでしょうか。

 

自ら足を運び、自らの目で確かめ、挑戦し、困難にぶち当たる。

それを乗り越えた時に新しいモノは生まれる。

 

ストリートが流行っているから、今年はオーバーサイズだよね、と流されたりすることもあるかもしれない。

「今っぽい」って不確実な、実は業界人の業界内だけの予定調和のような響きでは片付けられないプロセスがストーリーとなる。

 

答えは1つではないけれど、時代が変わろう変わらないプロセスがある。

 

 

同じような商品や類似するブランドは世界中であまり無いように感じます。良くも悪くも。。

 

なぜなら「同質化」とは程遠いくらいのプロセスを経て生まれているから。

やっとAUTUMN&WINTERの企画が終わったと思いきや、もうSPRING&SUMMERに向けた新しいストーリーが始まりつつあります。

 

Director 大江

MEN’S&WOMEN’Sで魅せるこれからのCoohem

皆様、新年あけましておめでとうございます。
本年もCOOHEMをよろしくお願い致します。

さて、お正月も明け、仕事始めの週を終え、一気にお正月気分から仕事モードになった方も多いのではないでしょうか。

この2017年、アメリカではトランプ大統領が誕生し、EU諸国で総選挙があるなど、世界は2016年から引き続く激動の年となりそうです。

今年でiPhoneが誕生して10年。
たった10年でここまで世の中変わるのか?と身にしみる今日この頃でもあります。

新年1回目のDirector’s BLOGは、「MEN’S&WOMEN’Sで魅せるこれからのCoohem」と題し、2016AUTUMN&WINTERにデビューを果たしたCOOHEM MEN’Sもこの春で2シーズン目となり、これからのCoohemがMEN’S&WOMEN’Sで新たなターニングポイントを迎えているお話です。

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このBLOGでも何度かふれていますが、このCOOHEM MEN’Sは2015年のTOKYO FASHION AWARD受賞がきっかけとなりスタートしました。

ブランドスタートして以来、フェミニンでポップな印象が強いCoohemにMEN’Sが??

と驚かれた方も多いかもしれません。

元々、僕自身、前職ではずっとMEN’Sを担当しており、以前はスーツに身を包みお客様にクラシックなスーツやネクタイ、ドレスシャツなどクロージングウェアを販売してきました。

縁あって、ニットメーカー・米富繊維株式会社に入社し、初めてWOMEN’Sを経験。
工場でベテラン職人にモノづくりのイロハを教わりながら、同時にWOMEN’Sのことも覚えていきました。

Coohemがスタートした当初はスタッフもほとんどいなく、まさに手探りでモノづくりをしていましたが、この6年という短い時間の中でトライ&エラーを繰り返しながらブランドらしさを追求して、今日に至ります。

古くからCOOHEMを知っている方はお気づきの方もいるかもしれませんが、WOMEN’Sのみを展開してきたこれまでの商品に密かにMEN’Sライクなディティールやデザインが表現されてきました。

例えば、Gジャンのボタンやツウィードスカートやワンピースに使っているファスナーなどなど。
副資材類はミリタリーやスポーツテイスト、トラディショナルマインド溢れるアンティークなものをベースに別注で作成したものだったり、毎シーズンMEN’Sでも展開できそうなライダースジャケットやMA-1ブルゾン、ネイティブ柄のコートやスニーカーなどが必ずリリースされてきました。

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本当はMEN’Sに挑戦したかった僕の想いがそうさせてきたのかもしれません。

そして、待望のMEN’Sがデビューし、WOMEN’S同様にニットジャケットをアイコニックなスタイルとして、これまでのWOMEN’S同様にニットツウィードを中心にブレザーやスタジャン、スニーカーまで展開しております。

日本国内では、UA&SONSとCOOHEM ONLINE SHOPでのお取り扱いのため、まだまだ「知る人ぞ知る」存在であります。

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「糸から別注で作り、それらを組み合わせて唯一無二のニットテキスタイルを開発する」ことによって完全にオリジナルのクリエーションとなる。

その点は、MEN’S&WOMEN’Sで展開することになっても変わりません。

ただ、MEN’S&WOMEN’Sで展開するニットテキスタイル、WOMEN’Sのみで展開するニットテキスタイルを分けて開発をしています。

その中で、MEN’S寄りに考えた素材をWOMEN’Sにも使用することにより、逆にマニッシュでメンズライクなCOOHEM WOMEN’Sが新鮮に見えたり、今まで通りポップで綺麗な色の女性らしいニットツウィードがCoohemらしくて素敵だったり。

WOMEN’Sにも新しさを生んでいるのです。

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MEN’Sのモノづくりをするようになって素直に感じることは、それぞれに良さや面白さがあり、またこれまでのブランドらしい部分を残しつつ、新しい顔を作っていける新鮮さがあること。

2017AUTUMN&WINTERより、ブランドロゴデザインをリニューアルし、本格的にMEN’Sの国内展開をスタートします。

日本国内では初の2017AUTUMN&WINTER MEN’S&WOMEN’Sのバイヤー、プレス向けの展示会を2017年 2/7〜2/10まで開催予定です。
ご興味ある方は是非、info@coohem.jpまでお問い合わせ下さい。

「MEN’S&WOMEN’Sで魅せるこれからのCoohem」に今後も是非ご期待頂ければと思います。

Director 大江

激動の2016年を振り返る

2016年も残すところあとわずか。

クリスマスを終え、仕事納めからの年末、お正月がもうすぐです。

この時期は本当に1年ってあっという間に過ぎることを実感する時期で、僕自身この2016年を振り返ると、おそらく人生で最も短く感じた1年でした。

1月のパリ、初めて単身で乗り込んだTOKYO FASHION AWARD受賞者によるショールーム「SHOWROOM.TOKYO」、テロの緊張もままならない当時のパリはいつものファッションウィークの賑やかさが感じられず、静かなものでした。

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続いて2月、アメリカ・ラスベガスにてUA&SONS ディレクターの小木”POGGY”基史氏プロデュースの「POGGY’S WORLD」に参加。

こちらも単身で乗り込み、ロサンゼルスの空港でカルネ手続きに手惑い、人生で初めて飛行機に乗り遅れるというアクシデント。。

疲労もMAXでどう対処しようかと迷っていた際に、たまたま居合わせたJALの職員の方にヘルプして頂いたことも懐かしい思い出です。

この出張では一人ということもあり、COOHEMの今後について、MEN’Sの在り方について見つめ直す良い機会だったと思います。

そして、3月、パリ「TRANOI」出展。

ここでの思い出としては、僕の古巣であるセレクトショップの創業者である方に初めてCOOHEMのオーダーを頂けたことが素直に嬉しかったです。

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3月19日にはTOKYO FASHION AWARD凱旋イベントして、TOKYO FASHION WEEKに初参加。
ブランド初となるインスタレーションを渋谷ヒカリエにて開催しました。

いわゆる「囲み取材」というものを初めて経験して、緊張したのを覚えています。

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4月は、IFFに出展。「Coohem」と「米富繊維」を初めて合同で見せるということに挑戦しました。
普段は「ブランド」として物事を考えることが多いですが、「企業」としてどうあるべきなのか?考え方が変わってきた頃だったと思います。
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5月はPASS THE BATON京都祇園店にてCOOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEEDイベントを開催。
関西初開催ながらもとてもたくさんのお客様に来て頂き、お店の雰囲気にも合って楽しかったなと。
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その後、地元・山形での初のイベント開催。
「地元のファンを作る」ということや、普段は展示会やイベントを見ることができない本社工場のスタッフに対してもこのような機会を持つことは重要だと感じました。
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6月は、ほぼ半月が海外出張というスケジュール。

フィレンツェのPITTI UOMO視察からファンシヤーンメーカー巡り。
ミラノでのリサーチを経て、そのままパリへ。
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パリの「SHOWROOM.TOKYO」では、イギリスのEU離脱問題などで混沌としたファッションウィーク。
COOHEM MEN’Sも2シーズン目で徐々に形になってきた頃でした。

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7月はいよいよ待望のCOOHEM MEN’Sがデビューしました。

UNITED ARROWS原宿本店UA&SONSのB1にてPOP UP SHOPにてスタートしましたが、シーズンを通して順調にお買い上げ頂けたようで、熱心なショップスタッフの方に感謝です。
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8月は、一宮出張、そして初の中国・上海でのSPIN EXPOの視察。
これまで想像でしかなかった中国というマーケット、生産地としての中国、消費地としての中国の今後の可能性を実感した出張で貴重な経験だったと思います。

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9月は、山形ビエンナーレに初参加。2年に1度のアートイベントにて米富繊維株式会社として、Coohemとして参加。アートイベントの中で見せるCOOHEMの可能性など今後のブランディングを考える上でも、様々な幅を持って見ていきたいと思いました。

この時の人生初のトークイベントでも、たくさんの方がご来場頂き人前でこれまでの軌跡をお話しするのは緊張しましたが「言葉にして伝える」ことも発信の一つだと実感できた機会でした。

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この時期、パリの「TRANOI」にも出展しましたが、僕自身は久しぶりに地方営業に行きました。
大阪、神戸、名古屋、静岡、山梨と個性あふれるオーナーさんのSHOPを求めて。。

その後、10月はCOOHEMの東京の展示会。

続く11月はCoohem初の雑貨ラインの「COOHEM KNIT TWEED LIFE」イベントをPASS THE BATON表参道店にて開催。
ウォレットやノート、ポーチなどクリスマスまでの1ヶ月間、たくさんのお客様にご覧頂きました。
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12月は、米富繊維株式会社がニットメーカーとして出展しているJAPAN BEST KNIT SELECTIONがありました。
この展示会でも「Coohem」と「米富繊維」を同時に並べることによる「企業」としての見え方に挑戦しました。現在、進行している「企業ブランディング」の成果も少しずつ出てきた手応えを感じました。

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1〜12月までの出来事を写真とともに振り返ってみましたが、Coohemに限らず米富繊維としてもこの2016年はまさに「激動」の年だったなと。

消費増税の延期やイギリスのEU離脱問題、アメリカ大統領選挙など国内外を問わず激しく変化する時代、ファッション業界では「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」などと洋服が売れなくなってきている大不況。

そんな「激動」の中、COOHEMの2016年はこれからの5年、10年先を考えた時の小さな一歩を踏み出した年でもありました。

MEN’Sのスタート、雑貨ラインの立ち上げ、地方での発信と顧客作り、海外ビジネス。

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「激動」の2016年に蒔いた小さな種が、来年以降少しずつ芽を出し、近い将来大きな花を咲かせられたなら、激動でありながら、メモリアルな年として語り継がれることを願って。
皆様の2016年はどんな年でしたか?

本年も大変お世話になりました。

 

良いお年をお迎えください。

Director 大江

Merry Christmas from Coohem

今年も残すところあと数週間。
今週末はいよいよクリスマス。

クリスマスが土日なので、家族や友人と一緒に過ごせる方も多いかと思います。

現在、PASS THE BATON表参道店にて開催中の「COOHEM KNIT TWEED LIFE」も盛況で、いよいよ今週の日曜日、12月25日までとなりました。

今回のDirector’s BLOGでは、僕自身が買った商品とクリスマスギフトにおすすめのアイテムをご紹介したいと思います。

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11月23日からスタートして以来、カードケースやポーチ、パネルがとても人気です。
パネルに関しては想定より早いスピードで売れていくため、合計3回の追加投入をしたほどでした。

私は自分用にVIMAR TWEEDのウォレット(財布)とPAISLEY TWEEDのカードケースを購入しました。

こうして色目を同じにして持つのもいいかなと。

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自分でも普段からこうした小物を使ってみて感じること。

ニットで作ったテキスタイルだから、持つ手触りが微妙に柔らかく、優しい。

それでいて圧倒的な存在感のある色や柄。

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カードケースでは、そこから話題が広がったりとビジネスシーンでの一コマが明るくなります。

ブランドネームが表に出てなくても、そのブランドとわかる特徴。

自分で作っておきながらですが、COOHEMのニットツウィードの可能性ってすごいなと。

やっぱり糸を作り、素材(生地)を作り、完全にオリジナルである「素材作り」がなせる業なのだと実感します。

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ウォレット(財布)も合計12枚のカードが入るスペースもあり、海外でも現地通貨と日本円を分けて入れられることも魅力的です。

僕は海外出張が多いので、重宝しそうかなと。

女性っぽいテキスタイルもありますが、色目によっては男性でも使えます。
エルメスのプリントのネクタイのように、カワイイと女性受けが良いのも特徴かなと。

特にファッションやアート、デザイン関連のお仕事をされている方に人気があります。

そして追加投入したデッドストックの糸を使ったマフラー。

Coohemファンのお客様には、見覚えがある方も多いのでは。。

3年前の2013 AUTUMN&WINTERにリリースされたアランセーターに青いポンポンがついたアレです!
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なかなかローゲージのマフラーでこうしたコーディネートのアクセントになるものはないので、11,000円(税抜)という買いやすい価格も魅力的です。

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どうしても冬のアウターやダウンジャケット、コートは黒やネイビーなど落ち着いた色目が多くなるため、このポンポンマフラーやツウィードマフラーを差し色として使っていただけると良いのかなと思います。
今後も少しずつ新たなアイテムをラインナップに加えていきたいなと。

COOHEMの小物やマフラーで楽しいクリスマスをお過ごし下さい。

Director 大江

ブームで終わらせない「Made in Japan」

昨今、「Made in Japan」が業界では騒がれています。

 

アジアを中心とする外国人観光客によるインバウンド需要や、シュリンクする国内マーケットから飛び出し世界に発信するためだったり。

ある大手セレクトショップでは、都内の旗艦店を「Japan」をテーマにした品揃えにリニューアルしたり、大手アパレルではこぞって「Made in Japan」をテーマにしたラインを立ち上げたり。

東南アジアに全館「Made in Japan」の百貨店ができたり、雑誌も「日本のいいもの」「匠の技」「地方から世界へ」をテーマにした連載や特集が組まれるこの頃。

 

ブランドの方もどんどんも「Made in Japan」を掲げて出てくる。。

 

一方で、ファッション業界では、90年代半ば頃から海外生産比率が高くなり、今、国内で流通しているほとんどの洋服が海外生産です。

 

いずれも皆でこぞって「Made in Japan」するので、それ自体が「ブーム」化し、それ自体が独自性をなくして「同質化」していく。。

 

そして、次の「ブーム」を探し、皆と同じ方向を向き同じことを繰り返していく。。

 

シンプルにどう「Made in Japan」するのか?なぜ「Made in Japan」するのか?が抜けているからかもしれない。

 

 

 

そんな中で、先日、日本全国のニットメーカー、カットソーメーカー、靴下や編機メーカー、紡績、撚糸、糸商が集まるJAPAN BEST KNIT SELECTIONという展示会が開催されました。

 

COOHEMの母体である米富繊維株式会社も去年に引き続き、ニットメーカーとして出展しました。

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この展示会にはCOOHEMの過去のサンプルも展示、OEMやODM取引先に対する提案サンプルとともに企業として、ニットメーカーとしてご来場されたお客様に進化しつつある「今」の米富繊維をご覧頂きました。

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これまでこうしたニットメーカーの合同展示会には、COOHEMのサンプルを並べたことはなく、あくまで編地開発資料などを並べ、「COOHEMはブランド」「それ以外のOEM、ODMは素材やテクニックの提案」という解釈で分けて考えてきました。

 

なぜ?このタイミングでCOOHEMのサンプルを並べたのか?

 

その答えは、「Coohem」というブランドも手がけるニットメーカーであることを、業界の中でもっとたくさんの方に知って頂き、米富繊維の企業ブランドの価値向上を図っていくためです。

 

 

僕がCOOHEMをスタートした頃は、今ほどファクトリーブランドの数も多くはなく、まだまだ「ブランド」の世界では「ファクトリー」であるということが価値として認められにくい時代でした。

 

それだけ業界の人にとっては、「ブランド」自体が特別なもので、「イメージ」が最優先されてきたことも影響していたと思います。

 

「海外ブランド=カッコイイ、ドメスティックブランド=それなり」的な考え方が強かったような気がします。

 

僕自身も、服屋になった頃は、ショップオリジナルの商品よりもインポートの商品がカッコイイと思っていた時期がありました。

 

そんな今となっては、ある意味で古き良き時代。「ブランド」という言葉で何でも片づけられた時代から時は過ぎ、時代は大きく変わろうとしています。

 

「ブランド」や「イメージ」だけでは今のお客様の心には響かない。
裏打ちされた技術や歴史などの背景と、そこに携わる人達のストーリー、それが商品に表現されていることが大切なのだと思います。

 

そもそも、このファッションの世界は、トレンドによって大きく業界が動くシステムの中である種の「ブーム」を作りだがる傾向があります。

 

スニーカーブーム、オーバーサイズブーム、ユニセックスブーム、◯◯ブーム。。。

 

「ブーム」とは時代の気分を表すものなので、それ自体を否定することは違うけれど、本質的に大切なことやこれから先大事にしたいことは一過性の「ブーム」で終わらせてはいけないのではないか?

 

日本で作れば何でも良いものとは決して言えません。
海外生産の方が優れているものも多いのが現実。

 

「Made in Japan」だから無条件に良いものではなく、日本人が日本という国で地道にかつストイックにモノづくりに向き合い、丁寧かつ繊細に、細かいところ、目に見えないところにまで気を配り、確かな品質で作り上げる。

そして、その商品をより良く見せるためのビジュアルだったり、WEBだったり、イメージを作っていくこと。

そういう部分を大切にしたい。

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海外でビジネスをするようになって、改めて僕自身が気づいた「Made in Japan」の可能性と自社の目指すべき方向性。

 

ヨーロッパのメゾンブランドの多くは、長い歴史の中で自国の、自社のモノづくりに誇りを持ち続け、老舗が「ブランド」へと進化を遂げました。

 

 

僕たちが日本でモノづくりをしていて、母体が創業64年のニットメーカーだからではなく、ブームで終わらせない「Made in Japan」で「Made by ◯◯」を追求、ヨーロッパの彼らのように、先人達の想いや歴史にリスペクトしつつ、時代に合わせた進化をし続ける。

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そして、

COOHEMは、受け継がれた歴史と技術の上に成り立つ進化に挑戦する日本の、日本人のモノづくりカルチャーを発信するブランドでありたい。

 

Made in Japan

Made by Coohem

Made by Yonetomi

 

Director 大江

「都市」と「地方」とファッションと

表参道のPASS THE BATONにて先行スタートした「COOHEM KNIT TWEED LIFE」ですが、12月2日より3日間、僕たちのベースがある山形でのイベントを終えました。

 

今年5月のCUSTOMIZE KNIT  TWEEDに続き山形市七日町の「とんがりビル」にて開催。

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この「とんがりビル」は、カフェやデザイン事務所、スタジオ、家具屋などが入居する山形のクリエイティブな発信基地として注目されている場所です。

 

毎回、ギャラリースペース「KUGURU」では、様々なアートイベントが開催されております。

 

近場でこうした発信をするスペースがあるっていいですよね。

 

もちろん東京では、そこら中で様々なモノやコトが発信されているわけですが、情報過多の時代では、調べるだけで一苦労。

 

もともと発信源が少ない「地方」の方がセグメントされた情報をキャッチしやすいのかもしれません。

 

 

今回の「COOHEM KNIT TWEED LIFE」では、Coohem初の雑貨アイテムとデッドストックの糸を使用したマフラーやニットキャップなど通常展開していない商品も取り揃えました。

 

また、COOHEM MENS & WOMENSの最新コレクション2016AUTUMN&WINTERも展開しました。

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土地柄か、寒い冬にピッタリなマフラーストールが人気商品となり、カードケースやポーチでは完売する色もありました。

 

前回のCUSTOMIZE KNIT  TWEEDイベントでオーダー頂いたお客様がご自身のカスマイズクラッチバッグを持って財布を買いに来てくれたり、徐々に地元のCoohemファンのお客様が増えてきた実感がしました。

 

遠くは秋田や東京からお越しくださったお客様もいてとてもありがたく感じます。

 

今年、この山形で開催したイベントや初参加した山形ビエンナーレを終えて思うことがあります。

 

「地方」でファッションを売ることが難しい。

 

 

これは、業界のあらゆるところで聞こえてくること。

 

地方出張した際に個店さんからも、展示会で接客したバイヤーさんからも、また他ブランドの営業さんからも。。

 

 

僕自身もそう思っていた時もありました。

 

 

ファッションは「都市」でしか売れない。

 

 

人の数自体が違うので一概に論じることはできませんが、果たして本当にそうなのか?

 

「都市」は感度が高くて、「地方」は感度が低いということはなく、むしろ「地方」の人の方が豊かなライフスタイルだったりします。

 

住む家のスペースは比較的「都市」よりも広く、地場の美味しい食材にも恵まれている。

 

これまでは「情報」格差があって、どうしても「最新」のものは「都市」に集中していました。

 

今はインターネットで世界中どこでも同じ瞬間に同じ情報をキャッチできる。

 

 

そんな時代の中で、COOHEMは山形でも発信を始めてみました。

 

期間限定ではあるけれど、たくさんのお客様が足を運んでくださった。

 

大事なことは発信の仕方で、無理に合わせる必要もないけれど、少し敷居の高さも持ちつつ、足を運んでくださるその土地の人達にも取り入れやすい商品もご用意する。

 

最新のファッションではなくても、密かに憧れて、いつか所有してみたい願望は必ずあるはず。

 

そんなことを感じさせてくれたイベントでした。

 

都市でも地方でも、パリでもニューヨークでも、変わらず僕たちは「発信」を続けいきたい。

 

Coohemファンやこれからファンになってくれるであろう人達のために。

 

Director 大江

 

〜ニットツウィードのある生活〜

先週、東京にも初雪。

 

アウターが手放せない季節の到来は、暖かいニットも手放せませんね。

 

11月23日より東京・表参道のPASS THE BATONにてCoohem初となる雑貨のラインが立ち上がりました。

 

その名も「COOHEM KNIT TWEED LIFE」。

 

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ブランドスタート時から今日まで開発してきたニットツウィードアーカイヴスが財布やカードケース、ノートにポーチと普段の生活のあらゆるシーンで使えるアイテムに生まれ変わりました。

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これまで「COOHEMのジャケットはカワイイけど、着ていく場所がない」と嘆かれていた方も取り入れやすく、手に届きやすい雑貨達。

それぞれ、10種類のパターンがあり、数あるバリエーションの中から選ぶ楽しさがあります。

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布帛とニットツウィードのコンビになったバッグも、季節を問わずセカンドバッグとして通年使えます。

今回は秋冬らしいネルシャツとのコンビネーションも登場しました。

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もはや定番とも言えるCOOHEMのクラッチバッグ。
今回ご用意したのは、CoohemとPASS THE BATONのダブルネームで、PASS THE BATONスタッフによるカスタマイズされたクラッチバッグの数々。

組み合わせがお店にとても良く合ってました!

そして、過去のPASS THE BATONでのイベントで大好評だったファンシーヤーン(意匠糸)の販売も!
Coohemが日本で別注で作成したファンシーヤーンは、いわゆる手芸糸屋さんではほとんど販売していないものが多く、工業用のコーンの状態で販売しています。

編み物をしない方でもインテリアのオブジェとしてお買い上げになる方が多いようです。

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また、お客様のリクエストにより今回初めて正式リリースとなったニットツウィードアーカイヴスのファブリックパネル。

大きさがSMALL、MEDIUM、LARGEの3種類あり、SMALLを並べて飾ったりしても楽しいです。スタートして4日間で、ほぼ完売に近い状態となり、ただいま追加生産中です。

今しばらくお待ち下さい。

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初日の23日の午後、私も久しぶりに店頭に立って接客させて頂きましたが、前回のCUSTOMIZE KNIT TWEEDから継続してご来店された方や楽しみにして下さっていたお客様も多く嬉しく思いました。

COOHEMはファッションブランドとして、ニットツウィードという唯一無二の素材をあらゆるアイテムに落とし込んで表現してきましたが、このCOOHEM KNIT TWEED LIFEでは、生活のあらゆるシーンで使えるアイテムを展開し、ニットツウィードのある生活を提案していきたいと考えています。

ファッションの早い流れの中では常に新しいスタイルを追求し続けるわけですが、1つのニットツウィードを開発するために費やす時間は、途方もなく長い道のりです。

時代性を表現していくウェアと相反するようにこれらの雑貨においては過去のニットツウィードであってもロングサイクルでそのクリエーションの持つ価値を自分たちも再発見したいと考えています。

〜ニットツウィードのある生活〜

見ているだけで楽しくなる。手に持っているだけで嬉しくなる。

そんな気持ちにさせてくれるCOOHEMの雑貨たち。

女性にも、男性にも、ギフトとしても、自分へのご褒美としても。

PASS THE BATONでの開催は12月25日まで。

また、僕たちの本社工場がある山形では、今週の12月2日(金)〜12月4日(日)の3日間、前回と同様に七日町の「とんがりビル KUGURU」にて同時開催します!

