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「伝統」を「進化」させた「独自性」COOHEM 2019秋冬
そろそろ梅雨が明け、夏がやってくるこの季節。
米富繊維株式会社の山形本社工場内は、2019年秋冬の生産ピーク時期が近づいてきました。
2、3月の展示会を終え、原料を手配、糸から編地になり、製品になっていく過程は、長い時間と人の手を経て、店頭に並びます。
そんな中でCOOHEM 2019AUTUMN&WINTERがいよいよ立ち上がります。
テーマは「T.P.O.」。
以前、このDirector’s BLOGでも取り上げましたが、この「T.P.O.」という言葉。
「T.P.O.(ティー・ピー・オー)」とは?
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語で、かのVANの創始者である石津謙介氏がアメリカの服飾文化を日本に紹介した際に発案した言葉だと言われています。
日本のメンズファッションが戦後に産声を上げた当時、アメリカのIVYファッションをお手本に、「こういうシチュエーションではこの服はこう着るべき」など、「◯◯◯◯であるべき」、「◯◯◯◯として着るのが正統」とモノの背景とそれを着る状況に関しても、こうした概念が雑誌やSHOPにて発信されていました。
こうした概念を学び、真似してみて、日本人が欧米から生まれた「洋服」を着る文化が形成されていった側面は強いのだと思います。
今回INTERVIEWでご登場頂いた川邉サチコさんのお話しにも、当時の様子がうかがえる内容がありますので是非ご覧ください。
そして時は流れ、今では男性も女性も普段の通勤着は、クールビズに代表されるノーネクタイのスタイルやデニム、スニーカーもOKなど、当時に比べると驚くほどカジュアル化して、「T.P.O.」やドレスコードなどという概念を飛び越えて、ある意味で多様化しつつある「現代」なのかもしれません。
そうした総カジュアル化の流れの中で、自分達が作っている服が一口にファッションと言って何でもありでもなく、いつ着るのか?誰と会うのか?想いを巡らせた時に「これを着て行こう」と真っ先に手に取る一着でありたいという願いからこの「T.P.O.」をテーマにしました。
本物のムートンと見間違えるほどのニットムートンジャケット、メンズでは初登場のニットツウィードのダウンジャケット、定番とも言えるライダースなど今までニット素材ではなかったようなアイテムも細かいディティールも含めてニットのモノづくりによって表現しています。
素材の開発にしろ、アイテムのデザインにしろ、こうした細かいディティールをニットで表現するのにはどうするか?
日夜、職人達と悪戦苦闘の末に完成していくCOOHEMのコレクションは、Tradition(伝統)をProgress(進化)させて、Originality(独自性)を出すモノづくり。
このプロセスもまた「T.P.O.」と言えるのかなと。
モノが溢れ、スタイルが乱立したこの時代だからこそ、意味もなく何でもありじゃなくてこの「T.P.O.」という言葉を改めて意識したい気分です。
是非、SHOPにて商品をご覧ください。
Director 大江