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創業者が常識を覆したサマーニット

6月中旬にも関わらず、関東エリアは梅雨明け宣言され、いよいよ今年の「夏」がやってきました。

 

白い雲と青い空、緑の木々と自然の色のコントラストがとても綺麗な日本の「夏」です。

さて、今回のDirector‘s BLOGは「創業者が常識を覆したサマーニット」について。

 

サマーニットとは?

その名の通り、夏に着るニット。

本来、秋冬のアイテムというイメージが強いニットですが、素材や編組織、半袖やノースリーブなどデザインの工夫で夏でも着ることができるニットを指します。



実はこの「サマーニット」ですが、米富繊維の本社工場がある山形県山辺町が発祥の地と言われています。

遡ること50年以上も前に、弊社・創業者である大江良一がサマーニットの製造方法を開発。後に産地内でその製法を公開し1961年(昭和36年)1月の厳冬期に、山形県・上山温泉の旅館を借り切って、全国のアパレルメーカー、商社、百貨店を招待した展示会を開催、山形ニット産地全体で日本全国にそのモノづくりを発信したそうです。

”ニットは夏に着れない”が通説だった当時、大手繊維メーカーのアクリル繊維をニット用に使用することによって涼しげなサマーニットが完成。その様々な編組織や素材の組み合わせを研究、開発するのに約2年を要したとのこと。
当時の米富繊維と山形のニットメーカーが、試行錯誤を繰り返した末にサマーニットブームを生み出しニット業界の常識を覆しました。

他に先駆ける。
それまでの常識を疑い、常に新しいモノへ挑戦し続ける姿勢は、現在の米富繊維ならびにCOOHEMのモノづくりにも受け継がれています。

ニットなのにニットらしくない商品を開発するCOOHEM。


創業者がサマーニットの開発に奔走したのは、ニット工場の年間を通した操業という工業的な発想からだったのかもしれない。
しかし、完成するまでのプロセスは、素材を開発し、製法を試行錯誤し、商品の打ち出し方を変えていく、そんな新しいことの連続だったのだと思う。

上手くいかないことや、予想外のアクシデントが起きても、ただひたすら純粋に「これまでに無かったものを開発したい」「常識を覆す商品を自らの手で生み出したい」という想いで乗り越え、完成したに違いないだろう。

今も昔もやっていることは同じなのかもしれない。

そして、時は流れ現代においては、ニットはいわゆる”セーター”だけではく、ファッションアイテムとして多種多様なスタイリングを可能にしたモノづくりに進化をした。

今、2019SPRING&SUMMERのモノづくりをしていて、改めて先人達が生み出した”サマーニット”を僕たちなりの新しい解釈で表現しようとしている。

その姿を創業者、ニットの先人達はどう思うのだろう?と想いを巡らす日々です。

Director 大江

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