現在、急ぎで作っているマフラーなども合わせて今週末は、

東京は表参道へ

山形は七日町へ

是非、足を運んでご覧になってください。

Director 大江

Coohemはなぜ糸を探し、糸を作るのか?

11月も中旬となり、いよいよ今週からは新しい雑貨の提案「COOHEM KNIT TWEED LIFE」が始まります。

ブランドを立ち上げてから、展示会以外にこうしたPOP UP SHOPやコラボレーションを発表してきましたが、これからの時代は卸主体のブランドであっても様々な角度でお客様やマーケットに対して「ブランド」を発信していくことが必要だと感じます。

 

このDirector’s BLOGやスタッフが書き綴るCOOHEM BLOGもそうですが、単純にシーズン商品のご紹介だけではなく、モノづくりの裏側だったり、それにかける想い、それぞれのスタッフが過去の商品を含めてどのようにCOOHEMを着ているのか?などなど。

 

伝えるべきコンテンツを持ったブランドとして、今後もCOOHEMを取り巻くあらゆるヒト、モノ、コトをご紹介していきたいと思います。

 

 

今回のDirector’s BLOGのテーマは、COOHEMはなぜ糸を探し、糸を作るのか?

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写真の糸は、これまで作成したCoohem別注オリジナルのファンシーヤーン(意匠糸)。

多くは愛知県・一宮市の紡績、撚糸工場とのコラボレーションによって作成された糸たちです。

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今年3月のTOKYO FASHION AWARD凱旋イベント・インスタレーションで展示したこの糸は、2016 SPRING&SUMMERで大好評だったSPRING PAINT TWEEDの核となったCoohem別注糸。

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通常、1つのニットツウィードを作るのに5種類ほどのファンシーヤーンを組み合わせて作るのですが、毎シーズン、新しいニットツウィードを作るためには、その元となる「糸」を探し、「糸」を作ることが必要になってきます。

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ただでさえ複雑かつ予測不可能なCOOHEMのニットツウィード作り。
「色」を組み合わせて、新しい「色」を作るようなプロセスは、編んでみないと誰にもわからないほど複雑なモノづくりです。

毎回使う糸の形状、色が異なるため、何度もトライ&エラーを繰り返し、自分たちのイメージに近づけていく。

冷静に考えると気が遠くなるようなプロセスを日常的に取り組んでいるんだなと我ながら思います。。

 

なぜ、そこまでオリジナルにこだわるのか?

 

その問いに対しての答えは、徹底的に試行錯誤した末に生まれたニットツウィードが、新しいアイコニックな商品となり、マスターピースとなって国内外で評価を受けてきたという事実があるから。

 

オリジナルの糸作りには失敗もつきもの。
上手く表現できずにお蔵入りになってしまったものも数知れず。。。
数年後に思い出したように引っぱり出して、日の目を見たものなどもあり、ファクトリーがあるからこそできるモノづくり。

 

イタリアの糸、日本で作った別注糸、生産地を限らず、糸レベルでカワイイ、カッコイイものは、その他の糸と組み合わさってもやはりカワイイ、カッコイイものとなります。

 

 

それだけ原料、ニットの場合は「糸」が持つ力は大きい。

 

 

ニットデザイナーにとって、良き仕入先、良き糸との出会いは、商品作り、ブランド作りにおいても重要な要素です。

 

今年は、イタリア、そして中国、日本の一宮とそれぞれの背景を見て回り、それぞれの生産地の違いや特徴を感じた一年でした。

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イタリアのファンシーヤーンの色鮮やかさ、絶妙な色の組み合わせは世界一。

世界のトップメゾンのテキスタイルやニットがイタリアの糸からできているという事実はこの「色」によるものだと感じます。

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初めて訪れた中国の展示会は、規模感がダイナミックで、アジア独特の色使いのファンシーヤーンが多いのが特徴でした。

こうしてみるとお国柄もあり、糸ひとつとっても色んな顔があります。

 

 

その昔、多くのデザイナー達は自分で糸を探し、糸を作り、色を染め、商品をデザインしていた。

時代が便利になり、あらかじめストックされた糸、あらかじめ染められた糸、編地にして提案され、製品として形(デザイン)も提案される時代の中で、COOHEMは完全にオリジナルであるがために逆行したようなモノづくりなのかもしれません。

 

似たようなブランドや商品、店が多く、お客様のファッションに対する憧れや感動が薄くなってきたと言われる昨今ですが、同質化している要因はモノづくり、店づくりが同質化しているから。

 

 

他にはないオリジナルの商品を初めて見たときの感動は、糸から素材作り、デザインに至るこうしたプロセスから生まれてくるのかもしれない。

 

 

誰もやっていないことをやろうとする。

 

簡単なことではないけれど、一つのマスターピースが生まれた瞬間は、モノづくりに携わる人間として最もやり甲斐を感じる瞬間でもあります。

 

 

COOHEMはなぜ糸を探し、糸を作るのか?

 

 

完全に「オリジナル」であるがために、COOHEMは糸を探し、糸を作り続ける。

 

Director 大江

人生におけるワードローブとは?

すっかり寒くなり、ニットを着るのにちょうど良い季節となりました。

 

地域によって差はあれど、秋の終わりから冬を通して、ニットアイテムは重宝します。

 

さて、今回は「人生におけるワードローブ」をテーマに最近感じていることを。

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季節の変わり目、急に気温が寒く(暖かく)なってきた頃に、衣替えをして自分のクローゼットを見返すことがあります。

 

ニットは秋冬がメインになりがちですが、年間を通して温暖化している昨今ではコットンのミドルゲージからローゲージのニットは通年で着るシーンが多くなっている気がします。

 

この「衣替え」、なかなかタイミングが難しいのですが、服を入れ替えたりしている最中に忘れかけていた「お気に入りの1枚」の存在に気づいて嬉しくなったりします。

 

そういう意味では、いわゆる「タンス在庫」ってたくさん持っているものですね。。

 

なぜ?忘れかけていた「お気に入りの1枚」に嬉しくなるかといえば、今年買ったものと合わせればまた違った着こなしができると気づいた瞬間があるから。

 

前から持っていた自分のものなのに、なんだか得した気分になるのです。

 

僕は仕事柄、一番持っているアイテムはシャツとニットかもしれません。

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ニットの仕事をしているから、昔着ていて今ではサイズ感が合わないものや、今のトレンドではないものでも捨てられなくて参考までに手元に置いているのも多いです。

 

ジョンスメドレーやクルチアーニ、古着のジャカードセーターやCoohemにメンズが無かった時代に自分用に作ったExclusive Modelなどなど。
最近「ワードローブって何だろう」と考えたりします。
ワードローブを見返すと、洋服を通して自分の生きてきた時代を感じることがある。

だからワードローブって、その人の「人生」そのものかもしれないと。

 

洋服を買うのが好きな人、普通な人、そんなに好きじゃない人誰にでもワードローブはある。

数万円のデザイナーブランドのものもあれば、古着屋で買った数千円のものもある。

ファストファッションのアイテムもあれば、誰かにプレゼントされたアイテムもある。

 

その1つ1つは値段やブランドじゃなくて、その人にとっては同等の価値があるのだと思う。

 

僕たちは洋服を作って販売することが仕事で、お客様にはたくさん買って欲しいのは事実だけれど、モノづくりしていて思うのは、時間と手間を惜しまず悩み抜いた末にカタチにできた商品を末長く着てもらいたい。

 

そのためにCoohemではシーズンに限らず、ニットの修理を受けつけています。

大切に、末長く着て頂くために。

 

この秋の衣替えでは、ここ数年間は着ていなかったローゲージのタートルネックのニットが気になった。

会社に行くと。。

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偶然にもスタッフもローゲージ。

寒い地域だからではなく、みんなの「人生のワードローブ」の中に大切な1着としてローゲージニットがあったのだと感じた。

 

留学先の古着屋で買ったニット。

母親からクリスマスにプレゼントされたニット。

父親の営むニット工場でオリンピック選手のユニフォームを手がけた時に、記念として譲り受けたニット。

 

それぞれの人生を刻んだ洋服は、その人のワードローブとなる。

 

COOHEMも皆さんの「人生のワードローブ」の1枚になれるように、今日も明日もモノづくりは続きます。

 

Director 大江

「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」でもオシャレ心を忘れない

食欲の秋、ファッションの秋、読書の秋。

 

ということで、最近読んだ本を通して僕が感じた今の時代感について。

 

先日、ネットで衝撃的なタイトルの本を発見!すぐさまネットで購入して読んでみました。

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「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」

 

ファッションを生業にしている僕にとっては、なんとも言えないタイトル。。

 

肝心の本の内容としては、ここ数十年で変化した消費者の心理。

車を買わない、家を買わない、服を買わない若者たちの台頭や少子高齢化、地方と郊外の疲弊などなど、今の日本が抱える問題をわかりやすく解説されていました。

 

シェアリングエコノミーという言葉に代表される「シェア(共有)する感覚」は、ファッション業界でも注目されており、自社商品をレンタルするサービスも数社で出てきています。

 

ブランドよりも古着にオリジナリティを感じ、皆と同じトレンドを身に纏うよりも一点物などに差別化欲求を求める。

 

モノと情報が溢れた世界の中で変化してきた消費者の心理が、読んでいるうちに自分も一消費者として実感できました。

 

こうした世の流れは、まぎれもなく事実であり、こうした流れの勢いを止めることはできないでしょう。

 

そういう意味で改めて今の時代感を客観視できた一冊でした。

 

 

続いて、書店で見つけた貧しい国に暮らしながらオシャレ心を忘れない人達「サプール」について書かれた「THE SAPEUR」を読みました。

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この「サプール」とは、コンゴ共和国の首都・ブラザヴィル郊外にあるバコンゴ地区を拠点とする、「エレガントであることにすべてを捧げる」″サップ″と呼ばれる美学を持ったファッショニスタ集団です。

写真では伝わりずらいのですが、色とりどりのスーツに身を包み、週末になると思い思いのスタイリングで街に繰り出すそうです。

 

オシャレなスタイリングだから誰でも「サプール」になれるのではなく、紳士としてのルールと教養を身につけ、精神的な豊かさを追求すること、内面、外面ともエレガントであることが「サプール」になれる条件。

 

また、年長者のサプールから「サプールとは何たるものか?」という倫理観や着こなしのルール(1度に3色以上の色は使わない、シャツは基本的に白など)を受け継がれていくとのこと。

 

まるで15年から20年前の日本のセレクトショップみたいですね。

 

僕もその昔、先輩方よりあらゆる「服屋」としての倫理観や着こなしのルールを教えて頂きました。

 

・実年齢より5歳上に見える立ち居振る舞い

・スーツを着るときは黒髮、黒靴

・服のニュアンスでスタイリングを考える

・基本に忠実であれ

 

などなど。

 

今思うと、こういう環境で仕事が出来て大変恵まれていたと思います。

 

オシャレであることに全てを捧げるサプールのように情熱を持って服と向き合っていた時代。

 

同じタイミングで対局にあるような2つの本を読み、どちらも今、そしてこれからの時代を考えた時に大事なメッセージが書かれた本だったと思います。

 

 

「ファッションの優先度が高くない時代になった」と色んな方との会話で聞こえてきます。

 

そんな今、「サプール」の彼らのように、自分達がオシャレ心を忘れないことが大切だなと。

 

 

そこで、この秋、僕が購入した洋服をご紹介。

 

COOHEM MENSのグレンチェックツウィードジャケットにAcne STUDIOSのダンガリーシャツ、CARVENのシャンブレーシャツとYAEKAのチノーズ、COOHEM MENSのケーブルニットとSTANDARD OF COOHEMのスウェットシャツなど。

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それらにお気に入りのシューズを合わせる。

スニーカーはハイテク、ローテクどれでも、たまにはレザーシューズも合わせたい。

 

色々考えていくのは楽しい。

既に何年も前から着ている手持ちのアウターやジャケットと合わせてみても良い。

 

などなど。

 

 

「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」によると、毎日同じ服、スタイリングにしたい人は「コーディネートを考える時間を短縮化し、意思決定を1つでも減らしたい」から同じ服にしたいとのこと。

 

それ自体、何も否定はできず、そういうスタイルがあっても良いのかもしれません。

 

ただ、「選ぶ楽しさ」や「悩む楽しさ」だってあるかなと。

 

「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」でも、オシャレ心は忘れない「サプール」を見習いたい。

 

Director 大江

 

ニットでツウィードをデザインすること

長い日本の夏も終わり、あっという間に秋が過ぎようとしているこの頃。

ようやく秋冬のワードローブに衣替えした方も多いかと思います。
このところ天候不順なんて言葉では簡単に置き換えられないくらい、季節と気温のバランスが難しいですね。

そんな中、Coohemでは2017 AUTUMN&WINTERの企画が真っ只中。

ファッション業界で働かれている方は当然ご存知ですが、1年後のシーズンを考えるのがこの仕事。
モノを作るのには多くの人の手と時間を要するのです。

POP UP SHOPでお話したCoohemファンのお客様や卸先での商品説明会の際にスタッフの方に「どうやってああいう色を考えているんですか?」「毎シーズン新しいテキスタイルを開発するのはどういうところから考えつくのですか?」と質問されることがあります。

その質問に対する答えが、今回のDirector’s BLOGは「ニットでツウィードをデザインすること」について。

ニットは「糸」からできており、ニットデザイナーにとって「糸」のセレクトからデザインが始まるといっても過言ではありません。

このBLOGをご覧の方は、イタリアのPITTI FILATIや上海のSPIN EXPO、一宮での別注糸作りなどCoohemが「糸」を探し求め、その「糸」を組み合わせて完全オリジナルのニットツウィードを作ってきたことはご存知だと思います。

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最近では、様々な「糸」の展示会でピックアップしたモノ以外に、Coohem別注カラーや「糸」そのものを別注で作成することが多くなっています。

作るアイテムをイメージしながら、最適な配色、番手、混率を追求していく過程でこうしたモノづくりに進化してきたのかもしれません。

次に重要になるのが「色」。

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「色」に関しては、出張中に気になった風景やモノを写真に収め、そのイメージを参考にすることが多いです。

Coohemでは、カスリ染めと言われる何色もの「色」をグラデーション状に染める手法を使うことが多いのですが、完成された風景やプロダクトを参考にする方が最終的にイメージに近づけられるためです。

「色」に続いて「柄」のベースも重要です。

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旅先で出会った古いテキスタイルの資料や、街中で見つけたタイル。
インスピレーションの源は、日常の中にたくさんあります。

米富繊維株式会社の山形本社には、過去40年の月日で開発してきたアーカイヴスを保管する資料室があり、その数は数万枚を超えると言われています。

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もちろん、これらのアーカイヴスの中からリバイバルさせたり、一部のテクニックや素材の考え方を参考にします。

培われた歴史と技術に今の時代感を吹き込み、ニットでツウィードをデザインすること。

素材や色、柄のイメージが決まっても、編めるとは限りません。

そこから職人たちと悪戦苦闘の毎日。

数十パターンの試作を繰り返し、繰り返し、繰り返し。。。

唯一無二といわれる米富繊維の交編(こうへん)技術を使ってニット組織のツウィードを開発、ジャケットやボトムス、アウターからスニーカーまで展開してきましたが、まだまだ可能性を秘めた素材だと思います。

そんなニットツウィードは長い時間をかけて、こうして作られていくのでした。

Director 大江

個性あふれるオーナーさんに会いに行く

先週、2017 SPRING&SUMMERの展示会を終え、今週から休む間も無く2017 AUTUMN&WINTERの企画が本格化します。

昨年の今頃、TOKYO FASHION AWARDを受賞したことを思い出すと、本当に1年はあっという間に過ぎる。
年々、1年が少しずつ短くなってきているんじゃないかと感じるくらいです。。

そんな中でここ数ヶ月、時間を見つけては地方出張で大阪、神戸、静岡、名古屋、山梨と行ってきました。

 

この秋冬にデビューしたCOOHEM MENSを2017 AUTUMN&WINTERより国内卸売をスタートするため、地方の個性あふれるセレクトショップに商品をご紹介する旅。

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ブランドスタート当初は、企画も営業も1人。

サンプルをスーツケースに詰めて、地方のセレクトショップへ訪問した当時のことを懐かしく思い出しました。

 

まだ東京でもほとんど卸先が無いような時代だったので、事前にアポイントをお願いしているものの、COOHEMのことを知ってる方は皆無。

ブランドの説明から会社の説明、モノづくりのお話と全てがゼロからのスタートでした。

商品のことを気に入ってくれてその場で取引が決まったり、逆にアポイントをお願いしていたにも関わらず、突き返されたなりなど色んな思い出がありますが、当時から今でも変わらずお取り引き頂いているところもあり、ありがたく感じています。

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自ら足を運び、訪問先のSHOP、周辺の商店街や商業施設、街並みを見ていると色々と感じることがあります。

近隣に大都市があるエリアでは、お客様が大都市に流れるためピーク時に比べセレクトショップの数が半減している地域もあります。

インターネット通販によって、全国どこでもネットで購入できることも影響しています。

そんな状況下でもしっかりと顧客様がいて、個性あふれるオーナーさんが店頭に立っているSHOPがあります。

東京もそうですが、オーバーストアと言われる時代、僕たちの商品をしっかりご紹介頂ける個人オーナーさんのSHOPとのつながりは、ブランドにとっても重要。

まずは足を運び、一つ一つ丁寧にご紹介して、来春の2017 AUTUMN&WINTER展示会のご案内をしていきます。

特にMENSセレクトショップのオーナーさんやバイヤーさん、親切な方が多く、商品のテイストがSHOPに合わないという反応でも、逆に合いそうでオススメのSHOPを教えてくれるなど、人間味あふれるのも地方のSHOPならではかなと。

 

また、出張中にその土地の美味しいものを食べられることもこの地方出張の楽しみの一つになっています。

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東京では、何でも手に入り、何でも食べられますが、やはりその土地のものはその土地で食べるのが一番。

「食」もそうですが、「衣」もそうだと感じます。
同じブランドを置いてあっても、個性がある空間、個性がある服の並べ方、個性がある接客で買い物をする。
大手セレクトショップや百貨店のようなスケールの大きさはなくても、逆に規模が小さいがゆえに細かいところまで目が行き届いているお店。

そういった個性あふれるオーナーさんが立っているお店でCOOHEMをご紹介頂きたい。

そんな思いからこの地方出張は、これからも時間を見つけては続けていきたい。

インターネット全盛、業界全体が萎縮している今だからこそ、「人」と「人」のつながりを大事にし、お取り組みできる個店さんとの出会いを求めて足を運ぶことも大事にしていきたい。

年内には九州一周を予定しており、非常に楽しみにしています!

Director 大江

生涯初のトークイベント「BARミチノオク」

秋も深まり、そろそろ山形では紅葉の季節。

秋冬物の洋服に袖を通し、色々とファッションを楽しめる季節です。

 

今回のDirector’s BLOGは、先月開催されていたアートイベント「山形ビエンナーレ」にて、生涯初となるトークイベント「BARミチノオク」に参加した様子をお伝えします。

 

山形市旅籠町にある老舗漬物屋の奥座敷にて「山形」にゆかりのあるゲストにフリースタイルでトークしてもらうこちらのイベント、一般のお客様とお酒を飲みながら参加できるというもの。

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実は私、トークイベントにスピーカーとして参加するのは生涯初。

フリースタイルゆえに何をテーマに話そうかと悩みましたが、「外から見た山形、内から見た山形とファッションの話し」と題し、自分の半生を振り返るような内容にしました。

 

「どれくらいお客様が来てくれるんだろう?」とドキドキでしたが、あっと言う間に会場は満員御礼。

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後日、聞いたところご来場下さったお客様は57名と過去最多だったそうです。

東京など遠方よりお越し頂いた方や山形出身で帰省した際に参加した方などなど。

皆さん、お忙しい中お越し頂きありがとうございました。

 

 

さて、肝心のお話しした内容ですが、僕の半生というか。。赤裸々に語りました。。

 

山形で生まれ育ち、中学、高校はテニスに夢中。今では問題になるであろう軍隊のような部活動に明け暮れる。

 

テニスの次に興味を持ったのがファッション。

メンズノンノで「agnes b.」や「A.P.C」を見て欲しくても山形には売っていなかった。

当時は情報もインターネット通販もなく、本や雑誌、テレビで目にするモノのほとんどが「東京」に行かないと手に入れられない時代。
雑誌と似たようなスタイリングを手持ちの服でなんとか再現するようなことをしていました。

 

そして大学進学を機に上京。

街が夜でも明るく、雑誌やテレビで見ていたモノや場所が目の前にある。

そんなことが嬉しくて、楽しかった記憶があります。

 

そして、ファッションビジネスの学校を経て就職。

「服屋」になって、将来はメンズのバイヤーかマーチャンダイザーになりたいと思い、憧れていたセレクトショップに入社する。

 

外から見ていた「服屋」は、現実は厳しい世界で徹底的に「服屋」としての基本を叩きこまれました。
この時代に「服」のルーツやディティール、スタイリングの基本、ディスプレイ、接客のあり方などを覚え、厳しい先輩方や熱意溢れる後輩たちに囲まれて仕事ができたことが今の自分のベースとなっています。

仕事を覚え、接客の楽しさを感じられるようになった時、自分の運命と対峙する。

 

そして米富繊維株式会社に入社。

サプライチェーンの端から端に遡って見たモノづくりの世界。「工場」や「地方の企業」を取り巻く環境の厳しすぎる現実。

「技術」はあるのに日の目を見ない製造業にこそ「ブランド」が必要だと痛感。

 

COOHEMを立ち上げ、悪戦苦闘の毎日の中で、揉まれてきたこの5年間。

 

そして海外へ。

夢にまで見た海外ビジネス、自分達の想像を超える展開に戸惑いながらも、臆することなく挑戦してきた。

 

 

「田舎の工場さんにブランド作るのは無理だ」と言われ続けた中、その可能性を信じて疑わなかった。

 

気がつくと社内の見える景色が変わって、ファッションを学んだ若い人達が県外より移住、製造の現場で技術を身につけ、それぞれのポジションでCoohemに携わる。

 

そんな彼ら彼女達の姿勢を見て、僕自身も変わってきた部分があった。

 

そうして18年振りに山形へ帰ってきた。

「外」から見る山形は、何もない田舎にしか思えない時代もあったが、角度を変えて見ると良いところがたくさんあった。

 

今、山形の「内」から見る山形は、可能性を秘めていると感じる。

そう思えるようになったのは、一度「外」に出て見たからかもしれない。

そんな事を一時的に暴走しながらお話しさせて頂きました。

自分の経験をふまえて、誰かの前でお話する機会は初めてでしたが、改めて「伝える」ことの重要性を感じたイベント。

ご来場された方の全員がCOOHEMを知っていたわけではありませんが、これを機にCOOHEMを知って、ファンになって頂けるのなら幸いだと感じます。

Director 大江

2016年9月上海出張 〜初のSPIN EXPO〜

10月に入り、いよいよ秋物を着る季節が到来。
少し時間は経ちましたが、今回は米富繊維株式会社としても、Coohemとしても初の上海出張となったSPIN EXPOの報告。

ニット業界でお仕事されている方は当然ご存知の展示会「SPIN EXPO」。
中国・上海で開催される「糸」の展示会で出展者数が世界最大規模と言われています。

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出展者は、主に中国メーカーで、日本、イタリアの大手メーカーも一部出展しています。

僕もイタリアのPITTI FILATIには何度か行ったことはありましたが、このSPIN EXPOは初めて。
出展者数、来場者数ともに多いことにまず驚きました。

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提案されている編地や糸、ディスプレイにもお国柄がでているのか、とてもカラフルでファンシー。

PITTI FILATIではイタリア名門メーカーが上質な糸をシックに高級感溢れる提案をしているのに対し、SPIN EXPOでは中国メーカーによるチャンキーでポップな提案が目立ちました。

特にフリンジ使いのオンパレードには圧倒されるほど。

中華圏の方が好むディティールというのは知っていましたが、ここまで連発されるとは思いませんでした。。

とは言え、世界最大の生産地である中国のマーケットの大きさを物語る規模感。
出展者数も多く、バリエーションに富んだ展示会という印象を受けました。

また、驚いたことの一つにある程度大きなメーカーの営業担当者は、皆日本語を流暢に話し、言葉の障壁がなかったということ。

日本国内で開催される糸やニットメーカーの合同展示会に海外ブランドのデザイナーが来場したら、弊社を含めてどれだけのメーカーが英語で対応できるのか???

色々と考えさせられるキッカケとなりました。

その後、同行した糸屋さんとともに中国でも有数のファンシーヤーンメーカーの工場見学にも行かせて頂きました。

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噂では聞いていたものの、日本でもここまで設備しているところはないと言われるくらい最新の紡績、撚糸の機械の数々。工場で働く工員さんも若く、数百人単位で工場が稼働している。

当然、人件費やエネルギーコスト等も日本とは異なるが、設備面ではイタリアのメーカーをも凌ぐという事実。

彼らは日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカと世界中を飛び回り、英語を使いこなしグローバルにビジネスを展開している。糸自体の企画力や提案力は日本やイタリアのメーカーに劣る部分もあるが、生産能力では勝っている。

今後は、米富繊維・Coohemとしてもイタリア、一宮とならび、この中国においても素材開発にチャレンジしていく必要がある。

そんな中国という国とどう付き合っていくのか?
アパレルメーカーであれば生産地として、そして消費地としての中国という国を無視できない現実。

そんなことを考えさせられた出張でした。

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展示会や工場見学の合間に中国の商業施設やセレクトショップもリサーチ。
スピード感を持って成熟化する中国のファッションマーケット。

国内ではインバウンド需要による「爆買い」が一段落など話題になっていますが、一時的なインバウンド需要に頼るのではなく、今後も増え続けるであろう外国からのお客様も、日本人のお客様も含めてどう提案していくのか?

アパレルも小売もブランドも考えなければならない。

欧米に学び、国内でアレンジ、中国で生産という図式は糸もアパレルも一緒なのかもしれない。

そして、日本のメーカー、ブランドとしてどういう提案・商品が「日本人らしい」のか?

その「らしさ」の追求に今後のキーワードがあるのだと思う。

Director 大江

MODERNにHERITAGEな秋を楽しむ

台風の季節が過ぎ、秋らしくなってきました。

 

都内のSHOPも秋の立ち上がりの商品が並び、いよいよファッションの秋、一年で一番洋服を着ることが楽しい季節です。

 

COOHEMの2016AUTUMN&WINTERのテーマは

 

『MODERN HERITAGE』。

あたらしく、クラシック。

Coohemらしく。

伝統を受け継ぎながら、その先へ。

 

 

クラシックなグレンチェック、ヘリンボーン、ミリタリーから、ネイティブアメリカンに至るまで。
洋服の世界で古来から受け継がれた伝統的な柄や意匠をニットのテクニックと素材の組み合わせによって現代的に解釈したコレクションです。

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こちらは2月にLAS VEGASのLIBERTY FAIR “POGGY’S WORD”に出展した際、同じ出展者のイタリアのジャケットブランドの方がCOOHEM MENSを絶賛してくれた時の写真です。

クラシックな雰囲気の中にキラリと光るCOOHEMのテキスタイル。

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古臭さを感じさせず、かつ少しだけ新しさを感じる。

 

COOHEMの考える「現代的解釈」です。

 

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COOHEM MENSがエクスクルーシヴ展開でスタートしたUNITED ARROWS原宿本店「UA&SONS」ではUA&SONS別注カラーで展開しています。

今年7月29日の猛暑の立ち上がりから約一ヶ月半ですが、順調に売れているようです。

男性のお客様にも「古くて新しいMODERN HERITAGE」を感じて頂けていることが嬉しいです。

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洋服にはルーツがある。

 

 

これは僕の前職であるセレクトショップで販売員として働いていた時に教えてもらったことの中で、今でもデザインする上でキーワードになっている言葉。

ルーツを知り、歴史を知り、その時代背景や人々の思考の変化を知る。

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元をたどれば、漁師の生活の中で生まれたフィッシャーマンセーターや、狩猟の際に防寒のために着たツイードジャケットなど一つ一つのアイテムやテキスタイルにはルーツがあり、長い時間の中でHERITAGE(伝統)となる。

ニットという限定されたテクニックと素材の組み合わせ、色の表現によってこれまでの洋服に現代的解釈を加えて展開してきたCOOHEMの背景には、こうした様々な洋服の歴史や伝統的に受け継がれたテキスタイルに対するリスペクトがあります。

今は、90年代ストリートファッションであっても、デザインリソースになる時代。

この数十年で「ファッション」はサブカルチャー化したと言われたりもする。

そんな混沌とした時代の中で、Coohemが大切にしたいことは、洋服のルーツを大事にすること。

2016AUTUMN&WINTERに限らず、今後もこの言葉はCOOHEMのモノづくりの根底にあり続けます。

是非、皆さんもMODERNでHERITAGEな秋を楽しんで下さい。

 

Director 大江

PASS THE BATON MADE BY YONETOMI

気温が落ち着いて、東京も山形も秋らしくなってきました。

山形そろそろ芋煮会シーズン突入。

河原沿いも山形県人のソウルフード「芋煮」を作る人達で賑わいだします。

さて、WEB等でご覧になった方も多いと思いますが、この度弊社、米富繊維株式会社とPASS THE BATONさんのコラボレーションセーターが先日のFASHION’S NIGHT OUTが開催された9月10日よりリリースされました。

題して『PASS THE BATON Deadstock yarn mix cable pattern overdye knit』です。

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こちらのPASS THE BATON、Coohemファンの皆さんもご存知と思いますが、過去に3回ほどCOOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEEDのイベントを開催しました。

PASS THE BATONとは?
PASS THE BATONは現代のセレクトリサイクルショップです。

NEW RECYCLEをコンセプトに、個人から集めた想い出の品物や、すごく愛用していたけれど今は使わない、でも捨てるのは惜しい。
そんな品物を、大切に使ってくれる次の方へ、持ち主の顔写真とプロフィール、
品物にまつわるストーリーを添えて販売します。

高級品や低価格な品物だけを販売する従来のリサイクルショップではなく、個人のセンスで見いだされた品物や、使っていた人物の人となりが伝わる品物を扱う
新しいリサイクルショップです。

*PASS THE BATON WEBサイトより引用

 

僕たちは、大量生産、大量消費の時代に生まれ、日々変わるトレンドの中で洋服を買い、モノを買い、生活していますが、一方でシーズンや年月に関係なく、大切にしたい、ずっと側にいてほしい服やモノがある。

 

サイズが変わってしまった、好みが変わってしまったなど諸事情により、あまり着る機会、使う機会がなくなってしまった服やモノだけど、「思い出」や「愛情」があってなかなか処分できない。

 

そんな服やモノをRecycle 、Remake、Relightのコンセプトによって、再び光を当て提案する。

 

そんなSHOPコンセプトに共感している僕自身が大好きなSHOPの一つです。

 

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WHITE / BLACK / NAVY 各¥27,000‒(税抜き)

この度、様々なご縁で、こちらのPASS THE BATONさんのオリジナル商品をデッドストックの糸を使ってセーターを作りました。

米富繊維は山形県のニットメーカー、すなわち「工場」で、日々COOHEMをはじめあらゆるブランドのモノづくりをしています。

 

「工場」がゆえに、使用する糸の全てを使いきるということは現実的に不可能。

どうしてもデッドストック化してしまう原料、糸が毎シーズン出てきてしまいます。

 

原料メーカーの廃盤や、量産トラブルによる素材替えなどなど糸がデッドストック化する要因は多々あります。

 

そんな使う予定はないけれど、クオリティは確かな糸たちを使って、米富繊維が開発した過去の編地アーカイヴスからピックアップされた5種類のパターンを組み合わせてこのセーターは生まれました。

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今からさかのぼること半年前、PASS THE BATONの遠山社長とディレクターの若林さんが雪の降る山形の米富繊維株式会社・山形本社へご来社されました。

 

工場見学し、ニットのモノづくり、Coohemが出来る過程などをご覧頂き、米富繊維が誇る40年間続けてきたアーカイヴスが保管されている資料室へ。

 

その中から特徴的な5種類のアーカイブスをピックアップ、それらを組み合わせて、さらにデッドストックの糸で編む。

 

様々な制約がある中で弊社の鈴木室長が約一ヶ月、編地作りに格闘した末にこのセーターのベースは完成しました。

 

ウールコード、モヘヤ、カラーネップ、ブークレなど他素材使いで異なるパターンを組み合わせて一つの柄を作ることは、編地の左右のバランスをとることが非常に難易度が高く、かつその編地を後染めすることによってそれぞれの色を合わせる。。

 

「編み」も「染め」も一癖も二癖もあるモノづくりをしています。

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米富繊維とのコラボレーションの証、新しいYONETOMIネームとのWネームになっています。

パッと見、無地のローゲージニットに見えますが、COOHEMのニットツウィード並みにハードなプロセスを経て完成したセーター。

実は、前と後ろ両方着ることが出来るデザインなんです。

サイズはウィメンズだと少しオーバーサイズで、メンズだとMサイズ相当になります。

ウィメンズの服も着れちゃうニュートラルなテイストが好きな男性の方、モード好きな方はユニセックスで着ることが出来きます。

カップルでシェアしたりしてもいいかもしれません。

現在、PASS THE BATON表参道店、丸の内店、京都祇園店、ONLINE SHOPにて発売しております。

PASS THE BATON表参道店 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ西館B2F

PASS THE BATON丸の内店 〒100-6901 東京都千代田区丸の内2-6-1 Marunouchi BRICK SQUARE内

PASS THE BATON京都祇園店 〒605-0085 京都市東山区末吉町77-6

PASS THE BATON ONLINE SHOP

 

「デッドストックの糸でここまでできるんだ!」のセーター、是非お店でご覧になってみて下さい。

Director 大江

米富繊維・Coohemと山形ビエンナーレ

残暑が続く山形からお送りします。

こちらのBLOGを読んでくださっている皆さんの中でご存知の方も多いかと思いますが、今、僕たちのベースがある山形県山形市では2年に1度開催されるアートイベント「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」が開催されています。

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「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」について

「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」は、東北芸術工科大学が主催し、山形市中心市街地で2年に1回開催する、現代芸術の祝祭です。2回目となる2016年秋は、国の重要文化財「文翔館」をはじめとする歴史的建造物を主な会場とし、9月3日から23日間にわたり、45組のアーティストがアート・音楽・文学・ファッション・料理など多彩なプログラムを展開します。開催テーマは「山は語る」。荒井良二芸術監督のもと、みちの(お)く山形の過去・現在そして未来の姿を、この新しい祭の創造に参加する人々とともに考え、物語っていきます。

*「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」WEBサイトより引用

 

山形市の七日町という繁華街を中心として、山形市内外の会場でアート、音楽、文学、ファッション、料理など様々なプログラムが展開されているイベントです。

この度、米富繊維株式会社ならびに山形をモノづくりのホームグラウンドとするCOOHEMもあらゆる形で参加させて頂いています。

まず「ICHI PROJECT」の「山形衣市 iiti (やまがたいいち)」において、米富繊維株式会社がニットメーカーとしてアート、ファッションの領域で活躍されているブランド「spoken words project」とのコラボレーション作品を制作。

安部公房の小説『砂の女』をモチーフとして、米富繊維株式会社で制作を担当したモヘヤのセーターやウールネップのタートルネックプルオーバーの上に「spoken words project」ならではのアクセントが施されています。
展示会場と販売会場が分かれますが、是非ご覧ください。

山形衣市_ロゴ

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「ICHI PROJECT」山形衣市 iiti (やまがたいいち)

<展示会場>
開催日=会期中常設(9/5・9/20休館)9:00~16:30
会場=文翔館3F、他

文翔館では展示のみとなっており、文翔館の東、県営駐車場の隣にある小さな珈琲店「Jin Coffee Shop」にて実際に購入いただけます。

<販売会場>
Jin Coffee Shop
住所=山形県山形市旅篭町3-5-6

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こちらの「山形衣市iiti〈砂の女〉コレクション」は9/30(金)〜10/2(日)11:00~20:00 とんがりビル1F「KUGURU」でも展示・販売会を行う予定となっています。

続いて、山形ビエンナーレ開催に合わせてオープンしたコンセプトショップ「山の形ストア」に参加。
この「山の形ストア」は、デザイナーたちの地域に根ざした活動や製品を紹介するもので、東北の自然とともに生きるライフスタイルから生まれた、家具、服、陶器、バッグ、ジュエリーを展示・販売しています。

現在、COOHEMは山形県内では鶴岡市のシーガルディレクションのみでの展開になっており、地元のファンの方が手にとってご覧頂ける機会が少ないのですが、こちらの「山の形ストア」にてCOOHEMも限られたアイテムですが山形ビエンナーレ期間中に展開されております。

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昨年、新宿伊勢丹や銀座三越、梅田阪急で開催したCOOHEM 5th ANNIVERSARY POP UP SHOP限定商品(ANNIVERSARY TWEED ダウンジャケット、ノーカラージャケット、スカート、スニーカーなど)を特別に山形ビエンナーレ期間中に数量限定にて販売いたします。

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「山の形ストア」

会場=とんがりビル4F「TIMBER COURT」
営業時間=11:00〜18:00|月休

 

最後に、私、DIrector 大江がトークイベント「BARミチノオク」に参加します。

こちらは山形にゆかりのあるゲストが山形市旅篭町にある老舗漬物屋の奥座敷で、山形ビエンナーレ開催期間中の木・金・土の夜に開店する、日替わりマスターを務めるトークイベント。

マスターの山形話と美味しい漬物をつまみに、来場者と市民が一期一会の出会いと交流を楽しむ内容となっています。

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僕ががこの生涯初となるトークイベント「BARミチノオク」でお話しする内容は、僕自身が山形県出身でUターン就職をして、米富繊維株式会社でCOOHEMを立ち上げ、「山形」の「外」から見た今の山形、「山形」の「内」から見たこれからの「山形」をファッションの話を中心にお話しできればと思います。

人生の半分を東京で過ごし、地方の企業に帰ってきて、ブランドを立ち上げ、国内外で展開してきた中で感じたこと、変わってきたこと、「ファッションは東京でないとできない」と思われてきた中で、実はそんなことはなかったということ。

そして、僕自身が18年ぶりに山形の地に住まいごと引っ越してきた「今」の山形で仕事をすることや生活することなどなど、ここ数年で感じてきたことなどをお話しできればと思っています。

山形県内外を関わらずファッション、衣服製造業に携わる方、学生でアートやファッションを学ぶ方、Coohemが好きな方、皆様のご来場お待ちしております。

「BARミチノオク」

会場=丸八やたら漬旅篭町立呑処奥座敷
営業日=会期中の木・金・土
トークタイム=19:00~21:00(開場は18:30〜、立呑処は17:00〜23:00)

開催日=9/17(土)19:00~21:00

会場=丸八やたら漬旅篭町立呑処奥座敷

大江健(米富繊維株式会社 代表取締役社長/COOHEM ディレクター)

『外から見た山形と、内から見た山形と、ファッションの話』

 

会社としてもブランドとしても特定の地域でこうしたイベントに関わることは初の試み。
あくまでファッションブランドとして発信してきたCoohemについても、地元・山形の方を中心にもっとより多くの方に知って頂きたい。

企業として、ブランドとしてモノづくりを支える地域の方々にも何かしら面白いことを体感、体験していだけるイベントも今後は企画しております。

山形県内や東北にお住いの方以外にもこの山形ビエンナーレを機会に是非、山形へお越し頂いてはいかがでしょうか?日中は暑い日も続きますが、朝晩は涼しく過ごしやすい季節です。

皆様の来県、ご来場お待ちしております!

Director 大江

NATIVE TWEED誕生秘話

9月に入り、いよいよ各卸先SHOP、COOHEM ONLINE SHOPでの販売がスタートした「NEW NATIVE TWEED」について、その誕生秘話をご紹介したいと思います。

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前回のCOOHEM BLOGでも取り上げられていますが、2013AWに”初代NATIVE TWEED”をリリースし、その進化版として素材をアップグレードして生まれたのが2016AW「NEW NATIVE TWEED」です。

もともと2013AWのコレクションを作る際に

 

「これまでの布帛(織物)ライクなニットツウィードを中心としたジャケットやコートではない新しいものを表現したい」

 

と思ったことがキッカケでした。

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そもそも、なぜネイティブ柄なのか?

ネイティブには「もともとその土地に住みついていた人の、自然のままの」という意味があり、ネイティブアメリカンが代々受け継いできた民族的な柄をネイティブ柄と呼びます。

実は、僕が育った家には父親の趣味なのか、ネイティブ柄のクッションカバーやラグ、そんなものがたくさんありました。戦後のアメカジ、トラッドの王道を歩んできた父親の趣味だったのだと思います。

そういう意味では、自分自身、「柄」としての馴染みもありましたが、それをニットで表現することに抵抗もなく、むしろ興味すら沸いた背景があります。

このBLOGでもご紹介した鈴木開発室長と話していく中で、彼の長いキャリアの中で「やってみたかったけど、まだやったことのないこと」を2人で探っていく中で、最もローゲージの編機で手編みに使うようなファンシーヤーンのみでジャカードをベースに編んでいく手法にトライすることになりました。

そこから悪戦苦闘の毎日、今までにないハードな編地作りは機械が壊れる一歩手前まで続き。。

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そこから、かつてない厚さの編地は鈴木チーフパタンナーの手に渡り、ここでまた悪戦苦闘を繰り返し、ニットメーカーの縫製設備では限界とまでベテラン職人に言わしめたほどの工程を経てカタチとなる。

通常のニット製品の倍以上の縫製時間は、基本的にセーターを中心とするインナーを縫製するメーカーにとって、かつてないほどハードなモノづくりでした。

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こうして”初代NATIVE TWEED”は、本格的に海外進出をした2013AWパリの合同展示会PARIS SUR MODEでリリースされ国内外のバイヤーに人気の品番となり、お店に出てからも、唯一無二の商品力で瞬時に完売したSHOPも多く「あの時買っておけばよかった!」という有り難いお言葉を多数頂いたこともエピソードの一つです。

 

この「マスターピース(傑作品)」と言えるNATIVE TWEEDですが、今回バージョンアップしリリースした理由の一つに昨年受賞したTOKYO FASHION AWARDが挙げられます。

_38A0043*3月に開催されたTOKYO FASHION AWARD凱旋イベント

TOKYO FASHION AWARDの審査員でもあるUA&SONSディレクターである小木“POGGY”基史氏にも”初代NATIVE TWEED”は絶賛され、この受賞に際しCOOHEM MENSをスタートすることに。

 

そんな経緯のなか、待望のMENSリリースもあり、僕自身ぜひ男性のお客様にもご紹介したいという想いがありました。

そして何より、自分自身も袖を通したいという気持ちも強かったのも事実。

デザイナーにとって過去の人気品番をバージョンアップさせ再びリリースすることは一見、簡単なようで一番難しいこと。

それは、人気があった評価が高かった品番だからこそ、それを超えるために新しい考え方や手法を取り入れつつ、その商品を進化させなければならないから。

全く新しいものを生み続ける苦悩も大変ですが、過去のものをより進化させることの方が大変かもしれません。

ベースとなる素材を上質なファインウールのモール糸にバージョンアップ、トップ(メランジ)の雰囲気を出すために#GREYはグレーと白を撚糸、#BEIGEは濃淡で2種類のベージュを撚糸した別注色を作成。
袖口と襟周りはパイル編みにしてボアのような質感にするなどなど、取り入れた手法は数々。
しっとりとしたカシミヤライクのタッチが上質感を醸し出し、ネイティブ柄の配色糸はお馴染みのイタリアのファンシーヤーンでアクセントにする。

女性のお客様、男性のお客様、ともに大人っぽくカジュアルになりすぎない高級感を感じて頂けるテキスタイルに進化。

まるで、ムートンを着ているようなアイテムへと昇華させるために。

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特殊な糸使い、これまでのニットのモノづくりの常識を逸脱したような負荷のかかるモノづくり、量産工程で起こる数々のトラブルを解決し、ようやく皆さまにご覧頂けるところまで辿り着きました。

ここ数ヶ月、米富繊維株式会社の山形本社ではこのNEW NATIVE TWEEDの量産に、編立、縫製ともにハードなモノづくりが続きました。

デザイナーにとってハードなことは、量産をする職人たちにとってもハード。

そういったプロセスを経たからこそ唯一無二のマスターピースは完成するのです。

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COOHEM ONLINE SHOPでは上の写真のようにMENS、WOMENS同色のテキスタイルを使用しています。
ファスナーの付け位置とサイズ感が異なります。MENS、WOMENSともに各サイズお取り扱いがありますので、是非チェックしてみてください。

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*COOHEM MENSを展開して頂いているUNITED ARROWS「UA&SONS」では、UA&SONS限定カラーとなります。ネイティブ柄の配色の1色が#GREYにはブラック、#BEIGEにはネイビーとなり、よりシックな雰囲気に仕上がっています。こちらも先行して7月末より店頭で展開しておりますので、気になる方はお早めにお店に足を運んでみてください。

様々なプロセスを経て誕生したNATIVE TWEED。
是非ご覧いただければと思います。

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜生産・工藤編〜

Director’s BLOG連載「米富繊維・COOHEMを支える人達」第8回目は、米富繊維株式会社ならびにCOOHEMのモノづくりにおける中枢、生産・工藤編です。

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彼は入社以来、編立のマネージャーをしており、2011年より編立、縫製、出荷のモノづくりの全行程を管理する生産部長として日々あらゆるトラブルを解決し、商品を世に送り出してくれています。

 

いわゆる「工場」には彼のような「工場長」という要となるポジションがあり、営業や企画、開発といったスタッフを影で支える重要な役割を担っております。

 

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糸の納期予定、編立時間と生産枚数から編立日程を組み、さらに縫製時間と生産枚数から縫製日程を組み、後加工、アイロン、始末等にかかる時間を計算して納期までの段取りを組みます。

 

糸(原料)の背景が悪く、使用数が多く特殊な糸使いが特徴の米富繊維・COOHEMのモノづくりでは、糸の納期管理だけでも複雑かつ難易度が高いのが現状。

 

モノづくりの難易度が高く、工程数も通常のニット製品の倍近くあるCOOHEMのモノづくりは、量産過程で突発的に起こるトラブルもしばしば。

「届いた量産糸の番手が異なっていた」

 

「サンプルは編むことができたのに、量産糸では編むことができなくなった」

 

「加工したら色が移ってしまった」

 

「ミシンの故障により当初予定を組み替えざるをえなくなった」

 

などなど、現場では無事に出荷を終えるまであらゆる事態が発生します。

 

そんな不測の事態にも彼は常に冷静かつ淡々と改善案を割り出し、修正していきます。

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一つの商品が糸から編地になり、「製品」になり、仕上げ、検品されて出荷される。

 

納品された「製品」は、ハンガーにかけられ売り場に出てはじめて「商品」となる。

 

とても長い道のりを経て製品化され、商品化された服ですが、長い道のりの過程で多くのトラブルや課題を乗り越えてきています。

 

そして、「頂いたオーダーを生産して出荷する」こんな当たり前のことにとても多くの人の知恵や経験、技術が詰まっている。

 

モノづくりにおいては企画や開発が花形のように思われがちですが、この「生産」がしっかりしていなければカタチになって世にでることもありません。

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日本のモノづくりが隆盛を誇った数十年前とは比べものにならないくらい、モノづくりが複雑化し、仕入先である糸屋、協力工場の生産キャパシティの縮小など環境が変化する中、他社では真似できないモノづくりを品質を保ちつつ量産化している背景には、生産担当者の日々の調整や段取りがあります。

 

OEM、ODM、Coohemとモノづくりのプロセスや生産数量、生産リードタイムが異なる多種多様な品番全てを管理していくことは容易ではありません。

 

現場スタッフと営業、企画、開発の間に立ち、付加価値の高いモノづくりを影で支える彼の存在はとても頼もしく、今後も米富繊維ならびにCOOHEMを冷静かつ淡々と、支えてくれることでしょう。

 

次回のDirector’s BLOGは、いよいよ9月上旬よりCOOHEM ONLINE SHOPでも販売開始となる2016AUTUMN&WINTER「NATIVE TWEED誕生秘話」について。

ご期待下さい。

Director 大江

 

2016年8月一宮出張 〜糸探しの旅〜

お盆休みが明け、米富繊維株式会社の山形本社では、2016年秋冬物の量産がピーク時期を迎えています。

今回のDirector’s BLOGは、今月初めの愛知県一宮出張のレポート。

COOHEM 2017AUTUMN&WINTERに向け、ここから企画がスタートします。

半年に一度は必ず訪れる愛知県一宮市。

古くから紡績、撚糸メーカーが集まる日本の繊維業界の一大産地です。

米富繊維株式会社の本社工場がある山形県山辺町は「ニット産地」でニットを作る工場が集まる産地ですが、こちらは紡績で糸を作る工場、撚糸で糸を作る工場が集まる「糸産地」として知られています。

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COOHEMの新しい企画は、「糸」を探すところから始まります。

5種類ほどの糸を組み合わせてニットテキスタイルを開発する。

毎シーズン、新しさを追い求めるとその元となる「糸」の開発にたどり着きます。

近年、コレクションブランドでも別注の糸を開発して、生地をオリジナルで作成するところは珍しいと言われています。
Coohemでは、完全なる独自性の追求をテーマに、この一宮にてブランドオリジナルのファンシーヤーンの開発に力を入れてきました。

ニットツウィードという素材自体が独自性があるのですが、その元の糸をオリジナルで作成するため世界で唯一無二といわれる製品が可能になるのです。

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このカスリ染めの糸見本は、現在では廃盤になってしまった糸で、こういう昔のものを今の素材で表現できないか?試作をお願いしたりすることもあります。

 

今は大手繊維メーカーの撤退などにより、糸作りの元となる原料(繊維)が廃盤になるなど、昔はあったのに今は作れない糸も多くなってきました。

 

山形もそうですが、産地には「巨匠」とも言えるベテランの職人さん達がいて、彼らの貴重なお話を聞くことができるのも一宮出張の楽しみとなっています。

 

90年代後半にアパレル業界の海外生産シフトが始まる前までは、繊維産業が地域の基幹産業として隆盛を誇っていました。

当時のコレクションブランドのデザイナーや大手アパレルのモノづくりチームも足繁く日本各地の産地に通い、そこから自身のクリエーションをスタートしたといいます。

 

時は流れ、時代は移り変わり、足繁く通うデザイナーも少なくなり、ニットに限らず洋服作り全般が「産地」と「ブランド」の間に距離が生まれてきました。

 

今では「産地」に足を運ぶことは珍しいことになってしまっている。。

ファッションというと、SHOPやビジュアル、プレスが表に出てきていて、実は裏側にはこのようなモノづくりの背景があり、そこには携わる人達が数多くいる。

そういう背景も含めて、Coohemでは可能な限り時代に合わせたプレゼンテーションで、皆さんにモノづくりのプロセスやストーリーを知っていただき、この「産地」と「ブランド」、「ブランド」と「お客様」の間にある距離を少しでも短く感じてもらいたいと思っています。

一宮の「巨匠」達と会食した際に「自分達が作ったものがカタチになって世の中に出ることが嬉しい」とおっしゃっていたことが印象的で、改めて自分自身も「モノづくりの楽しさ」ってこういう部分が根底にあるのだと感じました。

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イタリアの産地を回っていても日本同様に廃業するメーカーが多く、自国内でモノづくりをしていくインフラはもはや崩れかけている状況。

そんな状況の中でも、前を向き新しいモノづくりにチャレンジしている職人、メーカー、工場さんがいます。
そうした方がとの出会いが、COOHEMの新しいモノづくりや製品には必要不可欠であり、その出会いや現地での発見があるからこそ唯一無二の商品づくりが可能になるのです。

近年、様々なメディアに取り上げて頂くことが多くなったCoohemですが、今回一宮に行ってみて、巨匠の奥様がCoohemと知らずに商品を何点かお買い上げ頂いていたという事実が発覚、とても嬉しかったです。

以前は、Coohemと言ってもご存知の方も少なかったのですが、今回一宮で「この糸はCoohemにいいかなと思って試作してみた」「Coohemらしい色だよね?」と職人さんたちに言っていただけるようになってきたこと。

非常にありがたく、さらに今後もより良いモノづくりを「カタチ」にしていきたいと思いました。

Director 大江

MENSをスタートして変わったこと

今回は先日デビューしたUA&SONSでのCOOHEM MENS POP UP SHOPのレポートとCOOHEM MENSが誕生したことによるモノづくりの変化について。

このDirector’s BLOGでもご紹介しましたが、7月29日よりユナイテッドアローズ原宿本店B1「UA&SONS」にてCOOHEM MENS POP UP SHOPがスタートしました。

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7月30日に私、大江も店頭にて接客させて頂きました。

ブランドスタートから5年、様々なSHOPにて接客もさせて頂きましたが、WOMENSの商品を女性のお客様にご紹介してきて、MENSの商品を男性のお客様にご紹介するのはとても新鮮でした。

男性のお客様は、特にモノづくりのお話にとても興味を持って聞いてくださるので、話す方もいつも以上に熱が入ります!

今月末までPOP UP SHOPとして展開しその後もお取り扱い頂きますので、是非、原宿へお越しの際はお店をご覧になってみて下さい!

UNITED ARROWS 原宿本店  UA&SONS

 

こちらのユナイテッドアローズ原宿本店ですが、日本のMENSセレクトショップの総本山とも言えるSHOPで、初めて父親に連れられてこのお店に足を踏み入れた時の緊張感と高揚感を懐かしく思い出しました。

当時は今のように駅ビル的な商業施設にセレクトショップはなく、路面店で世界中からセレクトされた洋服屋といった印象で数十万円もするスーツや高単価なデザイナーズが並び、まだ高校生だった僕にはとても敷居の高い場所でした。

自分が若かったこともありますが、洋服屋になろうと決めた頃の憧れのSHOPであり、そんな思い出もあるユナイテッドアローズ原宿本店にてCOOHEM MENSがデビューできて感無量です。

 

そこから時は流れ、僕自身も大手セレクトショップの旗艦店にて販売員としてキャリアをスタート。

自分の技術や経験と取り扱っているブランドや商品とのギャップに悪戦苦闘の毎日を過ごしました。

クロージングも担当させて頂き、メンズファッションと洋服屋の「基本」を叩き込まれ、今の自分のベースができました。

米富繊維株式会社に入社してからは、ほぼWOMENSにしか携わらなかったのですが、COOHEM MENSが誕生した今、ブランド自体のモノづくりにも少しずつ変化が生まれています。

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WOMENSを展開していても、要所要所にMENS的なディティールとコダワリを詰め込んできたCoohem。

ブランドのアイコニックな存在として挙げられるニットツウィード一つとってもカラフルでファンシーなブランドイメージを残しつつMENSらしいクラシックな色、柄で構成します。

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こちらは秋冬の定番柄であるグレンチェックをCoohemらしい絶妙な配色でモダナイズしました。

 

このテキスタイルからわかるように、これまで華やかな色とりどりのニットツウィードからMENSを意識したテキスタイル作りへと進化しつつあります。

 

デザインに関しては、MENSといえばテーラードジャケット。
COOHEM MENSにはこのテーラードのニットジャケットが定番。
オーソドックスなシルエットで、デニム、軍パンにも合う少し着丈短めで設定しました。
定番だったノーカラージャケットに加えてWOMENSでもテーラードジャケットが登場。
パリの展示会でも海外バイヤーにとても新鮮に映ったようです。

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こうした一連の「変化」は、COOHEM MENSをスタートしたことが何よりも大きかったなと。

 

まだまだWOMENSに関しては、長らく築いてきたイメージが強いですが、2017SSもそれ以降もメンズライクでマニッシュなCOOHEM WOMENSにもチャレンジしていきたいと思います。

 

また、上がってきたサンプルに自ら袖を通すことで気づくCOOHEMの良さ。

改めて自分自身も実感。

 

ボリューム感がありながら、軽く柔らかな着心地や他にはない一目でわかるブランドらしさ。

 

これまで支持して下さったCoohemファンのお客様に改めて感謝しつつ、女性のお客様、男性のお客様、1人でも多くの方に袖を通して頂きたい。

 

そんなCOOHEM 2016AUTUMN&WINTER MENS&WOMENSですが、いよいよCOOHEM ONLINE SHOPでも8月9日(火)より販売スタートします!

 

特にCOOHEM MENSに関しては、リアル店舗ではUA&SONSのみのお取り扱いのため、お住いのエリアが都内から遠い方は是非COOHEM ONLINE SHOPにてご覧下さい。

COOHEM ONLINE SHOP

MENS をスタートし、その影響でWOMENSの新しい一面も生まれ進化するCOOHEMをどうぞよろしくお願いします。

まだまだ暑い日が続きますが、ご自愛下さい。

Director 大江

 

2016年6月フランス出張 〜SHOWROOM.TOKYO〜

都内は梅雨明けしていよいよ夏本番!ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 

さて、今回のDirector’s BLOGは、6月に開催されたTOKYO FASHION AWARD受賞ブランドによるショールーム「SHOWROOM.TOKYO」のレポートです。

今回は第1回、第2回受賞9ブランドが前回同様、フランス・パリのマレ地区にて展示会を開催。

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COOHEMは「NEW TRAD ON THE STREET」をシーズンテーマに2シーズン目となるMENSとWOMENSのSPRINGコレクションを中心に展開しました。

ニットツウィードをあらゆるアイテムで表現したCoohem。
トラディショナルなアイテムにストリートファッションのエッセンスを取り入れたコレクション、ニットでここまで表現できるのか?自問自答の毎日の中からNEWアイテムを生み出すことができました。

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例年は世界中から集まったバイヤーで賑わうパリのファッションウィークですが、開催前のテロ未遂事件、UEFA EURO 2016(欧州サッカー選手権)の開催、イギリスのEU離脱問題、アメリカ大統領選挙など世界を揺るがすような出来事の渦中にあったためか、静かなファッションウィークとなりました。

そんな中、Coohemに関しては、このTOKYO FASHION AWARD受賞をキッカケにスタートしたMENSのモノづくりがWOMENSのモノづくりに進化をもたらしたシーズンでした。

それは、MENSのためにニットツウィードを作り出し、そのままMENSはMENSとしてデザイン、WOMENSはMENSのテキスタイルをWOMENSシルエットでデザイン。
メンズライクでマニッシュなCOOHEMを作り出したことです。

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COOHEM WOMENSと言えば「カラフルなニットツウィードジャケット」というイメージがあると思いますが、同じ技術で作り出されたニットツウィードでもメンズライクでマニッシュな見え方は新鮮。

全体としては静かな6日間の展示会でしたが、海外バイヤーの反応も良かったです。

まだまだアイテム構成と従来のCoohemとのバランスに課題はありますが、これまで試行錯誤の末、数百パターンの素材開発をしてきた僕自身も新鮮な印象でした。

 

ブランドスタート以来、WOMENSのみで展開してきたCoohem、新たにMENSを展開することによって生まれる新しいCOOHEM MENS & WOMENSの世界観は、これまでブランドを支持して頂いたファンの方にも新たにCoohemファンになってくれる新しいお客様にも魅力的なものになるよう次シーズン以降も続けていきたいと思います。

 

今、完全なオーバーストア、ブランドと言われるファッションの世界ですが、単なるジェンダーレスやユニセックスブームではなく、性別を超え、国境を超え、モノづくりの壁を超えてCoohemらしいMENS&WOMENSの表現を模索していければと。

今後もCOOHEM MENS、WOMENSともにご期待下さい。

 

また、様々なバックボーンを持つブランドが集まり、6日間という長い展示会を戦い抜くSHOWROOM.TOKYOは、モノづくりの考え方やブランドを続けてきた歴史、これから考えていることなどなど刺激を受けることも多く勉強になります。

出展者の皆様、お疲れ様でした。
また大変お世話になりました。

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海外の展示会は国内の個展とは違い、色々と感じさせられることも多く、自分たちの立ち位置と実力を改めて感じさせられます。

一つ一つの商品の作りの完成度や独自性はあるものの、「面」としてのブランド見え方、コレクションを発表しているブランドと横に並ぶことにより感じるニットブランドであるCOOHEMの強みと弱みなどなど。

このSHOWROOM.TOKYOも残すところあと2回。
名誉あるこのTOKYO FASHION AWARDを受賞し、様々な方のご支援のもとにチャレンジさせて頂けているため、次回はブランドとしてもさらなる結果と可能性を示していけるようにしたいと思います。

次回は2017 AUTUMN&WINTERの2017年1月の開催。

今回の反省を糧にして進化していければと思います。

Director 大江

遂に「Coohem MENS」デビュー!

すっかり夏が来たこの頃。

お店では2016年AUTUMN&WINTERが立ち上がりつつあります。

今回のDirector’s BLOGは、遂にCOOHEM MENSがデビューするお話です。

 

COOHEMは2010 AUTUMN&WINTERにブランドをローンチして以来、ウィメンズのみで展開してきました。

もともと、米富繊維の交編(こうへん)技術によるニットツウィードを表現できるアイテムが豊富であるウィメンズのファクトリーブランドとしてスタート。

「ニットで作るツウィード」をライダースジャケットやダウンジャケット、スニーカーに至るまでニット業界の常識を超えた新しいアイテムの数々をリリースしてきました。

ファンシーでフォトジェニックなテキスタイルをベースにしたコレクションを発表するCOOHEMのDirectorを務める僕自身、前職ではメンズクロージングのショップスタッフであったことは、あまり知られていないかもしれません。

 

幼い頃から洋服オタクの父の影響でファッションに興味を持ち、これまで様々なブランドの服に袖を通してきて、自分自身でもブランドを展開しながら「いつかはMENSをスタートしたい」と胸に秘めてきました。

 

きっかけは昨年10月に受賞したTOKYO FASHION AWARD。

審査委員であったUA&SONSディレクター小木“poggy”基史氏や世界のメンズファッション業界の重鎮NICK WOOSTER氏に評価頂いたことでした。

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審査の際にCOOHEMのウィメンズコレクションとともに過去に自分用にMENSサイズで作ったEXCLUSIVEモデルを見て頂き、Poggy氏に背中を押して頂いたこともあって、いよいよMENSラインのモノづくりをスタート。

 

初のお披露目は、TOKYO FASHION AWARD受賞ブランドによる1月のPARIS 「SHOWROOM.TOKYO」、続いてLAS VEGAS「POGGY’S WORLD」と出展。

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メンズファッションにはなかった素材感とニットツウィードを中心としたアウターのラインナップは、新鮮さを持って受け入れられました。

 

これまでウィメンズのみの展開ながらも、別注の糸を開発しテキスタイルを作ることや、アンティークボタンをベースとした別注ボタン、ミリタリーウェアに使われるヴィンテージジップ、TRADアイテムにインスピレーションを得たデザインなどなど、メンズファッション的エッセンスを商品に盛り込んできたCoohem。

 

日本国内ではCOOHEM ONLIE SHOP、ユナイテッドアローズ原宿本店「UA&SONS」にてエクスクルーシヴ展開します。

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7/29(金)よりUA&SONS原宿店B1にてPOP UP SHOPがスタート。
COOHEM MENS 2016AUTUMN&WINTER DEBUT 「UA&SONS」

2016年7月29日(金)〜

ユナイテッドアローズ&サンズ「UA&SONS」B1
150-0001 東京都渋谷区神宮前3-28-1 ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 B1-1F
TEL 03-5413-5102 FAX 03-3479-8214

<営業時間>
平日 12:00〜20:00 土・日・祝 11:00〜20:00

7/30(土)15:00〜18:00、僕も店頭に立って接客させて頂くことになりました。

ブランドスタート以来、初めてメンズフロアで接客をするため、個人的にも楽しみにしております。

PASS THE BATONや一部POP UP SHOPにて販売していたニットツウィードカードケースも展開しますので是非女性のお客様も遊びにいらしてください!

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UA&SONS別注カラーを中心としたウェアからCoohem×MoonStarスニーカーまで展開します。

 

様々な「縁」が重なり合い、待望のメンズラインデビュー。

今後はCOOHEMのモノづくりの精神と世界観をメンズ&ウィメンズで展開いたします。

皆様、7/30(土)は是非、原宿にお越し下さい!

ご来店心よりお待ちしております。

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜パタンナー・鈴木編〜

Director’s BLOG連載「米富繊維・COOHEMを支える人達」も早いもので第7回目となった今回は、COOHEMのニットジャケットを中心とするアウターの生みの親とも言えるチーフパタンナー・鈴木編です。

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彼女は今から29年前の1987年に入社。

その昔、大手アパレルメーカーでデザイナーをしていましたが、故郷・山形にUターン就職しました。

縁あって米富繊維株式会社に入社しましたが、工場でのモノづくりは初めて。

当時は今のように研修期間などもなく、いきなり現場に放り込まれ「背中を見て覚えろ」の時代。

元デザイナーとしての感性を生かした彼女のパターンメイキングは、数々のヒット商品を世に送り出し、多くの取引先デザイナーのイメージをカタチにしてきました。

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このパターンメイキングですが、彼女の口癖は「展開を考えろ」。

 

服の構造を理解し、その基本から「展開」を考える。

 

職人気質で「見て覚えろ」の彼女ですが、米富繊維に入社して初めてモノづくりを覚える当時の僕にも厳しくご指導頂きました。(笑)

 

高度成長で会社の規模が大きくなり、その後アパレル業界の海外生産が一気にシフト、シュリンクしてきた激動の時代を駆け抜けた彼女のキャリアは、パタンナーとしてもモノづくりが大きく変化した時代と重なります。

 

ニットメーカーとして、いわゆる「セーター」を作ってきた会社が、ジャケットをはじめとするライダースやコートなど「アウター」を作る変化。

 

 

Coohemがスタートして今日までの数年でも劇的に変化した米富繊維のモノづくり。

前回の鈴木開発室長とともに彼女のような大ベテラン職人達の「挑戦」と「進化」の歴史でもありました。

 

 

編立、縫製の現場スタッフはもちろん、モノづくりのポイントとなる2人の「技術」と「経験」が数々のCOOHEMのマスターピース(傑作品)を生み出し、日本のファクトリーブランドの進化形を体現してきました。

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僕が様々なメディアで取材を受けた際に必ず聞かれる質問。

 

「ブランドを立ち上げた際にベテラン職人と衝突がなかったのか?」

 

COOHEMのモノづくりが前例のないモノづくりがゆえ、皆さんに上記のようなストーリーを連想されるのだと思います。

 

しかし、振り返れば、ベテラン職人の彼ら彼女たちほどその新しい試みに挑戦してくれた人はいませんでした。

 

そう、それは自らが進化する過程を楽しむように。

 

本来、「工場」というものは生産効率を求めることが第一であり、「ブランド」として付加価値を高めることは時にして相反する結果になることも多々あります。

 

自分達にしか出来ないモノづくり。

そこにプライドを持って自らの「技術」や「経験」を惜しみなく駆使する。

結果、COOHEMは海外のデザイナーブランドやラグジュアリーブランドと肩を並べられるクオリティを実現してきました。

 

ニットのパターンメイキングは、ニット特有のテキスタイル自体の伸縮性やダレなどを考慮した難易度が高いもの。

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デザイナーの意図を汲み取り、カタチにしていく非常に重要なポジションであるパタンナーについても感性が求められます。

 

元デザイナーという異色のキャリアを持つ彼女がいたからこそ、米富繊維ならびにCOOHEMは、他のニットメーカーではカタチにすることが出来ない製品を生み出し、新しいニットファクトリーの在り方をカタチにしつつあります。

そして、そんな神業を持つ彼女から一つでも多くの技術を吸収し、成長していく若手職人達が生まれることでしょう。

数年後、数十年後、成長した若手職人たちの存在は、彼女が米富繊維に残した功績として語り継がれていきます。
また、僕自身もこの先、彼女達の「挑戦」と「進化」の歴史をしっかり次の世代に伝えていきたいと思います。

「展開を考えろ」

企業として、ブランドとして今後の「展開」は、彼女たちを含めたベテラン、若手職人達によって新しい局面を迎えていきます。

次回のDirector’s BLOGは、いよいよ待望のCOOHEM MENSのローンチについて。
ブランドスタートから6年、遂にMENSラインが2016AUTUMN&WINTERよりデビューします。

皆様、お楽しみに。

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜開発・鈴木編〜

今回の「米富繊維・COOHEMを支える人達 」連載第6回目は、米富繊維株式会社およびCOOHEMの全てのモノづくりのベースを築いた職人、鈴木開発室長の登場です。

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彼は地元・山形の工業高校の繊維科を卒業後、新卒採用で1972年に米富繊維株式会社に入社。

 

今からなんと44年ほど前のことです。

 

入社後、現会長が創設した「編地開発室」へ。

以来、今日に至る44年間、ただひたすら編地(ニットテキスタイル)を編み続けてきました。

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編地開発とは、ニットでテキスタイルデザインをすること。

ニットの専門用語で「柄組(がらくみ)」と呼ばれるプログラミングを組むことによって、使用する糸を編む順番や組織、編地を引き下げる力を調節するなど複雑かつ繊細なデータを構築していきます。

米富繊維株式会社では、特に現行の編機に改造を施すこともなく、この柄組の「技術」と「発想力」によって唯一無二のテキスタイルを生み出してきました。

 

35cm角の編地スワッチに新しいテキスタイルを表現する。

 

山形本社の資料室には、彼が編み続けてきた数万枚におよぶ編地スワッチがアーカイヴスとして保管されており、世界でも類を見ない編地開発の歴史と培われた技術は米富繊維株式会社の財産です。

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COOHEMの企画はもちろん、OEM、ODM取引先ブランドのデザイナーの方もここから企画をスタートさせます。

かの有名デザイナーもその昔、彼の技術に多くの信頼を寄せ、自身のコレクションを発表してきました。

今から数十年前、現会長とともにフランス・パリやアメリカ・ニューヨークと海外を周り、欧米の優れたニットデザインに触れ、伝説のセレクトショップ・エミスフィールなど「本物」を体感する機会も多かった室長。

当時、あれだけ世界を見てきた「職人」はいなかったと思われます。

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もはや人間国宝とも言える鈴木室長の「発想」を物語るエピソードとして、僕が入社した頃に「どんな時に編地のインスピレーションを得るのか?」質問したところ、

 

通勤する際に「電線がからまっているのを見て編み組織を思いついたことがある・・・」

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何事にも好奇心があり、頭の中でイメージできる「発想力」。
そしてそれをカタチにできる「技術力」。

 

飄々としたキャラクターですが、アーティスト気質を感じる鈴木室長の続けてきた編地開発。

時は流れ、彼の開発してきた数々の「発想」と「技術」は、Coohemというブランドに形を変え、世界中に発信されています。

COOHEMはまさに彼の続けてきた編地開発の歴史の上に成り立っています。

技術だけではブランドにはなれませんが、技術なくしてブランドも成立しないのです。

鈴木室長のようなベテランスタッフとともにブランドのモノづくりができることに感謝しつつ、モノづくりに真摯に向き合うことによって新しい商品を開発していきたいと思います。

さて、次回のDirector’s BLOG「米富繊維・COOHEMを支える人達 」連載第7回目、米富繊維がジャケットなど布帛仕立ての商品を作れるきっかけになったチーフパタンナー・鈴木編です。

ご期待ください。

Director 大江

2016年6月イタリア出張 〜PITTI UOMO視察と糸探しの旅〜

毎年恒例のイタリア出張。

今年はスケジュールを少し前倒ししてフィレンツェにてPITTI UOMOを視察、その後2017AWに向けた糸のサンプリングをしてきました。

まず、世界中から伊達男が集まるPITTI UOMOへ。

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メンズのFASHIION WEEKに先駆けて開催されるPITTI UOMO。

世界中から伊達男が集まり、あまりの来場者の多さに驚きました。

いわゆるクラシコイタリアのテイスト以外にもデザイナーズやストリート系のブランドの出展もある中でも、来場者の多くはジャケットを着用。
着崩してもエレガントな装いはとても紳士的で改めてメンズファッションの良さを感じました。

ウィメンズと違ってアイテムバリエーションが多くないメンズですが、幅が狭いゆえに奥が深いのが特長です。

洋服のルーツを知り、着こなしの基本形を身につけた上での着崩し。

僕も前職では諸先輩方に勉強させて頂きました。

洋服の背景を知り、そのルーツを学ぶことは、同時に新しい付加価値を生み出す糧となる。

COOHEMはこれまでウィメンズ主体でコレクションを発表してきましたが、モノ作りにおいてメンズファッションの根っこにある「こだわり」や「歴史的背景」を大事にしてきました。

基本に忠実である。

COOHEMはニットブランドで、しかもウィメンズのみですが、その精神は今もなお大切にしています。

メンズのウンチクがウィメンズでは重たいなどと言われたことも多々ありましたが、糸を別注で作る、ボタンを別注で作る、素材をオリジナルで作る。

独自性を大事にすればするほど、さかのぼって、洋服は「糸」から考えるべき。

そんな想いからイタリア出張も今年で6回目となりました。

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夕焼けが美しいフィレンツェから車で30分ほどのPRATO(プラトー)地区へ。
ここはいわゆる「産地」で、紡績、撚糸、染色工場が集積されている糸の産地です。

日本で言うところの愛知県・一宮市と同様、ニットやテキスタイルの元となる「糸」の産地であるPRATOは、自然豊かなイタリアの田園風景です。

COOHEMのファンシーヤーンのメインの仕入れ先であるモンドフィル株式会社のお二人とPRATOの手芸糸を作るファンシーヤーンメーカーを数軒、回りました。

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COOHEMのニットツウィードに欠かすことのできないイタリアのファンシーヤーン。

日本ではなかなか目にすることのできない、イタリア人の感性によるカラーリングは「色の魔術師」とも言える芸術作品です。

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日本語で「意匠糸」と書くファンシーヤーンは、日本にも技術的に負けないくらいの面白い糸がありますが、イタリアのカラーリングは独特です。

Coohemでは、日本での別注糸開発にも力を入れておりますが、これらの糸のようにイタリアに学ぶ点も多いです。

続いて、ミラノに移動しそこから電車で1時間ほどの小さな町Santhia(サンティア)へ。

米富繊維株式会社のある山形県・山辺町のように緑豊かな風景。

天気が良いこの日は最高の眺めでした。

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シャネルツウィードにも使われる高級ファンシーヤーンメーカーVIMAR社を訪問。

イギリスのLINTON社やフランスのMALHIA KENT社も使用するVIMARのファンシーヤーンは、華やかさと高級感では抜きん出ております。
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2013SSシーズンのVIMAR TWEED誕生から3年経ちましたが、COOHEMのVIMAR TWEEDは毎シーズン不動の人気があります。

ラグジュアリーブランドに匹敵する素材開発。
それは、最高の原料(糸)を使い独自性のある編地・ニットツウィードを作ること。

2017AWのVIMAR TWEEDは、「高級感がありながらマニッシュな最高のツウィード」をコンセプトにサンプル糸をオーダーしてきました。

季節的にも暑くなりすぎず天気にも恵まれたイタリア出張。
展示会の視察、SHOPのリサーチ、ファンシーヤーンメーカー回りと盛りだくさんの内容で、とても有意義な旅となりました。

普段、山形と東京を忙しく行き来している中で、海外出張の時は次のシーズンにチャレンジしたいことやブランドの方向性などを考える時間にもなっています。

さて、次回は「米富繊維・COOHEMを支える人達 」第6回目、遂にCoohemニットツウィードのベースを開発した開発室長・鈴木編です。

編地開発40数年のルーツを辿りながら、唯一無二の「ニットでツウィードを作る技術」を開発した彼の軌跡ともいえる内容です。

皆様乞うご期待!

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜営業・渡邉編〜

Director’s BLOG「米富繊維・COOHEMを支える人達 」連載第5回目は、山形本社に勤務する営業の渡邉さんです。

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彼女は文化服装学院を卒業後、2011年に入社。

まだCoohemが立ち上がったばかりの頃に単身、山形へ引っ越してきました。

当時、雪国の慣れない生活環境に慣れるのに苦労しながらも縫製、編立、パターンとあらゆる職種を経験してきました。

現在は本社勤務のCoohem営業として、原料手配、量産進行の段取り、品質管理などデザイナーと生産の「架け橋」になってくれています。

具体的には1シーズンで50型近くある全品番の見積もり、サンプル糸管理、展示会での接客、展示会後のオーダー管理と原料手配、量産進行のための社内用資料の作成と彼女の担当する業務は多岐に渡ります。

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とても地道な作業が多く、1シーズンで100種類くらいの糸の手配、管理は容易ではありません。

技術レベルが高くハードなCOOHEMのモノづくりは、「サンプルは編むことはできたが量産糸では編めなくなった」というトラブルも多く、そんな時に彼女を含め生産スタッフと問題解決をしていきます。

一見、地味に見える彼女の仕事ですが、商品をデザインして、量産、出荷・納品に至るプロセスの中で非常に重要な役割を担っています。

様々な部署で経験を積んできた彼女だからこそ他部署や社外の仕入先、協力工場さんと連携しながら陰ながらモノづくりを支えてくれています。

サンプルアップ後はCOOHEMのフィッティングも担当。

より精度の高いモノづくりをアシスタントデザイナー・神山さんと共に進めていきます。

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また、営業業務の傍ら、雑貨のサンプリング、プロトタイプの開発も担当。

縫製でも経験を積んだ彼女は、雑貨のパターンを自ら作成、縫製、仕上げまで自らの手で新しい商品を開発しました。

PASS THE BATONなどでご覧になった方も多いと思いますが、Coohemニットツウィードのアーカイヴスをリユースしたクラッチバッグやカードケースなども彼女が手がけました。

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営業でありながら、モノづくりも自らの手で行う。

モノづくり企業だからこそのスタイルです。

「住み慣れた都会に戻りたい」と思った時期もありましたが、様々な部署で仕事を通して、少しづつ自信をつけ、壁を乗り越えてきた渡邉さん。

あきらめずに地道に努力することによって成長してきた彼女の姿に、現場の職人たちや僕自身も良い刺激を受けてきました。

色々やってみたからこそ、見えてくるものがある。

入社当初に希望していた職種とは異なる仕事でも、仕事を通して発見する新しい自分。
大切なことは「あきらめないで続ける」ということ。

彼女を通して、僕自身も再認識しました。

そんな渡邉さんは、これまで通りデザイナーと生産の「架け橋」、Coohemとお取引先であるバイヤーやお客様との「架け橋」として今後も活躍してくれることでしょう。

さて、次回はイタリア出張のレポートです。
2017AUTUMN&WINTERに向けたモノ作りがスタートします。
イタリアのファンシーヤーンメーカーを巡る旅。ここからモノ作りが始まる出発点。

皆さん、乞うご期待。

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜OEM営業・安藤編〜

「米富繊維・COOHEMを支える人達」連載第4回目は、OEM営業の安藤さんです。
これまでCOOHEMの若いスタッフを中心にご紹介してきましたが、米富繊維株式会社のベテランスタッフもご紹介していきます。

彼のキャリアはニット業界30年を越え、ニット工場、紡績工場、撚糸メーカー、糸商と渡り歩き、2006年に米富繊維株式会社に入社。

まさに「糸」に関して社内に右に出るものはいない原料のスペシャリスト。

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日本全国の糸商、紡績工場、撚糸メーカーにネットワークがあり、米富繊維株式会社の原料手配を一手に担ってくれています。

僕もアシスタントデザイナーの神山もイメージに近いニットテキスタイルを作るために原料で迷ったら、まず彼に相談。僕らにとっての「糸博士」のような存在です。

Coohemが力を入れている別注糸の開発にも力を発揮してくれており、開発に関して最適なメーカー、工場の選定など彼のネットワークと経験なしでは成し得なかったと思います。

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長い経験の中で蓄積された糸の情報や紡績、撚糸の知識は、勉強したから身につくものでもなく、仕事を通して続けることで身についたもの。

近年、不景気から原料の開発が中止になったり、昔に比べてバリエーションが少なくなってきていることも事実ですが、COOHEMを中心に米富繊維株式会社としても別注糸を自社リスクで開発、全ての取引先に提案していくプロジェクトもスタートしました。

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安藤さんのような経験豊富なスタッフがいるからこそできる提案。
ニットは「糸」からはじまり、「編地」になり、デザインされることで「商品」が完成する。

ニットデザイナーにとってデザインの元となる「糸」を極めることは、「デザイン」を極めることと同様の意味を持ち、Coohemが唯一無二のオリジナリティを発揮できるのは、彼のようなスタッフが陰で支えてくれるからなのです。

彼は社歴では私の一つ上の先輩であり、モノ作りの世界に入って右も左もわからない僕に色々とニット業界のことを教えてくれた一人です。

Coohemがスタートした当初、一緒にサンプルを持って新潟、北陸地方のセレクトショップへ一緒に営業に行ったことも今では良い思い出の一つとなっています。

また、OEM営業としてもセレクトショップやデザイナーブランドの取引先も担当しており、原料に強みがある営業スタイルは取引先のデザイナーさん達にも人気があります。

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こんなお茶目なところもある彼は米富繊維のムードメーカーでもあります!

 

ファッションブランドは、商品やデザイナーばかりにスポットが当たりがちなのですが、その陰には協力工場の職人さんの技術だったり、工場とブランドをつなぐベテランOEM営業の経験によって世に出る商品がほとんど。

Coohemでは通常、中心になっている若いメンバーが展示会やイベントなどで接客をさせて頂くのですが、安藤さんのようなベテランスタッフの協力なくして、あのモノ作りは実現できません。

ブランドや会社の可能性を広げるのは、若い職人だけではなく、こうしたベテランのスタッフの技術や経験が裏にある。

そういった背景にあるもの、Coohemとしても大事に思っており、そして皆さんに知っていただきたいと考えております。

そんな「糸博士」安藤さんの経験をいつかブランド化できればと。
僕たちが開発した別注糸を海外のラグジュアリーブランドに提案する日が来るかもしれません。

少なくとも彼の作ったCoohem別注糸が組み合わさり、商品になり、海外で展開されている今、可能性はゼロではない。

そんな日が来ることを楽しみにしつつ、彼の原料開発は続くのでした。

さて、次回の「米富繊維・COOHEMを支える人達」連載第5回目は、営業・渡邉さんです。
ご期待ください。

Director 大江

初の地元・山形で開催Coohem CUSTOMIZE KNIT TWEEDに想う

5月27日〜29日の3日間、山形の「とんがりビル・KUGURU」にてブランド初となる地元・山形でCOOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEEDイベントを開催しました。

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COOHEMはこれまで、「山形」の会社で「山形」の人達を中心に作られてきていながら、都内を中心に展開をされてきており、ブランドスタートして5年間、ほとんど地元・山形で露出することはありませんでした。

この度、様々なご縁で昨年オープンしたこの「とんがりビル」にて、3月の渋谷ヒカリエにて発表されたTOKYO FASHION AWARD凱旋イベントと同様、アーカイヴスの展示や工場でのモノ作りムービーの上映なども合わせてブランドの世界観を知っていただける内容のイベントとして開催しました。

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中には秋田県からご来場頂いたCoohemファンのお客様や普段は、展示会やイベントを見る機会があまりない仕入先の糸屋さん、現場で働く社員やその家族も多数来場。

地元・山形でのCoohemならびに米富繊維株式会社の認知度向上も目的としたイベントでしたが、普段は工場の中で手間と時間を惜しまずハードなCOOHEMのモノ作りを支えている現場の職人たちが自分たちの商品にスポットが当たって展示されている光景を初めて目にする機会にもなったことがとても良かったなと思いました。

家族連れで来場し「これは俺が編んだんだよ」「これは縫うのが大変だった」と説明する声を聞くたびに、社内スタッフもまた自分の家族や恋人、親や兄弟に自分の「仕事」を改めて見てもらう機会が貴重なものだなと感じました。

企画や営業のスタッフは、国内外の展示会やイベントを運営するため、作られた商品の「晴れ舞台」を見ることができますが、モノ作りの現場のスタッフは東京などに出張して全員が見ることができるわけではありません。

普段、当たり前のように編んで、縫っている商品にスポットライトが当たっている。
それは、彼ら彼女らの仕事にスポットが当たっていると同様なのです。

このイベントを見た一人でも多くの社内スタッフが、小さな感動を覚えたり、自分の仕事にプライドを持てたのなら社内的にも大変有意義なイベントだったと思います。

また、地元にもCOOHEMを好きなファンの方も多く、これまでWEBでのみ見ていたものが実際に手にとって見ることができたのも良かったのだと思います。

これまでファッションは「東京」を中心にその他の「地方」に伝わっていくことがセオリーでした。
その商品の大半は「地方」で作られていますが、その「地方」の人達にとってリアリティに欠ける関わり方だった気がします。

近年では、若者の地元志向が強まり、地方でも面白いSHOPやあえて地方から発信するブランドが多く見受けられるようになりましたが、なんでもかんでも「地方の良いもの」「MADE IN JAPAN」が良いわけでわはありません。

モノだけではなく、その背景にあるもの、ストーリーへの関心やリスペクトが求められる時代。
僕たちはモノ作りの企業ですが、同時にそのストーリーの一員でもあります。

「伝えるべき」ことを「伝える」ブランドへ。

一つのファッションブランドとして、かつローカルからグローバルに発信するブランドとしても、大切なことであり、Coohemに関わる全ての人達とそれぞれの想いをその時代の気分を取り入れながら発信していきたい。

そういった時代感の中で、溢れるほどのブランドとの競争の中で生きているCoohemが、ブランド5周年を経て新しいステージとしてローカライズしていくことも重要だと感じています。

正直なところ、僕も「東京」に憧れ、上京しファッションの世界に入ったわけですが、こうして地元・山形の企業でブランドを立ち上げ、めまぐるしく東京、パリとコレクションを発表してきて、今改めて「地元・山形とどうコミットしていくのか?」を考えさせられる機会となりました。

様々な気づきもあった初の地元・山形での凱旋となったイベントですが、今後も機会があれば開催していきたいと思います。

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜アシスタントデザイナー・神山編〜

Directo’s BLOG「米富繊維・COOHEMを支える人達 」連載第3回は、山形本社に勤務するCoohemアシスタントデザイナー・神山さんです。

彼女はイギリス・ロンドンのファッションスクールで学び、現地でいくつかのブランドのアシスタントデザイナーを経験した後、日本に戻りCoohemと出会いました。

彼女曰く、友人の紹介で初めてCOOHEMを知って「こんなにニットでこだわっているブランドはない!」と衝撃を受けたとのこと。

ちょうど表参道のPASS THE BATONでCUSTOMIZE KNIT TWEEDイベントを開催していた頃でした。

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彼女と出会ったのは2013年。

突然、履歴書が送られてきてすぐに面接をしました。
面接当日、オフィスへの道がわからず慌ててたどり着いて扉を開け、すぐに鍵を閉めた神山さん。。

面接に意気込む彼女の熱意を感じた瞬間でもありました。。
海外生活が長く「部屋に入ったら鍵をすぐ閉める」癖がついていたそうです。。

そんな彼女は入社後、編立に配属され編機メーカー島精機での研修を経て、COOHEMのサンプルやニットテキスタイルの開発を担当しました。

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ニットでテキスタイルをデザインするCoohemでは、糸や編組織、編機の種類や構造を理解した上で商品を企画する必要があります。

業界では「ニットデザイナーができる人がいない」と言われる昨今ですが、神山さんのように山形本社工場で自らの手を動かし、職人達と現場で経験を積んだ上でデザイナーになる人は貴重な存在と言えます。

この編立という部署、これまで何人もの若手が挑戦しましたが、非常に奥が深いモノづくりで、編めるようになるまでに挫折してしまう人も多いのが事実。

そんな中で彼女だけは、途中で諦めないで地道に技術を積み上げて理解を深めていきました。

その傍ら米富繊維株式会社がニットメーカーとして出展する展示会でOEM、ODM取引先への提案サンプルのデザインも手掛けました。

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彼女のクリエイティビティの特徴は、時代のトレンドやニーズをくみ取り、米富繊維のテクニックをほどよくデザインに落とし込むことです。

入社後、数年でヒット品番のベースをデザインするなど海外のファッションスクールで鍛えられた能力を感じました。

また、海外留学の経験を生かし、パリの展示会では技術的に難しい内容を流暢な英語で海外バイヤーに説明できることも強みの一つです。

前回の海外営業・松岡さん同様にロンドン留学の経験を生かした彼女のポテンシャルは、今後のCOOHEMの世界展開で発揮されることでしょう。

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挑戦と失敗を繰り返し、デザイナーとしての経験を積み上げていくこれからの彼女に期待することは、インターナショナルな感覚でデザインし、世界中の顧客にCOOHEMのモノづくりを発信すること。

自らの想いをデザインに置き換え、Coohem卸先のSHOPやお客様、協力工場、仕入先、社内スタッフと取り巻く全ての人達に共感してもらえる商品を作り出していってほしいと思います。

「SMALL is POSSIBLE」

小さいブランド、会社だから可能になる経験やモノづくり。

初めてCOOHEMを見たときに感じた「衝撃」。

今度は彼女自身の手によって時代感をほどよく取り入れて、しなやかにCOOHEMを進化させ他の誰かに「衝撃」を与える商品を作り出していってくれるでしょう。

さて、次回は連載第4回と続きたいところですが、先日開催されたブランド発の地元・山形でのCUSTOMIZE KNIT TWEEDイベントの様子をレポートします。

お楽しみに。

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜海外営業・松岡編〜

Director’s BLOG「米富繊維・COOHEMを支える人達」連載第2回は、東京オフィスにてCOOHEMの海外営業を担当する松岡さん。

 

彼女は大手セレクトショップアシスタントバイヤー、広告代理店経て米富繊維株式会社の東京オフィススタッフ第1号として2012年に入社。

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Coohem立ち上げから2年が過ぎた当時、企画と営業を1人でしていた僕は猫の手も借りたいほど急激に忙しくなり、自分の右腕となるスタッフを探していた時にお取引先様の紹介で彼女と出会いました。

モデルさながらの風貌の彼女は、なんと米富繊維株式会社の本社がある山形県の出身。

「東京に居ながらにして故郷・山形の企業が手がけるCoohemで自らのキャリアを生かしたい」というのが志望動機でした。

ロンドンに留学していた彼女は英語が堪能で、Coohem海外進出の原動力となってくれました。

転機となったのは2013年3月、N.YのJeffreyのオーダー獲得をきっかけに本格的にフランス・パリの合同展示会出展。

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彼女自身、英語は話せるものの、海外出展や輸出のノウハウも全くない状態まさに体当たりの営業。

その後もパリ、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ソウル、成都、上海、台湾など僕と一緒に世界中をCOOHEMのサンプルを持って駆け回り、外国人相手のハードな交渉も持ち前のガッツで物怖じしません!

海外ビジネスを始めて3年、今では世界各都市に15のアカウントを持ち、Coohemが海外で認められつつある今日まで海外営業として、またCoohem営業リーダーとして頑張ってくれています。

海外営業以外にも国内卸先へ営業、シーズンビジュアルの作成や商品企画の検討やアドバイス、メディア取材対応と大忙しの毎日を送る彼女ですが、今やCoohemと言えば松岡さんというほどブランドの「顔」となっています。

クールなルックスとは裏腹に商品やモノづくりに対しても非常に熱い想いを持っており、サンプル検討では僕と意見が衝突することも多々あります。。

服屋としてよりクオリティの高い商品を作り、ブランドをよりグレードアップさせたいという気持ちが強いことも彼女の個性。

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ブランド規模がさほど大きくないCOOHEMのようなチームだからこそ、携わる人達それぞれのキャリアや能力がブランドの可能性をさらに大きくするのだと感じています。

結婚し東京に居ながらにして、自分のキャリアや能力を故郷・山形の企業で生かしたい。

そんな彼女の想いは、Coohemに世界展開という新たな可能性を示してくれました。

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ファッション業界であらゆるブランドに携わり、ワールドワイドに活躍する彼女が挑戦したいことは、COOHEMのフルオーダーメイド外商ビジネスと米富繊維の技術をベースに大人の女性に向けた新ブランドを立ち上げること。

いつか、彼女がディレクションする新しいブランドが米富繊維株式会社の自社ブランドとしてデビューする日が来るかもしれません。

非常に楽しみですね!

さて、第3回は、山形本社に勤務するCOOHEMのアシスタントデザイナー・神山さんです。

皆さん乞うご期待!

Director 大江

米富繊維・Coohemを支える人達 〜パタンナー・山田編〜

めっきり暑くなって夏が近づいてきたこの頃ですが、COOHEMを運営している米富繊維株式会社の山形本社工場は、2016AW量産商品の生産と2017SSサンプル作成の真っ只中です。

そんな中、今週より数回にわたってDirector大江より「米富繊維・COOHEMを支える人達 」と題してCOOHEMのモノづくりを支えるスタッフをご紹介していきます。

第一回は、山形本社でパタンナーとして頑張っている山田さん。

彼は2014年に入社、京都の大学で建築を学んだ後に東京の服飾専門学校を経て米富繊維株式会社に入社しました。

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セレクトショップやデザイナーブランドのOEM取引先と自社ブランドCOOHEMのパターンメイキングを担当しています。

 

それ以外にも建築を学んできた彼らしくCOOHEMの展示会用什器やビジュアル備品なども自らデザイン・設計、ホームセンターで材料を集め自分の手で作ってくれました。

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こちらの什器、都内百貨店、セレクトショップのCOOHEMのPOP UP SHOPでご覧になった方も多いのではないでしょうか?

そう、これは彼が社内でパターンメイキングの傍ら作成したCoohem完全オリジナル什器なのです。

 

それ以外にもVINTAGEのスチール椅子をCOOHEMのテキスタイルに貼り替えたり、手先が器用な彼は、僕のリクエストを何でも形にしてくれました。

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元々、自らの手を動かしてモノづくりをすることが好きだった彼は、COOHEMのテキスタイルを使って全く新しい分野のプロトタイプを作り出しました。

現状では展示会用の備品や什器として使っていますが、まさに新しい付加価値を自らのキャリアを生かしつつ表現してくれています。

彼が米富繊維に入社して最初手がけたのは、旧社屋で使っていたスチールの業務用棚のカラーリングをし直すことでした。

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COOHEMのテキスタイルのように「色」が変わるだけで、全く違う印象に生まれ変わりました。まさに彼自身の手によって古びたスチール棚に光が当たり、新しい付加価値を輝かせた瞬間!

近い将来、そんな山田さんからCOOHEMのライフスタイル業態「COOHEM FURNITURE」が生まれる日がくるかもしれません。

 

米富繊維株式会社ならびにCOOHEMのチームには様々なキャリアのスタッフがおり、それぞれデザイナー、パタンナー、営業など職種も様々ですが、皆モノづくりが好きで自らの得意分野を生かして、このように全く新しい分野のモノづくりにも挑戦しています。

彼自身パタンナー・職人としてのキャリアをスタートしたばかりですが、少しずつ技術を身につけつつ、彼にしかできない「COOHEM FURNITURE」を将来実現してほしいです。

 

次回は東京オフィスにてCOOHEMの海外営業を担当している松岡さんにバトンタッチです。

ご期待下さい!

Director 大江

若き情熱を持った「職人」求む!

今年に入り、1月パリSHOWROOM.TOKYO、2月ラスベガスLIBERTY FAIR、3月パリTRANOIと毎月、海外出張とワールドツアーし、その間に各卸先でのCUSTOMIZE KNIT TWEEDイベント、東京での展示会と 忙殺されBLOGに全く手をつけられない事態に。。

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現在は2017 PRE SPRING、SPRIMG & SUMMERのモノづくりの真っ最中ですが、今年の前半戦も終了に近づいてきました。

さて、話変わって現在、来年度新卒採用の時期で学生の皆さんは、就職活動真っ只中の頃かと思います。

弊社、米富繊維株式会社およびCoohemにおいても、これからブランドの世界展開を一緒に目指していく若き情熱を持った職人予備軍である方を募集しております。

(詳細は下記を参照)

http://www.yonetomi.co.jp/?page_id=487

COOHEMのチームは僕を入れて7人、営業と販促は東京オフィス、企画と生産は山形本社で勤務しております。

大手のセレクトショップで販売員やアシスタントバイヤーを経て入社したスタッフや新卒採用で入社後、工場で縫製や編立現場で手を動かしながら技術を身につけた後に営業、生産管理やデザイナーになったスタッフなどそのキャリアも様々です。

 

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特にモノづくりに関しては、国内外の専門学校を卒業した後、単身山形へ引っ越しをして頑張っている若いスタッフが中心となり、勤続40年ベテラン職人と共にモノづくりに真摯に向き合っています。

彼ら彼女たちの成長と共にCOOHEMもこの短期間で進化をしてこれました。

そして、これからも大いなる可能性を持って進化し続けられると。

「職人」というと、寡黙で一見、気難しそうなオジさんが淡々と手を動かしているイメージがありますが、手に職を持つプロフェッショナルとしての現代の「職人」は、PCやスマホなどデジタルガジェットを使いこなし、また流暢な英語力を生かし、工場は地方でも世界に向けてパリやニューヨーク、ミラノを舞台に駆け回る。

自分たちで作った商品を世界中の顧客に対してプレゼンテーションする。

そんな若き情熱を持った職人を目指したい方と一緒にブランディングしていきたいと考えています。

興味がある方は是非、米富繊維株式会社およびCOOHEMのRECRUITをご覧ください。

 

Director 大江

Coohem が大切に思うこと

前回のBLOGでもご紹介しましたが、COOHEMはこの秋で皆様に支えられてブランド5周年を迎えます。

東北の小さなニット工場から生まれたファクトリーブランドも、商品を展開してくださる各SHOPの皆様、仕入先、協力工場の皆様のご協力のもとモノづくりを続けてこれました。

糸作りやボタンから別注にこだわり、ニットツウィードの開発からデザインにいたるまで独自性を追求してきたブランドCoohem。
これまでたくさんのお客様にお買い上げを頂きました。

卸先である各SHOPにもお取引スタート時、または店頭での商品説明会を実施した際にお伝えしているのですが、今回は「末長くCOOHEMを着て頂くために僕たちCoohemが大切に思うこと」修理、アフターケアがテーマです。

実は、初めて知る方も多いかもしれませんが、Coohemではシーズンを問わず「糸のひっかけ」に関するお修理は原則、無料でうけたまわっております。

*送料はお客様負担とさせて頂いております。

COOHEMのニットツウィードって、織物のツウィードにはないファンシーで立体的な生地感が特徴なのですが、それゆえにアクセサリーやバッグの金具、ボトムスは椅子の端、都心にお住いの方は冬の満員電車で誤って糸がひっかけてしまうのでは?とヒヤヒヤした方も多いことと思います。

当然、「ひっかけ」以外にもボタンの外れや生地の滑脱等、ケースバイケースでお修理をご相談いただき、一部お修理代金が発生する場合もありますが、ブランドの基本スタンスとして「半永久的に修理が受付可能であること」「極力、お買い上げ時に近い状態を目指した修理等を施し、お客様に末長く商品を着ていただけること」を第一と考えております。

みなさんも大切にしていた洋服やお気に入りの洋服が、なんらかの原因で修理が必要な状態になってしまい「どこに修理に出して良いかわからない」という経験があるかと思います。

COOHEMは山形県の自社工場内で一貫生産しているため、修理後の最終アイロンもその商品が生産された際と同じ状態でプレスしお客様にお返ししております。
*一部、雑貨に関しては協力工場にて生産しています。

この度、Coohemホームページ上に新たに「CUSTOMER SERVICE」コンテンツを設け、メールフォーマットより修理依頼ができるようにいたしました。

https://coohem.jp/cs/

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詳しくは、こちらのホームページコンテンツを見ていただきたいのですが、お買い上げ頂いた店舗を問わず、COOHEMのブランドネームがついた商品全てがシーズンを問わず対象となります。

なぜ、ブランドホームページに専用コンテンツを設けたのか?
それは、ニットのお修理自体は非常に難易度が高く、修理方法や料金、納期などをご説明する場合、作り手である僕たち自身がお客様にご説明した方が伝わりやすいと考えたからです。

こちらのコンテンツに関して、今後も修理風景の動画やお客様ご自身でできるアフターケアも含めて順次バージョンアップしていきたいと考えております。

徹底的にこだわったモノづくりをした商品をいつまでも長く、良い状態で着て頂くためにスタッフ一同ご対応をさせて頂きますので、まずなにか不明点などがあれば気軽にご相談ください。

これが「Coohemが大切に思うこと」

いつまでも長く着ていただけるCUSTOMER SERVICE

今後ともどうぞよろしくお願いします。

Director 大江

Coohem 5th anniversary に想う

今年もあっという間に9月となりました。

最後にBLOGを書いたのはいつ頃か?見返してみて「上海出張」から全然手をつけられておらず。。

大変失礼いたしました。

多忙にもほどがあるというか、以後、気をつけます。。

さて、早いもので2010 AUTUMN&WINTERのブランドスタートからこの秋でCOOHEMも5th anniversary <5周年>となります。

ブランド設立当初は2名(私とデザイナーの豊永)しかいなかった小さなブランドは、スタッフも増え今では海外ビジネスを展開するブランドとなりました。

お客様、卸先のSHOPの皆様、仕入れ先である糸屋さん、染色工場、協力工場の皆様、社内の現場スタッフとたくさんの支えがあって「今」があると感じております。

改めてこの場をおかりして感謝申し上げます。

Coohemが世にデビューしたのは、5年前の2010年4月、東京で開催された小さい合同展示会でした。
初めての展示会で右も左もわからず、時間が過ぎていったことが思い出されます。最初のお取引先は4件のセレクトショップ。
ニットジャケット、スカートを中心にオーダーをいただきました。

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*写真 2010AUTUM&WINTER PLUG-IN

Style: "coohem"
*写真 2010 AUTUM&WINTER

その後、幸運にも3シーズン目にあたる2011 AUTUMN&WINTERコレクションをパリの合同展示会ATMOSPHERESにて発表。

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*写真 2011AUTUMN&WINTER PARIS ATMOSPHERES

この時は、残念ながら海外の取引先は決まらなかったのですが、国内大手百貨店を中心に一気に販路が広がりました。

その後、都内各地でPOP UP SHOPを開催したり、地方のセレクトショップにサンプルを持って行きSHOPの方と直接お話をして少しずつお取引先が増えていきました。

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*写真 2013SPRING&SUMMER

ジャケットを主体としたCOOHEMのコレクションもシーズンを重ねるごとに様々なアイテムを手がけるようになり、2013SPRING&SUMMERコレクションでニューヨークの有名セレクトショップからオーダーを獲得。

続く2013AUTUMN&WINTERに再び海外ビジネスへの挑戦がスタートしました。

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*写真 2013AUTUMN&WINTER

この2013AUTUMN&WINTERコレクションは、COOHEMのターニングポイントとも言えるシーズンで、秋冬ではCOOHEMを代表するアウターとなったTWEED DOWN JACKETやNATIVE TWEEDなど新しいアイテムが次々と誕生したコレクション。

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*写真 2013AUTUMN&WINTER PARIS SUR MODE

2度目の海外出展となったパリの合同展示会PARIS SUR MODE。

世界のバイヤーたちを驚かせた本格的な海外デビューとして今でも鮮明に覚えております。

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パリの展示会を終え、ニューヨークへ。

前述したニューヨークの有名セレクトショップにて初の商品説明会。
体当たりで臨んだ商品説明会は「商品があれば、言葉や文化の壁を越えられる」「モノそのものが、モノづくりのこだわりを体現してくれている」ということを僕に教えてくれました。

このことは、後の韓国、香港、台湾、中国、ロサンゼルス、ロンドンなど海外での営業につながっていったと思います。

2014SPRING&SUMMERでは、これまでの商品開発の中でまさにCOOHEMのマスターピースと言えるCoohem×MoonStarが誕生。
*2014SPRING&SUMMER Coohem×MoonStar

ニットの編地をシューズにするという発想は、当社のベテラン職人達も当時は「あいた口がふさがらない」状態で社内でも驚かれたことが懐かしく感じます。

そのほか、ここに書ききれないくらいたくさんの出会いによって生まれた商品だったり、イベントだったり、いろんなことがありました。

モノづくりもプロモーションも営業も、ただひたすら徹底的にこだわりを持って、できる限り自分たちの手で進んできた5年間だったように感じます。

そして、この記念すべき5th anniversary <5周年>に際し、COOHEM ONLINE SHOP限定のLIMITED TWEEDをリリースします。

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*2014SPRING&SUMMER Coohem×MoonStar

ニットの編地をシューズにするという発想は、当社のベテラン職人達も当時は「あいた口がふさがらない」状態で社内でも驚かれたことが懐かしく感じます。

そのほか、ここに書ききれないくらいたくさんの出会いによって生まれた商品だったり、イベントだったり、いろんなことがありました。

モノづくりもプロモーションも営業も、ただひたすら徹底的にこだわりを持って、できる限り自分たちの手で進んできた5年間だったように感じます。

そして、この記念すべき5th anniversary <5周年>に際し、COOHEM ONLINE SHOP限定のLIMITED TWEEDをリリースします。

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ブランドカラーである「赤」をテーマにしたLIMITED TWEEDは、定番のノーカラージャケットとスカートのセットアップ、大人気品番となったTWEED DOWN JACKET、Coohem×MoonStarのツウィードスニーカーやCA4LAとのコラボレーションハット、クラッチバッグとこれまで開発してきたアイテムで表現しています。

今回、このBLOGにてご紹介してきたCOOHEMの5年間の集大成とも言えるLIMITED TWEED、COOHEM ONLINE SHOPでは9月18日(金)より販売開始となります。

是非この機会にCOOHEMの5年間のモノづくりのコダワリや進化を感じていただければと思います。

次の5年、ブランド10周年に向けて、スタッフ一同真摯にモノづくりと向き合っていきたいと思います。

引き続きお引き立てくださいますようお願いいたします!

Director 大江

中国出張 〜上海・成都の旅〜

2015年になり、年明けからバタバタして昨年同様にBLOG更新も滞っておりました。。

さて、今年1回目の海外出張は中国。

上海・成都の旅でした。

いつもはパリの展示会、フィレンツェのPITTI FILATI、ニューヨークへの営業など欧米諸国が中心でしたが、今回はCOOHEMのお取引先様であるセレクトショップにて商品説明会を実施、また近年、経済成長著しい中国マーケットの視察が目的でした。

まずは上海。東京から飛行機で約3時間。

ホテルにチェックイン後、街へリサーチに出かけました。

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東京と同じくらいの気候とのことでしたが、夕方からとても寒くなり、街行く人達も皆、ダウンジャケットを着ていました。

街にダウンジャケットの専門店があるほどの人気で、そのバリエーションの豊富さに驚きました。

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目抜通りから一本入ると、昔ながら?というか雑多な中国が垣間見れましたが、ファストファッションの旗艦店がならぶファッションストリートは、原宿の明治通りさながらの発展ぶりが印象的でした。

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まだ中国では、一部の香港系のセレクトショップを除いて、いわゆる日本でいう「セレクトショップ」という業態は非常に少なく、ラグジュアリーブランドとファストファッションの2極化したマーケットが特徴です。

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上海にある10 CORSO COMOくらいしか、まとまってデザイナーブランドを展開しているところがありませんでした。

しかし、日本の人口と同じくらいの富裕層がいると言われる大国、中国。

今後、急速な勢いで変貌を遂げる日がくるかもしれません。

続いて、上海より国内線で3時間の成都へ。

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こちらも基本的には上海同様にラグジュアリーブランドとファストファッションの旗艦店がならぶエリアですが、北京、上海に次ぐファッションマーケットとして世界中のグローバルブランドの出店が続いているとのこと。

成都の人は消費欲旺盛で、「貯蓄をしないで消費してしまう」ことが有名らしく、今後の発展が期待されていることもうなずけます。

現在、COOHEMは成都の高級百貨店MAISON MODE内にある「J.I 」というセレクトショップにて展開されています。

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日本のブランドを集めたセレクトショップで、VISVIMやUNDER COVER、MUVEIL、plumpynuts などを展開しています。

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約1時間半におよぶ商品説明は、たくさんのスタッフを前に緊張しましたが、とても真剣に、熱心に聞いてくださったので非常に盛り上がりました。

今回の旅で強く感じたことは、「百聞は一見に如かず」。

やはり自分の目で見てみなないとわからないことがたくさんあります。

僕たちはファッションの世界で仕事をしていて、その文化、歴史の長さから欧米諸国に憧れを強く抱きがちですが、現実、世界ではアジアのマーケットが急速に発展してきています。

その中で、日本のブランドとしてアジアをどう感じ、とらえていくのか?

考えるところも多いにあった「中国出張 〜上海・成都の旅〜」でした。

僕が PASS THE BATON で …

11月に入り、怒濤の2014年もあと2ヶ月となりました。

今年は年始から香港、台湾に出張、その後はパリの展示会、夏にはニューヨーク、ロサンゼルス、9月末にパリの展示会と海外出張が多い一年でした。

2015SPRING&SUMMERの展示会も終え、ちょっと落ち着いてきたこの頃ですが、11月6日よりPASS THE BATON表参道店にて毎年恒例となった『COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED』のイベントが開催されます!

このイベントは昨年の4月より実施しており、今回で3回目。

COOHEMのオリジナルニットツウィードが生み出される過程で残念ながら世に出ることの無かった試作、一部キズなどで使用することができなかったニットツウィードのガーメントなどを何か有効利用できないかなというのが始まりでした。

皆様ご存知の通り、PASS THE BATONというSHOPは、

『NEW RECYCLE』をコンセプトに高級品や低価格な品物だけを販売する
従来のリサイクルショップではなく、個人のセンスで見いだされた品物や、使っていた人物の人となりが伝わる品物を扱う新しいリサイクルショップ。

(PASS THE BATON WEBサイトより引用)

であり、僕自身このSHOPコンセプトにとても共感していて、大好きなSHOPの一つでもあります。

僕たちは新しいファッションを半年間のサイクルで開発、世に提案していくことを生業にしています。
トレンドや時代感という不確定なものに新鮮さを感じ、『今』を追求していく職業とも言えます。

僕自身、常に進化を問われる職業でありながら、一方で5年前に買った服でも愛着があって着続けている、思い出があってなかなか捨てられない服などクローゼットがパンパンになるくらい持っていたりする。

以前作ったCOOHEMの服、昔開発したニットツウィード、発表したシーズンが数年前だからといって決して「古い」「新しくない」というわけではないのではないか?

職業と一見、矛盾しているようなこの感覚をクリアにしてくれたのが、このPASS THE BATONというSHOPでした。

この新しい(NEW)、循環(RECYCLE)という考え方が、僕がPASS THE BATONでCOOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEEDを開催する理由。

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*写真は2013年4月のもの

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*写真は2013年11月のもの

産業廃棄物として破棄するはずのニットツウィードをパーツ状に裁断し、ボディのアイテムにカスタマイズで付けることができる。

クラッチバッグの生地の組み合わせをカスタマイズできる。

本来、捨ててしまうかもしれないものが、少しだけ見方を変えたり、デザインの力で新しいものに生まれ変わる。

それって、とても素敵なことなんだと思います。

この『COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED』というイベントは、単なる期間限定POP UP SHOPではなく、Coohemが長い時間をかけて作り上げてきたモノ作りを少しだけ感じて頂いて、かつお客様自身でカスタマイズすることによってデザインして頂くことができるイベントです。

お客様と一緒に楽しく『新しい(NEW)、循環(RECYCLE)』しながら、ついでにCOOHEMのモノ作りの姿勢(何度も何度も試行錯誤を繰り返しながら作り上げるニットツウィード)を感じて頂けたら幸いです。

第3回目の今回は、ボーダーバスクシャツに胸ポケット、エルボーパッチ、両方付けるなど選べるNEWアイテムが登場。

昨年好評だったカシミヤに引き続き、定番のクラッチバッグのカスタマイズもできます。

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<INFORMATION>

期間:2014 年 11 月 6 日(木)~ 11 月 30 日(日)
場所:PASS THE BATON表参道店

今回は新たに『COOHEM meets BORDER BASQUE SHIRT
─CUSTOMIZE KNIT TWEED─』と題し、1年を通して着て頂けるボーダーバスクシャツのカスタマイズができます。ワードローブに是非1枚、世界に一つだけのバスクシャツをオーダーしてみませんか?
SIZE1、SIZE2の2サイズをご用意し、ユニセックスでお好きなサイズ感をお選び頂けます。

昨年好評だったCASHMERE KNITのカスタマイズ、恒例のクラッチバッグのカスタマイズもオーダー頂けます。

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11月6日(木)19:00よりRECEPTION PARTYも開催します!

皆様、是非お誘い合わせの上遊びにいらして下さい!

ご来場、スタッフ一同お待ちしております!

Director 大江

『付加価値が生まれる場所』

8月が終わり、もう9月。夏の暑さの厳しさを今年は少し感じないこの頃です。

COOHEMのお取り扱い店舗でもすっかり秋物が提案されており、TEAM COOHEMもブランド立ち上げ時から続けてきている商品説明会を各社で実施しています。

この商品説明会というのは、私をはじめCOOHEMのスタッフが展開店舗のショップスタッフに向けてブランドの説明、モノ作り、商品の特徴やケアなどを説明することです。

まだCoohemには直営店が無く、直接お客様にCOOHEMをご紹介頂くのは各SHOPのショップスタッフの方々。
僕たちが考えていること、商品に込められた想い、ストーリーを正しくお伝え頂くために可能な限り実行しています。

売り場のスタッフが魅力的にCOOHEMの商品をお客様にご紹介頂く。

ただ「モノを買う」のではなく、「買って良かった!」と思ってもらい、「また買いたい!」「すぐにでも着たい!」と感じてもらえるためにブランドとしてショップスタッフの接客の何らかの力になれるように。

お客様が買い物をする「売り場」はそういった感動が生まれる場所であり、僕たちの作った洋服に最後の『付加価値が生まれる場所』であるため、この商品説明会という機会を大切に考えております。

先々週、2015AWに向けた素材探しのため、愛知県一宮、大阪泉大津、京都と出張したため、普段なかなか足を運ぶことができない関西の卸先2社(梅田阪急、京都伊勢丹)でも商品説明会を実施してきました。

さて、今回のテーマは『付加価値が生まれる場所』。

先日の出張の様子も交えて今、強く感じることを書きたいなと。

今回は、ニットの糸のモノ作りでは最大の産地である一宮を中心に、撚糸屋、カスリ染め染色工場、梳毛紡績工場、テキスタイル開発力に定評がある糸商、カシミヤ紡績工場、イタリア糸のエージェントと盛りだくさんの内容でした。

特に個人的にはカスリ染め染色工場とカシミヤ紡績工場は初めて工場見学をさせてもらいとても勉強になりました。

この「カスリ染め」、感じでは「絣」と書きグラデーション状にたくさんの色を1本の糸に染めていきます。

COOHEMのニットツウィードはこの「カスリ染め」のファンシーヤーンを軸に構成するため様々な糸を使う中で重要なポジションとなります。

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様々な色の染料がそれぞれのポジションに注入されていきます。

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これは現在使用しているCOOHEMの別注色ファンシーヤーン。
ツウィードにすることを前提にして、編み込んだときにベストな見え方になるようにピッチを調整して染められています。

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染色工場は水を多く使い湿度も高く、夏場のこの時期は工場内の気温が外よりも暑いというハードな環境ですが、親切に質問にも御対応頂きました。

続いてカシミヤ紡績工場。

日本の大阪・泉大津には、CCMI(カシミヤ及びキャメル製造業者協会)という国際機関に認定されたカシミヤ紡績工場が2社あります。
かの有名なイタリアの高級メーカーであるLoro Piana社やZegna社と並び日本のメーカーもその品質基準、管理能力、紡績技術が認めれております。

CoohemでもCOLOR MIX CASHMEREシリーズが定番化しており、前回のBLOGでご紹介したCASHMERE VIMAR TWEEDのベースもこちらのカシミヤ糸を使用しています。

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カシミヤが原料が全てということで、良い原料を良い商品にするため各工程での番手ムラのチェックなどとても手間と時間をかけてカシミヤ糸は作られております。

ここで全てをご紹介はできないのが残念ですが、日本にもこういった手間と時間を惜しまず真摯にモノ作りをしている工場、メーカー、職人さん達がたくさんおります。

モノ作りの現場は、まさに『付加価値の生まれる場所』。

1つの商品が原料から糸になり、染色されて、編まれて、縫製されることによって形作られ、お店に届けらる。
お店では、レイアウトされ、接客でご紹介されることによって付加価値の連鎖が続き、最終お客さまの手元に届くという長い道のりを経ています。

COOHEMはモノ作りの会社から生まれたブランドという背景もあり、今後もこの二つの『付加価値が生まれる場所』から『付加価値が生まれる場所』へ商品、デザインを通してこの長い付加価値の連鎖の魅力を伝えていけたらと改めて感じた出張でした。

イージーにモノが作られ、イージーに消費されることが多くなったこの頃、レディス、メンズなどカテゴリーを問わず背景やストーリーも一緒に感じて着てもられるブランドになれるようCOOHEMのモノ作りの旅は続きます。

Director 大江

N.Y&L.A出張に想う

お盆休みも残すところ本日まで。

という方も多いのではないでしょうか。

当社も明日より仕事がスタート。

例年、残暑が厳しい8月、9月ですが、気分的にはお盆を過ぎたあたりから秋を感じ始めることと思います。

前回の「COOHEM BLOG」でもご紹介がありましたが、7月末〜8月上旬までアメリカ・N.YとL.Aに出張に行ってきました。

目的は現地のSHOPへのプレゼンテーションとマーケットリサーチ。

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まずN.Yにて2件のプレゼンテーションとマーケットリサーチ。

海外出展をスタートして1年、海外のSHOPからの問い合わせ等もあり、次の2015SSの試作サンプルやこれまでの代表的品番のサンプルをバイヤーに見てもらいブランドの説明を行なってきました。

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写真は日本には現状、店舗がありませんがネット通販で大人気のJ.CREWのウィンドウ。
現地でもとてもお客さんで賑わっており、改めてJ.CREWの勢いを感じました。

日本には大手セレクトショップのオリジナル商品がありますが、アメリカではJ.CREWのようなミドルプライス(ラグジュアリーブランドとファストファッションの間)の商品やSHOPが少なく、特にビジネスの中心地であるN.Yにおいて仕事に着ていくことができて、ある程度質の高い商品の需要をJ.CREWが一手に引き受けているような印象を受けました。

J.CREWの商品は、一目でわかる手仕事感あふれる刺繍やインポート生地ラベル(THOMAS MASONなどのシャツ生地)を配したシャツ、NEW BALANCEやVANSなどとのコラボレーション商品(別注商品)など、ベーシックかつトラディショナルマインドあふれるテイストが今流に解釈され、わかりやすく提案されています。

この点は、日本のセレクトショップ的な手法というか、非常に似ていると感じます。

トレンドに敏感で、価格とモノのバランスを見極める目を持ったニューヨーカー達のライフスタイルを、ビジネスにプライベートに忙しい彼ら彼女達のワードローヴに対応していることも人気の要因なのかなと。

続いてL.Aへ。
N.Yから飛行機で約5時間。個人的にも初めてのL.A訪問。

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真っ赤なVolkswargen BeetleにCOOHEMのサンプルを詰め、L.Aのセレクトショップ中心にプレゼンテーションに回りました。

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気候は湿度のないカラッとした爽やかな気温で、日中は暑くなりますが、朝晩はちょっと冷える点は当社の本社がある山形の夏にも少し似ているかな。

車で点在するSHOPを回る中で感じたことは、車社会ゆえ駐車場が無いSHOPよりもなんらか駐車スペースがあるSHOPの方がお客様も多く、また雨が降ることが少なく、年間を通して比較的温暖な気候、海が近いというライフスタイルを反映してデニム、カットソー、ビーチウェアの品揃えが当然のごとく充実。

各SHOPともにターゲットがハリウッドセレブを想定していると思われ、ニットはカシミヤ100%で高価格(日本円で15万円ほど)のモノも多く展開されていました。

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僕が今回訪れたL.Aで最も印象深かったのは、サンタモニカの近くのベニスにあるアボットキニー通りの各SHOPにあった中庭やグリーン。

卓球台があったり、中庭でくつろぐお客様がコーヒーを飲んでいたり、思わず長居したくなるような空気感。

様々なことがスピード感を持って進むN.Yとは対照的なライフスタイルがそこにはありました。

その中で必要とされる服やSHOP。

「生活の上に成り立つ」ということを強く感じました。

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僕たちはファッションの世界で新しい服、モノ作りを日々追求しているわけで、当社もまた創業以来、ニットのモノ作りを続けてきておりますが、着る人、使う人のライフスタイル、生活の上に成り立つモノであることもモノ作りの追求と同時に大切なことだと改めて感じました。

モノ作りは奥が深い分、ある種盲目的になりがちですが、自身の生活の上に成立つテキスタイルなのか?、成立つデザインなのか?、いろいろ考える良いキッカケとなりました。

いつものPARIS出張とはまた違った刺激を受けつつ、お盆明けからCOOHEM 2015SSの本格的なサンプル作成がスタートします。

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皆様、乞うご期待を!
Director 大江

最高のTWEED 『VIMAR CASHMERE TWEED』

梅雨が明け、夏本番となり台風の季節。

そんな中、8月1日(金)よりCOOHEM ONLINE SHOP 2014 AUTUMN&WINTERが立ち上がりました。

今回は、以前BLOGでも少し触れたCoohemブランド史上最高のTWEED『VIMAR CASHMERE TWEED』について。

この2014 AUTUMN&WINTERシーズンで僕が最も力を注いだニットツウィード。

圧倒的な存在感とラグジュアリーな質感、カラーリング。

「世界に誇るニットツウィードを!」という思いを形にするまでには長い時間を要しました。

イタリア、ミラノから車で1時間ほどの町にある世界一のファンシーヤーンメーカーVIMAR社。

世界のメゾンブランドがコレクションにピックアップすることでも有名であり、あのCHANELのCHANEL TWEED、代表格と言えるイギリスの老舗生地メーカーLINTON社のツウィード生地にもこのVIMAR社の糸が使われています。

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1年前の夏、このVIMAR社を訪れ、2014 AUTUMN&WINTERのサンプル糸をオーダー。

糸が届いてから、VIMAR社の糸のみでニットツウィードを作るべく、悪戦苦闘の毎日。

VIMAR社のファンシーヤーン4種類とベース素材を日本のカシミヤにすることによってCoohemブランド史上最も高級で、最高のニットツウィードが完成。

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当社のベテラン職人の長いキャリアの中でも、ベースにカシミヤ素材を使用するという無謀な挑戦はこれまでにも無かったとのこと。

何度も何度も試編みを繰り返し、編み上げたニットツウィードに染色工場にてミンク加工という後加工を施すことによって最高の仕上がりとなりました。

この加工によって、ベースのカシミヤがふんわり毛足が立ち、カラフルなファンシーヤーンと絡み合ってとても上質な見え方が可能になりました。

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カラーは#WHITE、#GREEN、#BLUEの3色で展開。
デザインはMA-1ジャケットに落とし込んだこのSPECAILな1枚は、PARISの合同展示会でもひと際、存在感を示し、海外のバイヤーにも高い評価を頂きました。

COOHEMのブランドがスタートして、プライス、クオリティ最高の素材だけで作ったのはこれが初めて。

お値段が10万円を超える品番もこれが初めて。

近年、「コストパフォーマンス」って言葉が安易に「安価なもの」を意味するように捉えられがちですが、30万円に見える服が10万円であることも「コストパフォーマンス」なのだと思います。

その意味で、このMA-1ジャケット、本当にオススメの商品です。

これまで数えきれないニットツウィードを開発してきましたが、理屈抜きでこの『VIMAR CASHMERE TWEED』はブランド史上最高のTWEEDと思います。

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VIMAR CASHMERE TWEED B/L

¥151,200
COOHEM ONLINE SHOP
NOW ON SALE!!
http://coohem.jp/onlineshop/2014ss/vimar-cashimere-tweed-b-l.html

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ちなみに僕もEXCLUSIVEでMEN’Sサイズを作成し、PAIRSの展示会で着ていたのですが、着れば着るほどベースのカシミヤの上品な毛がふいてきて、なんとも言えないラグジュアリーな経年変化。

会場でも何人もの人に「Coolだ」「Beautiful!」と声をかけられ、ファッションスナップにも撮影されたりしました。

夏が真っ最中なのに、秋が待ち遠しい。。

Director 大江

いよいよ秋の立ち上がりとONLINE SHOP限定商品

ブランド史上最高のTWEED、VIMAR CASHMERE TWEEDのことを書く前にCOOHEMの秋の立ち上がりについて。

COOHEMは国内外のセレクトショップ、百貨店にて商品を展開していますが、梅雨が明ける前のこの時期より早くもAUTUMN&WINTERの商品を出荷、店舗によってはSALEが一段落してから既に展開がスタートする店もあります。

例年、残暑が続く中ですが、新しい秋の商品が7月〜9月にかけて店頭での販売がスタートします。

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今年の2月末にPARISの合同展示会にて2014AUTUMN&WINTERを発表。

アメリカやイタリア、香港、中国などの既存取引先のバイヤーに商品を提案、この秋より新たにロンドン、台湾での展開もスタートすることになりました。

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続いて東京での展示会。

日本全国のセレクトショップ、百貨店のバイヤーに進化したCOOHEMをご覧頂きました。

詳しくはONLINE SHOPでの販売がスタートする頃にBLOGアップしますが、こちらはニットツウィードのMA-1ジャケット。

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続いて、アルパカのループヤーンをベースにしたFANCYなニットカウチン。
実際に着てみると、これまでのカウチンのイメージが一新するほど軽く、柔らかい着心地です。

今まで「カウチン」はカジュアル過ぎて敬遠していた方、着心地が重くて着てみたことの無かった方、是非お試しください!

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そして、昨年、各セレクトショップ、百貨店にて大好評だったニットツウィードダウンジャケット。

今季モデルは前の打ち合わせの仕様をファスナー&ドットボタンにして、より防寒性がアップしております。

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いずれもCOOHEMの2014AUTUMN&WINTERを代表するアイテム。

COOHEM ONLINE SHOPでも8月上旬より順次、販売スタートいたしますので今しばらくお待ちください!

もちろんCOOHEMの定番と言えるノーカラージャケット、スカート、テーラードコートなども展開しています。

これらのニットツウィードをストリートアイテムに落とし込んだ商品が非常に人気で、COOHEMの進化の過程で生まれてきたアイテムと言えます。

今後も様々なアイテムに挑戦していきたいなと。

最後に、「さすがにこの時期に秋物は。。。」と言う方にCOOHEM ONLINE SHOP限定商品のご案内。

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LIMITED TWEED POCKET BOARDER T-SHIRTS ¥15,120
 ↓
NOW ON SALE!!
http://coohem.jp/onlineshop/2014ss.html

COOHEMのニットツウィードが胸ポケットになっているTシャツ。

2サイズ展開で、サイズ2はメンズの方でも着ることができるゆったり目となっています。

僕もこのネイビー×ホワイトのTシャツを愛用してます。

裏返してネットに入れればご家庭で水洗いできますので、この時期ヘビーローテーションで活躍します。

是非こちらもご覧になってみてください!

そろそろ夏本番、秋物も待ち遠しいこの頃、どうぞよろしくお願いします。

Director 大江

Coohemは「Normcore」?

なかなかこのBLOG更新が続かない僕ですが、最近思うことを。。

前回に引き続き、僕自身が好きなものを交えて。

最近、業界では「目新しいトレンドやスタイルは出尽くして、次に来るのはノームコアだ!」なんて言われております。

この「ノームコア」はNormcoreと書き、NORMALとCOREの造語だと言われているようです。

和訳では「究極の普通」など言われており、スティーブジョブズの黒いタートルネックにデニム、ニューバランスというスタイリングがその代表格だそう。
究極に自分のスタイリングが確立されている様というか。

2015SPRING&SUMMERに向けた各素材メーカーのダイレクトメールにも「テーマはノームコア」なんて書いてあるこの頃。

僕も初めて聞いたこの言葉、自分なりに考えてみました。

そして、自分のワードローブを見てみると。。

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「普通」の代表格とも言えるSAINT JAMESやagnes.b、加えてmarimekko、norikoikeなど。
ブランドはフランス、フィンランド、日本と様々ですが、共通しているのは、ボーダーのカットソーでクルーネックかボートネック。

見る人が見れば全て同じようなものばかり。

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続いて、好きなアイテムの一つ。シャツ。

そのほとんどがボタンダウンシャツ。

色は白、ブルーがグラデーションのようにあり、ブルー×白のストライプ、ギンガムチェック、ドット柄のプリントシャツも。
こちらもまた同じように見る人によっては同じようなものばかり。

「ノームコア」ではありませんが、学生時代からこれまで、色んな服に袖を通してきて、いつも側にいてほしい服の典型がこの二つのような気がします。

もちろん、それ以外にもネイビーブレザー、チルデンセーターやカシミヤ、ベーシックなハイゲージのカーディガンなどもその部類に入る気がします。

メンズだからかもしれません。

以前、服屋の先輩方に教えて頂いた「男のワードローブに必要な服」が基本としてあるのかもしれません。

そしてこの先、数十年後も僕にとってはボタンダウンシャツにネイビーブレザーというスタイルは欠かすことのできないスタイリングなのだと思います。

流行のスタイルを取り入れることも嫌いではありません。

学生時代からこれまで、様々な系統・スタイリングの変遷があったのも事実です。

時は流れ、僕は今、洋服を作る仕事を生業としました。

ニット、そしてレディスウェアを中心としたブランドを。

いつも取材等で「これまでのキャリアとCOOHEMの商品のギャップがありますね」と言われることが多いですが、メンズのクロージング出身の僕にとって今のCOOHEMもまた自分のワードローブと同じようにトラディショナルマインドを盛り込んだ服であると思っています。

表面的な「ノームコア」ではなく、ある意味「精神的なノームコア」というべきか、COOHEMもまたニットツウィードという素材を軸に表現しているだけであって、皆さんのワードローブにあるアイテムにも相通じるデザインに落とし込まれています。

これから先もそのスタンスは崩したくないと。

「究極にこだわったFANCYな普通の服」

COOHEMの服に袖を通して、初めて見たFANCYなテキスタイル、初めて感じた軽く柔らかなフィッティングを好きになって頂いた方。

その人達のワードローブの中で、「いつも側にいてほしい服」として一つでもエントリーされるのであれば、服屋冥利に尽きると感じる今日この頃でした。

次回はようやく夏がくるのに、一足早く2014AUTUMN&WINTERで渾身の一品となったCoohemブランド史上最高のTWEED、VIMAR CASHMERE TWEEDについて書きたいと思います。

Director 大江

今、気になる感覚。

年明けからバタバタとイタリア、香港、台湾、そしてパリの展示会。

目まぐるしく忙しい中でCOOHEMの2014AUTUMN&WINTERの展示会が過ぎ、2014年はもうすこしで半年が経過。

忙しさにかまけてすっかりBLOG更新も出来ませんでした。

そんなお久しぶりのDirector’s BLOGのテーマは、『今、気になる感覚』についてのお話。

皆さんには「気に入って集めているもの」はありますか?

僕は仕事がら海外出張も多くなり、訪れたその街で必ずSOUVENIR SHOP(お土産物屋)に行きます。

「The お土産!」的な「I ♡ ◯◯」Tシャツ。
パリ、ロンドン、フィレンツェ、ヴェネツィア、台湾、香港など。

基本的に昔あるBASICなお土産物で、真面目に着ているヒトは見かけたことはないすこし気恥ずかしいもの。

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しかし、これだけ集めてわかったこと。

基本的なデザイン構成は同じですが、Tシャツのボディサイズやパターンの微妙な違いやフォント、♡の大きさ。
お国柄が製品に表れているというか、なかなか分析してみると面白い。

初めて訪れる都市のどういうお国柄がでているのかもついでに楽しんでいるといった感じです。

そこからエスカレートして、展示会準備用にネットでスタッフTシャツを作ってみて、さらにエスカレートして残ったツウィードを縫い付けて「I ♡ Coohem」Tシャツまで作成。

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続いて、工場内にあるアトリエを改造中。

これは昔の社屋で使っていた業務用スチールシェルフをCoohemらしいカラーリングに塗り直した本棚。

ある意味、どこにもないCoohemらしい本棚に様変わりして、思わずディスプレイしてみました。

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この2つに共通する感覚。

昔から身近にあったものが、色や柄などのアレンジによって新しい付加価値が生まれるという。

ファッションはこの21世紀に入り、ほとんどのスタイル、デザインが出尽くした感があると言われつつありますが、色使い、素材の組み合わせ、また視点を全く違う角度にした時にまだまだ新しさを感じることができる。

この感覚。今、気になります。

そんな中、COOHEMは早くも2015SPRING&SUMMERの企画が本格化。

今後のブランドの進化は、もしかしたらごく身近なところにヒントがあったりするのかもしれません。

ファストファッションの影響か、もはや「トレンド」というある種、発信する側、売り手側が仕掛けた最大公約数は同じような商品がお店に溢れ、コストの差を競い合うことでしか差別化が難しい状況にある。

一方でCOOHEMは独自の世界観によって、ニットツウィードという最小公倍数によってライフスタイルを提案していく。

日本に古くからあった技術が、時代の気分を取り入れながら新しいモノへと進化していく過程には、この感覚が大切な気がします。

大事なことや大切にすべきモノは、実は身近にあって、角度を変えると新しいもの。

商品を通して、そんな感覚をなんとなく感じて頂ければ幸いです。

次のシーズンも乞うご期待。

Director 大江

イタリアそして香港、台湾、その後PARISへ

年が明けたかと思ったのも束の間、今年は初めて1月のイタリア・フィレンツェのPITTI FILATI、2月も初の香港、台湾へ出張。

そして今週よりPARISの合同展示会へ向け出発。

バタバタとBLOG更新もできずにおりましたが、早いものでCOOHEMも本格的に海外出展を始めて1年。
時の流れの速さを感じつつ、1年もあれば色々なことが変化します。

それまで国内のみでの展開でしたが、約1年前の展示会を機にCOOHEMも日本以外に、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ドバイ、イタリア、ドイツ、チェコ、香港、中国、韓国、タイなど百貨店、セレクトショップにて少しずつ展開しております。

そんな中で、まず1月のPITTI FILATI SPRING&SUMMERですが、7月のAUTUMN&WINTERに比べ、来場者が少ない静かな展示会でしたが、新規のファンシーヤーンメーカー数社のアトリエにもお伺いすることができ収穫があった出張でした。

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今、東京だけでなく、温暖化の影響もあり、夏が長く、秋が短い気候になっているのは周知の事実。

その中で僕たちが何を提案していけるのか?
年間を通して綿や麻をベースにしたニットアイテムの需要があり、その流れもあってこの時期のPITTI FILATIに行ってきました。

その答えは2015SPRING&SUMMERにございますので、今しばらく、というか1年後までお待ち下さい。。

続いて香港、台湾出張。
東京から数時間で着く、東アジアの中心地、香港。
返還される前に訪れたことはないのですが、エネルギッシュな街に刺激を受けました。

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香港には数店舗の卸先があるため、SHOPにてスタッフにブランド、モノづくりの背景などiPadの画像なども見てもらいながら説明会を実施。

秋冬の商品のお客様の反応などをお聞きすることができ、非常に有意義な内容でした。

東京都の約半分の面積ながら、日本の約5倍の訪問外国人旅行客など、マーケットのポテンシャルを感じつつ、香港の人達のモード感とスポーツテイストのMIX、原色使いの柄物が好きな嗜好性もまた印象的でした。

台湾もまた香港同様に急速にマーケットが形成されつつあるのを実感しました。

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香港や台湾の人々も非常に日本のマーケットやブランド、スタイルを研究しており、その中にオリジナリティが見える着こなしをしている方も多かったと思います。

市場リサーチと新規のセレクトショップの商談がメインの出張でしたが、もう少し長い時間過ごすことが出来れば現地の方のリアリティを感じることができたなかと。

そして、今週より2014-15AUTUMN&WINTERのシーズンが始まります。
PARIS SUR MODEへ向けPARISへ出張。

世界のセレクトショップのバイヤーとお話しする中で、改めて僕たちのブランドに対する期待感を感じるので、丁寧に進化させていたいと思いました。

2月の香港、台湾は、先日の都内大雪の影響で、行きも帰りも飛行機が遅れ散々だったので、今週のPARISへ向けた飛行機も何気に心配しております。。

さすがに大丈夫だと思いますが。。

文化や言葉の壁をCOOHEMの商品を通して飛び越せるよう頑張りたいと思います。

Director大江

HAPPY NEW YEAR 2014

新年あけましておめでとうございます!

久々のBLOG更新ですが、年も明けて2014年。

新たな気持ちでスタッフ一同頑張っていきたいと思います。

さて、ブランドとしての転機となった2013年でしたが、様々なことがありました。

本格的な海外出展となった3月と9月のPARIS SUR MODE。

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これまで日本のみでの展開だったCoohemが、この2回の展示会を経て、アメリカ、ドイツ、イタリア、ドバイ、香港、韓国、中国など世界のセレクトショップで展開がスタートしました。

また、新しいPOP UP SHOPのあり方を模索したPASS THE BATON OMOTESANDOでのCUSTOMIZE KNIT TWEED。

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日々のモノづくりで採用されなかったテキスタイルや量産過程でキズなどによって使用不可となったテキスタイルをRe-USEしてあたらしい商品へ付加価値をつけ進化させる新しい試みでした。

ウェア以外の商品開発にもチャレンジし、日本を代表する老舗シューズメーカーMoonStar 社とのコラボレーションによってCOOHEM × MoonStar KNIT TWEED SHOESのリリースを10月の展示会で発表。

*店頭展開は3月上旬を予定

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年始早々、昨年を振り返ってみて、1年で様々な変化と進化を経たのだと改めて感じます。

そして、2014年。

ただ今、2014-15AUTUMN&WINTERの企画真っ最中でありますが、今年も新たなチャレンジを進行しております!

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展示会前なので、詳しくは書けない部分もありますが、これまででない最高の糸だけで作るツウィードにも挑戦。

ベテラン職人達も長いキャリアの中で経験したことのないグレードの素材ができました。

個人的にもこれまで、様々な国、ブランドの商品を見てきましたが、ここまで原料にコダワッた素材は見たことがありません。

メゾンブランドに本気で挑戦していくカテゴリーの商品、プライスもこれまでにないくらいのモノになると思います。

COOHEMの認知が広がってきている中、本来のスピリットを忘れないためにもこのアップグレードラインとも言える数品番のモノづくりも同時に進めています。

モノづくり以外の部分では、前回のCOOHEM BLOGでもご紹介済みですが、僕たちのモノづくりの裏側を、取り巻くヒト達を、MOVIEにして発信しようと計画しております。

こちらについては、3月中旬〜4月にかけてCoohemウェブサイト、You TubeなどでUPする予定となっています。

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その他、本年も様々な商品、イベント等を企画しております。

是非、皆様に楽しんでもらえる内容にできるよう、精進していきますので本年もどうぞよろしくお願いいたします!

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Director 大江

CUSTOMIZE KNIT TWEED

11月になり肌寒い日が続き、秋物を着る季節がようやくやってきました。
COOHEMは2014SPRING&SUMMERの展示会を終え、企画は2014AUTUMN&WINTERへとシフトしている今日この頃です。

さて、今回は先週より開催したPASS THE BATON表参道店にて『COOHEM meets CASHMERE CUSTOMIZE KNIT TWEED』の期間限定POP UP SHOPについて。

今年の4月に開催し好評だったSPECIAL企画の第2弾!

僕たちが日常的にニットのテキスタイル開発を続けていく中で、残念ながら世に出ることの無かったツウィード達がポケットやエルボーパッチになってカシミヤのプルオーバーニットやカーディガンに!

COOHEMはレディスのみの展開ですが、今回、2型ともにサイズを2サイズご用意しており、ユニセックスでサイズ感をお選び頂けます。

初日のレセプションでは、男性のお客様のオーダーも多く、とても盛り上がりました!

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PASS THE BATON表参道店奥にあるギャラリースペースには、今回のCUSTOMIZE KNIT TWEEDのツウィードパッチとカシミヤニットの色見本が展示されているほか、COOHEMのこれまでのアーカイヴとこれから店頭に出る予定の商品と同じツウィードのファブリックボードが展示されております。

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僕が個人的にオーダーしたのは、オフホワイト×オリーブのカシミヤプルオーバーに、マルチカラーのツウィードの胸ポケット。

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エルボーパッチは、トリコロールのツウィードでアクセントにしてみました。

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前回に引き続き、クラッチバッグのオーダーも同時に開催しており、この機会限定で銀座の名店・ミタケボタンさんのアンティークボタンがお選び頂けます!

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自分だけのために、自分で完成させるCUSTOMIZEって楽しいですよね。

日々いくつものテストを繰り返す中で、生み出されるニットツウィード。多い物で数十パターンを試作し、その中からベストの1枚をベースにモノづくりをしてきており、残念ながらDROPしたツウィードを生かして何かできないかな?と感じておりました。

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*2013AUTUMN&WINTERに生まれたニットツウィードでDROPしたもの

何度も何度も繰り返す中で、完成度の高い物が生まれてくる。

ある意味では、偶然生まれてきて、数ある中から選ばれるという過程でこうしたDROPするものは必然的に生まれてしまいます。

この使われなくなったツウィード達をお客様と一緒に楽しみながら新しい付加価値が誕生する『CUSTOMIZE KNIT TWEED』というプロジェクト。

このプロジェクトを通して、COOHEMの素材作りのコダワリとニットって楽しいってことを感じて頂けたら幸いです。。

イベントは11月24日(日)まで!
是非お立ち寄りください!

<イベント詳細>
 ↓
http://www.pass-the-baton.com/index.php?t=interviewdetail&articleid=14ccc27c340f9d4dd8ffea0c9bb65e06

皆様のご来場お待ちしております!
Director 大江

Coohem のコダワリ

ずいぶんと過ごしやすくなってきた今日この頃、いよいよ秋冬の衣替えと新しい洋服を着始める季節となりました。

個人的には薄い夏のスタイリングはあまり好きではなく、ジャケットやブルゾン、レイヤードを楽しめる秋、毎日のスタイリングを考える楽しさがあるこの季節が好きです。

さて、今回はそんな秋冬のCOOHEMの商品を例に、僕たちのコダワリをご紹介したいと思います。

COOHEMのニットツウィードを初めて見た時、生まれて初めて見る新鮮さを感じたヒトも多いのではないでしょうか?

いくつもの素材が重なり合って新しい色となる。

イタリアの主に手芸に使われるファンシーヤーンを使うことが多いのですが、中にはイタリアの糸を日本の染色工場でCoohem別注色に染めているものも多いのです。

写真のこちらは、スーパーキッドモヘヤのファンシーヤーンを赤、青、緑、黄色とグラデーション染色したCOOHEMのみのカラーです。

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この糸を軸に、いくつかの糸とかけ合わせてできたのが、このVINTAGE感あふれるマルチカラーのツウィード。

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このように複雑な組織で複数の糸をかけ合わせてつくるのですが、軸となる糸を別注色で作成することで世界で二つと無い素材が出来上がります。

これが素材(糸)のコダワリ。

そして、そのコダワリは素材(糸)のコダワリだけではなく。。。

このスカートのウエスト部分についたベルト。

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よく見ると、ツウィードのベルトでゴムのように伸びます。

通常、ゴム仕様のスカートは、一般に流通していゴムベルトをそのままたたきつけるのですが、グレード感が高くなく、表地のニットツウィードとのバランスも悪いため、京都のラッセル編工場へ糸を送り別注のゴムベルトを作成し毎シーズン定番として使用しています。

これが附属(ベルト)のコダワリ。

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また、フィッティング時にしか気がつかないポイントでありますが、ニットやカットソーのボトムスに使う裏地は、表地と同じように伸縮性があるものを使用しないと縫製できないため、こちらも一般的には流通しているもので極力、色を合わせて作る場合がほとんど。

COOHEMもブランドスタート時は、他のブランドと同じように流通しているものを使用しておりましたが、2012AWよりCoohem別注プリントの赤×白ストライプの裏地を使用しております。

よーく見ると、プリントで伸縮性があるため、機能性はそのまま。

これが裏地のコダワリ。

目に見えない部分ですが表の素材と比べたときに見劣りしない仕様にしたいと思い、こちらも毎シーズン様々なボトムスに使用しております。

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そして最後は、ボタンのコダワリ。

いずれも、アンティークボタンをベースに日本でリプロダクトして、COOHEMの別注ボタンとして作成しました。

COOHEMのボタンは、銀座の名店「ミタケボタン」さんのご協力の元、全てオリジナルで作成しています。

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上のくるみボタン風の染ボタンは、色を染めた後、手でツヤ出ししてもらっているため上品な光沢がキレイな色味をさらに美しく見せます。

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このアンティーク調のメタルボタンは、パリの蚤の市で見つけたアンティークボタンの表面を型取り、アンティーク加工することによって新品でありながら非常に味のあるボタンとなりました。

素材(糸)、附属(ベルト)、裏地、ボタンなど服として表に見えるもの、見えないものに限らず、オリジナル性を追求しているため、別注で作成しているコダワリ。

以前は、デザイナーブランドであれば当たり前だったコダワリ。

今はファストファッション化しているのか、こういったスタンスも少なくなったようです。。

買ってから数年後に気づくかもしれない小さなコダワリや目に見えないコダワリに気づいた時、改めてブランドや商品に愛着がわくということがあると思います。

その瞬間も大切にしたいとの願いも込めてCOOHEMのコダワリは続きます。。

Director 大江

日本でダウンジャケットを作るということ

9月に入り、まだまだ残暑も続きそうですが、雑誌も店頭も秋冬の商品が多くなってきました。

COOHEMのONLINE SHOPでも徐々に新作が入荷しております。

今回は「日本でダウンジャケットを作るということ」というお話。

ダウンジャケットと言えば、モンクレールやドゥヴェチカが有名で、既にワードローブにお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も生まれて初めて本格的なダウンジャケットを購入したのはモンクレールでした。

その他、ファストファッションも含めてダウンジャケットというアイテムは防寒着からファッションアイテムと進化し、プライスも10,000円以下から100,000円を超えるものまで様々なブランドが提案しています。

その大部分はMADE IN CHINAであり、ダウンの生産地としての中国はモノ作りの世界では常識化しているような状況です。

あれは、ちょうど1年前に当社の本社工場のある山形県某所のダウンジャケット工場さんにお伺いした時でした。

「市場に無い、今までに無いダウンジャケットが作りたい」と工場長さんにお話をしました。

何度も何度もトライして、当社からパタンナーが先方の工場にお伺いして、打ち合わせを重ね修正を加え、COOHEMのニットツウィードダウンは完成しました。

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それまでは、先方もナイロンと伸縮性が無い生地で縫製しており、ツウィードと言えど伸縮性があり立体感のある生地など縫ったこともありません。

そう、市場に無いモノ作りとは「誰も経験したことのない」ことからスタートします。

ある程度、僕たちの要求するクオリティを実現するために、先方も試行錯誤されたと察します。。

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COOHEMは自社工場を生産背景としていますが、ニット専門のためダウンジャケットの縫製となるとこのように協力工場さんとのコラボレーションが必要となります。

誰も経験のしたことの無い分野への挑戦。

根気よく挑み続けなければなりません。

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そして、遂に完成したCOOHEMのニットツウィードダウンジャケット。

3月のPARISの展示会でも世界のバイヤーに衝撃的なインパクトを与え、日本の百貨店、セレクトショップ各社でもお取り扱い頂いております。

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ナイロンでもない、布帛でもない。

機能性を超えて、ファッションアイテムとしてのダウンジャケット。

定番のジャケットと同じように、軽く、柔らかい着心地とニット特有の温かみのあるテクスチャーは肌寒くなった頃、やさしく包み込んでくれることと思います。

今、常識化した海外生産。

ダウンジャケットは中国で作るものという固定概念をお持ちの業界の方も多いと思います。

ただ、このダウンジャケットのように誰しもが経験したことのないモノ作りを経て、完成するもの。

日本でダウンジャケットとつくるということも一つのSTANDARDなのだと思います。

それぞれの国で生産する意味はありますが、同じ言葉でコミュニケーションでき、何より一緒に新しいものを作っていこうという想いを共有できる関係を築くことができる。

Coohemが日本でダウンジャケットをつくるということは、そういうことなんです。。

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秋冬の定番として来年も違うテキスタイルで継続していきたいアイテムの一つです。

是非、店頭でご試着になってみてください。

いろんな人達の想いがダウンと一緒につまっています。

この場をおかりして、協力工場の皆様、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

Director 大江

TRADとジャケットが着たくなる秋のはじまり

お盆も過ぎ、8月も残すところあとわずか。

夜は少しずつ涼しくなり、残暑は続くものの、夏の終わりを感じ始める季節となりました。

都内の百貨店、セレクトショップには秋冬の商品が並び始め、少しずつ、少しずつ新しい季節を感じつつ、半袖、短パンの夏スタイリングに飽きた気持ちが秋のファッションに期待する今日この頃です。

さて、今回はニットの話でもブランドの話でもないですが、誰しも”自分の好きなテイストのファッションがある”というお話。

僕は、いわゆるTRAD(トラッド)と言われるファッションが好きで、手持ちのワードローブは基本的に全てこのTRADと言われるアイテムが多いです。

ネイビーブレザージャケット、ボタンダウンシャツ、デニム、バスクシャツ、レザーローファーetc…

それにミリタリーパンツや古着のTシャツ、NEW BARANCEやVANSのスニーカーなど”MILITALY”や”SPORT”、”WORK”といった要素をMIXすることが多いです。

現状、KNITに関しては、COOHEMは基本的にレディスのみの展開なので、自分が着るニットはnorikoikeやLETROYES、古着などを着ています。

最近、この秋にちゃんとジャケットが着たいと思い、”Hunt Blatchford”がN.Yのブルックリン近郊にあるファクトリー”Martin Greenfield”というファクトリーで作ったまさにMADE IN USAの真骨頂ともいえるネイビーブレザーを購入。

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BASICな着こなしはもちろん、Tシャツにブレザーを羽織り、ウールのトラウザーズにVANSのスニーカーを合わせるなどその時々の気分で着てみたいなと。

仕事柄、ジャケットを着る機会も多くなっており、トレンディなカジュアルも楽しいですが、男のファッションの原型でもあるTRADもまた永遠に基本としてあり続けるファッションの一部ですね。

そして、毎シーズンCOOHEMの企画の際にも読み返す僕のバイブル『絵本アイビーボーイズ図鑑』。

レディスは『絵本アイビーギャル図鑑』として二つとも現在は復刻版が書店でも販売されております。

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アイビーファッション全盛期の教科書的存在で、カワイイイラストで図解されており、その色使いやスタイリング、アイテムやディティールにいたるまで記されております。

自分のスタイリングのお手本でもあり、そのままの格好をするわけではありませんが、バランスが時代によって変化するなど色々とその時々のアレンジはあります。

自分のスタイリングも商品の企画もこのバイブルを目に通してから、自分なりの解釈やその時の気分を盛り込んでいきます。

COOHEMもファンシーなテキスタイルや鮮やかなカラーリングに定評がありますが、デザインはトラディショナルマインドを大切にしており、袖を通してみると意外に合わせやすかったり、手持ちのBASICアイテムと合わせやすかったりするのはベースはTRADだからかもしれません。

まだまだ酷暑が続きますが、確実に秋は近づいてきていて、そんな秋口のファッションのスタートにCoohemがあれば幸いです。。

Director 大江

FANCY なフィッシャーマンセーター

毎日、暑い日が続きますが、早いもので2013年の秋冬物が徐々に立ち上がるお店も出てきました。

さて、今回はこの暑さの中、各SHOPでも人気のあるこちらのフィッシャーマンセーターをご紹介。

133-004 FANCY ARAN PULLOVER ¥25,200

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水玉のニットのようで、よく見ると人が手で付けたようなファンシーな見え方は、クラシックなニットアイテムの代表とも言えるフィッシャーマン(アラン)セーターを現代的に見せてくれます。

(*以下、フィッシャーマン(アラン)セーターとは?Wikipediaより引用)

アイルランドのアラン諸島を発祥としている。フィッシャーマンズセーターのひとつで、縄状の独特の編み込みとハニカムなどの模様が特徴。アラン諸島では、昔から漁業が主な産業だったため、防水と防寒の目的のために、アランセーターは誕生した。古くから仕事着としてはもちろん、普段着としても着用されていた。縄状の編み方は、漁に使うロープや命綱を指しており、大漁など様々な願いが込められている。そして、その模様は家によって違っていて、遭難死の際の個人識別と家紋の様な意味合いがあったらしい。

2012年7月にイタリア・フィレンツェに糸を探しに行った際、こちらの写真の糸を見つけました。

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この白と黒に染め分けられた糸を見て、今回のファンシーなフィッシャーマン(アラン)セーターのイメージが直感的に湧いたのを覚えています。

一見、形状などはシンプルですが、この「染め分ける」ことができる糸ってなかなか無いというのが実際のところ。

一気にイメージが膨らみ、イタリアより染まっていない生地糸の状態で日本に入れ、山形の染色工場で「染め分ける」ことにしました。

そして、仕上がってきた糸がこちら。

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POPな色使いと微妙なバランス感がイメージ通り、あとはベースの糸と組み合わせて試編みする毎日。

水玉の見えるバランス感など、細かい調整に約半年間、試行錯誤を繰り返し「FANCYなフィッシャーマンセーター」は完成しました。

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クラシックなもの、トラディショナルマインドのあるアイテムをどう現代的な解釈で表現していくのか?

COOHEMのブランドコンセプトでもありますが、こんなPOPなフィッシャーマンセーターは、Tシャツと合わせてカジュアルにも、シャツやブラウスと合わせてドレスにも着ることのできるアイテムとなりました。

各SHOPでは既に展開して頂いているところも多く、COOHEM ONLINE SHOPでもご覧頂けます。

DIrector大江

Coohem が目指す方向性

3月のPARIS海外出展、その後の東京での展示会と怒濤の数ヶ月、忙しさのあまりBLOG更新もできませんでしたが。。

この3月、ブランドとして初の本格的な海外出展は、PARIS SUR MODEという合同展示会。

6㎡の小さな世界観は、世界中から集まるバイヤーたちに何を伝えられたのか?

4日間はあっという間に過ぎ、終わってみれば充実した展示会となりました。

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(COOHEM 2014AUTUMN&WINTER EXHIBITION at PARIS SUR MODE)

特に、昨年から取り組んでいるニットツウィードとナイロンのダウンジャケットやローゲージのカシミヤニットが海外のバイヤーに高い評価を得たことが自分としても手応えを感じました。

ダウンジャケットに関しては、市場では飽和状態とも言えるアイテムで、『世界でどこにも無いダウンジャケットを』という気持ちで協力工場さんと取り組んできました。

海外では無名であるCoohemというブランドのニットツウィードダウンは、鮮烈な印象を与え、また、海外生産が多いダウンジャケットを日本で生産していることもまた意外性があったようです。

昨年、初めてニットツウィードダウンジャケットに取り組んだ際は、伸縮性のあるニットツウィードと伸縮性の無いナイロンを縫製するという部分で工場さんに大変苦労をおかけし、試行錯誤の上でベストバランスを見い出してきました。

こういった『今までに無いモノ作り』にトライする時、同じ言葉でコミュニケーションできる日本の工場さんは無くてはならない存在だと実感。

今後もCOOHEMの定番アイテムとして、さらに進化をさせていければと思います。

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COOHEM 2014AUTUMN&WINTER COLOR MIX CASHMERE C/D)

カシミヤのローゲージニットに関しても、カラーミックスの別注糸にミンク加工を施した独特のカラーリングがバイヤー達にも人気がありました。

このカシミヤのニット、後加工による乱寸(色ごとにサイズのバラつきがでたりすること)や風合いのコントロールなど、モノ作りの難易度が高く、丁寧な日本の染色工場でやるからこそ一定のクオリティが実現できます。

業界では、ダウンジャケットもカシミヤニットも原価の高さから海外生産が当たり前のような状況ですが、本当に付加価値の高いものを作っていこうとする時、過去の常識や習慣にとらわれず、トライしていくことが大切で同じ日本人同士のコミュニケーションから生まれる新しい付加価値であると感じます。

ボタンや裏地も一から作り、ニットに関しては糸作りからテキスタイルを作ることまで。

時間と価格帯の許す範囲内で新しいものを作っていく。

これがCOOHEMの目指すモノ作りなのだと思います。

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(COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED at PASS THE BATON)

4月に開催された初のイベント『COOHEM CUSTOMIZE KNIT TWEED』は、私たちが日常的に繰り返すテキスタイル開発で採用できなかったテキスタイルや量産過程で一部の不良などで使用不可となったガーメントをRE USEし、お客様自身の手によって新しいプロダクトへ姿を変えるカスタマイズオーダー。

通常であれば廃棄物として処理されるモノをお客様と楽しんで、そのモノ作りに触れてもらえるイベントとなりました。

こういった『洋服を売る』『スタイルを提案する』以外の付加価値を様々な角度によって発信し、日本のモノ作り企業から生まれたブランドとして新しい『MADE IN JAPAN』を時代に合わせた形で伝えていくことが目指すべき方向性である。

と感じながら、次のPARISへ向け新しいストーリーが始まります。。

Director 大江

培われた技術と経験があってこそ・・・

先日、日本有数の繊維産地、愛知県一宮へ行ってきました。

2014 PRE SPRINGの企画のため、現地の代表的な撚糸メーカー数社の素材を見せて頂き、いくつか別注糸の作成依頼をしてきました。

その時に聞いた話で「70代の職人がいない染工場には危なくて仕事がだせない」と。

なぜかと言うと、若手ばかりの所はトラブルも多く、昔は出せてた色が出せないなど色々と問題が発生するという理由でした。

長年の経験と技術があるベテラン職人の最終チェックが入る会社はミスが少ないという。

当社にも各部門においてベテラン職人たちがいて、彼ら彼女たちがいるからこそ防げているミスや、逆に付加価値の高いモノ作りが可能になっている部分が多いと改めて感じさせられました。

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モノ作りは多くの人の手を経て、一つの商品に姿を変えていきます。

その過程の中であらゆるトラブルが発生することも多々あります。

ハイレベルなモノ作りなればなるほど一定の品質で生産していくこと自体が難易度が高いものです。

そうした中で、ベテラン職人たちの感性に陰ながら支えられているのだと改めて思いました。

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ファッションの世界は時として、若い感性が全てと思われがちですが、トレンディな商品も新しい付加価値も、こうしたベテラン職人達の手によって世に送り出されています。

PRICELESS

決してお金では買うことの出来ない彼ら彼女らの経験と技術。

評価されるべき価値は、ファッションデザインやイメージだけでなく、こうした職人たちの経験なのかもしれません。

COOHEMも自社の職人やスタッフに限らず、紡績、撚糸、染色工場、糸商、生地屋、スタイリスト、カメラマン、ヘアメイク、アートディレクターなど様々な方のご協力と経験、技術、感性に支えられ、商品を作り出しています。

社内外含めて感謝の気持ちを忘れずにモノ作りに精進していきたいと感じた出張でした。

Director 大江

ITTI FILATI 2013 〜イタリア出張に思う〜

A/Wの展示会が終わったかと思えば、バタバタと忙しくしており、毎年恒例となったイタリア・フィレンツェで開催されるニット糸の展示会PITTI FILATIに行ってきました。

Coohemでは、イタリアの主に手芸用に作られたファンシーヤーン(意匠糸)をニットツウィードの核として多く使うのですが、イタリアのファンシーヤーンメーカーが勢揃いするこの展示会へ行くのは今回で3度目。

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2014AUTUMN&WINTERのモノ作りへ向けて、この展示会より素材=糸の手配から企画がスタートするわけですが、今年は例年になく気候も涼しく、過ごしやすかったです。

PITTI FILATIの今季2014AUTUMN&WINTERのテーマは「LOVE」。

プレゼンテーションブースには、手をつないだトルソーにノスタルジックなカラーリングとパターンが良い雰囲気。

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ニットに限らず、布帛(ふはく=織物)など全ての素材は1本の糸から作られるわけで、その意味でも世界的な糸の展示会であるこのPITTI FILATIからファッショントレンドが派生していきます。

ここ数年では、おそらく最も来場者が多い展示会となった今年は、大手メーカーを中心に世界中から集まったバイヤー達で賑わっていました。

Coohemとしても、昨年は非常に収穫の多い展示会で、この秋冬から店頭に並ぶであろう人気品番を作ったベース(素材)は昨年のPITTI FILATIにてピックアップしたもの。

海外展開もスタートし、より付加価値の高いモノ作りを目指していくにあたり、今年も気合いが入る出張でした。

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この春夏、各店で完売した世界最高のファンシーヤーンメーカーVIMAR社にも訪問。期待を裏切らないトレンドセッターとしての同社の提案に新たなモノ作りの可能性を感じてきました。

*VIMAR社とは?

シャネルツウィードで知られるイギリスのLINTON社のツウィード織物にも良く使用される世界屈指のファンシーヤーンメーカー。

CHANELやCELINEなどビッグメゾンの織物、ニットなどによく使用されることが多い。

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その他、PITTI FILATIには出展していないが、面白いモノ作りをしているフィレンツェ近郊に位置する中規模メーカーの工房にもお伺いして、いくつかの糸をサンプリングしてきました。

日本のみならず、このイタリアでも、メーカーの廃業や原料高騰など取り巻く環境は厳しさを増しており、洋服を作る者として色々と考えさせられました。

ファッションは供給過多と言われて久しいですが、まだまだやれることもあります。

Coohemが来年の秋冬以降も今回見た素晴らしい糸たちをベースに新たな付加価値をニットツウィードというテキスタイル、ファッションアイテムとしてのスタイルを提案できるよう精進していきたいと感じた出張でした。

来秋冬は、Coohemが贈る「LOVE」に乞うご期待!

Director 大江

my favorite KNIT #002

この2012-13A/Wに最もヘビーに着たニットが、写真の「MITTS NITTS」のボーダープルオーバーです。

「MITTS NITTS」はアメリカ・ノースカロライナ州にて1977年に設立され、アメリカ軍や警察など政府関係機関へニット製品を供給するファクトリーブランドです。今では数少ないアメリカ製のニットを手がけるメーカーであり、MADE IN USAらしい無骨な雰囲気があります。

こちらはアクリル70%、ウール30%のオーソドックスなクルーネックのデザインで、ネック周りが少しタイトな作りとなっています。

デザインもいたってシンプルで、かつてのagnes b.(アニエスベー)を彷彿とさせる、NAVY×OFF WHITEの太いピッチのボーダー。

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このMITTS NITTSに限らず、いわゆるアメカジテイストのブランドの多くは、このように自国の国旗をタグのデザインとして採用しており、自分たちの国に誇りを持ってモノ作りをしている点は私たち日本人も見習いたいところかなと個人的に感じます。

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素材感もそれなりで、デザインもシンプル。

ニットの作りに関しては、通常こういったシンプルな製品はリンキングというニット専用のミシンで一目一目縫う成型(せいけい)という作り方が一般的ですが、こちらは気持ちいいくらいに本縫とロックミシンで縫製されています。

作りの話で言えば、グレードはそんなに高い商品ではないのですが、衿(リブ)周りのステッチの不均一さや編地の目の詰まり具合など男らしさ満点といった雰囲気が、時代のユルさにちょうどいいのかなと感じています。

ファストファッションをはじめとする商品を見てもわかるように、今はそこそこのプライスである程度のグレードの商品が手に入るようになりました。

モノが溢れ、タンス在庫は似たような洋服でいっぱいになっている中で、ある意味でこの不均一な不真面目な作りが新鮮に見えてくる。

その点は、ヴィンテージウェアに似ているのかもしれません。

MADE IN USAですが、あくまでシャツの上に合わせて、ウールパンツにスニーカーという小ぎれいなスタイリングで愛用したこの秋冬一番のお気に入りでした。

Director 大江

my favorite KNIT #001

新年あけましておめでとうございます。

2013年がスタートし、COOHEMのホームページもリニューアルしました。

BLOGについても、PRESS情報や新着商品のご紹介などを「COOHEM BLOG」としてSTAFFが発信するものと、私、Director大江がモノ作りの裏側や日々考えていることをご紹介する「Director’s BLOG」としてお伝えする形になりました。

そこで、リニューアル後の「Director’s BLOG」の連載として「my favorite KNIT」と題し、私のワードローヴの中からお気に入りのニットアイテムをご紹介します。

記念すべき第一弾は、norikoike(ノリコイケ)のボーダーニットです。

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これは、数年前に購入した某セレクトショップ別注モデルで、フランス産ウールを家庭機で編んだ非常に軽く膨らみがある素材感が特徴です。

このnorikoikeというブランドは、日本のニットデザイナーで小池のり子さんが設立したニットブランドで、クラシックなニットのモノ作りが玄人受けした伝説のニットブランドでした。

今現在は、ブランドが無くなってしまったのが非常に残念ですが、私のワードローヴのニットアイテムの大半はこのブランドです。

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ニットのモノ作りの世界では、いわゆる①”ハンドニット=手編み”、②”手横(てよこ)=手動横編機で編んだもの”、③”家庭機(かていき)=家庭用編機で編んだもの”、④”自動機(じどうき)=自動横編機で編んだもの”が存在し、それぞれテクニック(技術)の違いと製品を作った時の特徴や良さがあります。

(*ホールガーメントは④に含まれる)

今回ご紹介するこのニットに関しては、③の家庭機で編んだものだそうで、天竺編のふっくらとした風合いと微妙に不均一な目面(めづら)=編目の表面が何とも言えない雰囲気があります。

COOHEMの商品は全て④の自動機で編まれ、ニットツウィードに関しては自動機でしか編むことができないため、今回のnorikoikeさんの商品とはポジショニングが正反対でありますが、それぞれに特徴と良さがあると個人的には思います。

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あまりにもヘビーローテーションして肘の部分が修復不可能な形に穴が空いてしまったため、COOHEMのニットツウィード生地でエルボーパッチを付けて着ています。

ベーシックなデザインのニットは巷に溢れていますが、このニットのようにベーシックでありながら、素材感だったり、雰囲気だったり、何かコーディネイトの中にいつもあって安心感があるニットも大切に感じる今日この頃です。

少しマニアックな説明になりましたが、こういう風にリペアしてまで永く着たいニットを作っていきたいと思います。

Director 大江

2012年も残りあとわずか・・・

今年も残すところあと一日。

2012年も本当に色んなことがありました。

3月に新宿ルミネにて「ルミネザカルチェラ」。ルミネさんとのコラボレーション企画で、多くの方にCOOHEMのモノづくりの背景とブランドをご紹介できました。

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続いて銀座三越にてGINZA FASHION WEEK参加。

その後もセレクトショップや百貨店にて期間限定POP UP SHOPを開催し、お客様とのコンタクトポイントを多く持てた一年でもありました。

新規お取引先を中心に展開SHOPにて商品説明会を実施し、商品やモノづくりの考え方をSHOPスタッフに説明する機会を作りました。

熱心なスタッフの方とのコミュニケーションがとても勉強になり、来年も続けていきたいと思います。

10月は2013SPRING&SUMMERの展示会を代官山の貸スペースにて開催。

いろんな縁があり、初めてニューヨークのセレクトショップのバイヤーが展示会に来てくたことも印象的でした。

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そして、年末から2013-14AUTUMN&WINTERの企画がスタート。

毎シーズン、糸のセレクトからデザイン、全てを一から作り上げていくプロセスは長い時間と人の手を経て行われます。

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毎シーズンのことではありますが、一つのニットツウィードが完成するまでに、何十パターンもの試編みを繰り返し、基本ベースが出来た後に配色展開を考えていく。

布帛と違い、ニットは全て1本の糸から素材作りをデザインと並行して行っていくため、様々な条件により編むことができないものを編めるように調整していったりする中で出来上がっていきます。

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今年に限らず、来年もそれ以降も、この「実験的プロセス」は続いていくのですが、ブランドがスタートして3年。これまでのノウハウにさらに磨きをかけ、新しいものをご紹介していきたいと思います。

最後に、モノづくりには長い時間と多くの人の手がかかわっているということを、このCoohemというブランドらしく、多くのお客様に知っていただき共感してもらえるような発信を来年以降、力を入れていきたいと思います。

お買い上げ頂いたお客様、仕入先の皆様、社内外含めた関係者の皆様、今年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願い致します。

Director 大江