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『付加価値が生まれる場所』

8月が終わり、もう9月。夏の暑さの厳しさを今年は少し感じないこの頃です。

COOHEMのお取り扱い店舗でもすっかり秋物が提案されており、TEAM COOHEMもブランド立ち上げ時から続けてきている商品説明会を各社で実施しています。

この商品説明会というのは、私をはじめCOOHEMのスタッフが展開店舗のショップスタッフに向けてブランドの説明、モノ作り、商品の特徴やケアなどを説明することです。

まだCoohemには直営店が無く、直接お客様にCOOHEMをご紹介頂くのは各SHOPのショップスタッフの方々。
僕たちが考えていること、商品に込められた想い、ストーリーを正しくお伝え頂くために可能な限り実行しています。

売り場のスタッフが魅力的にCOOHEMの商品をお客様にご紹介頂く。

ただ「モノを買う」のではなく、「買って良かった!」と思ってもらい、「また買いたい!」「すぐにでも着たい!」と感じてもらえるためにブランドとしてショップスタッフの接客の何らかの力になれるように。

お客様が買い物をする「売り場」はそういった感動が生まれる場所であり、僕たちの作った洋服に最後の『付加価値が生まれる場所』であるため、この商品説明会という機会を大切に考えております。

先々週、2015AWに向けた素材探しのため、愛知県一宮、大阪泉大津、京都と出張したため、普段なかなか足を運ぶことができない関西の卸先2社(梅田阪急、京都伊勢丹)でも商品説明会を実施してきました。

さて、今回のテーマは『付加価値が生まれる場所』。

先日の出張の様子も交えて今、強く感じることを書きたいなと。

今回は、ニットの糸のモノ作りでは最大の産地である一宮を中心に、撚糸屋、カスリ染め染色工場、梳毛紡績工場、テキスタイル開発力に定評がある糸商、カシミヤ紡績工場、イタリア糸のエージェントと盛りだくさんの内容でした。

特に個人的にはカスリ染め染色工場とカシミヤ紡績工場は初めて工場見学をさせてもらいとても勉強になりました。

この「カスリ染め」、感じでは「絣」と書きグラデーション状にたくさんの色を1本の糸に染めていきます。

COOHEMのニットツウィードはこの「カスリ染め」のファンシーヤーンを軸に構成するため様々な糸を使う中で重要なポジションとなります。

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様々な色の染料がそれぞれのポジションに注入されていきます。

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これは現在使用しているCOOHEMの別注色ファンシーヤーン。
ツウィードにすることを前提にして、編み込んだときにベストな見え方になるようにピッチを調整して染められています。

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染色工場は水を多く使い湿度も高く、夏場のこの時期は工場内の気温が外よりも暑いというハードな環境ですが、親切に質問にも御対応頂きました。

続いてカシミヤ紡績工場。

日本の大阪・泉大津には、CCMI(カシミヤ及びキャメル製造業者協会)という国際機関に認定されたカシミヤ紡績工場が2社あります。
かの有名なイタリアの高級メーカーであるLoro Piana社やZegna社と並び日本のメーカーもその品質基準、管理能力、紡績技術が認めれております。

CoohemでもCOLOR MIX CASHMEREシリーズが定番化しており、前回のBLOGでご紹介したCASHMERE VIMAR TWEEDのベースもこちらのカシミヤ糸を使用しています。

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カシミヤが原料が全てということで、良い原料を良い商品にするため各工程での番手ムラのチェックなどとても手間と時間をかけてカシミヤ糸は作られております。

ここで全てをご紹介はできないのが残念ですが、日本にもこういった手間と時間を惜しまず真摯にモノ作りをしている工場、メーカー、職人さん達がたくさんおります。

モノ作りの現場は、まさに『付加価値の生まれる場所』。

1つの商品が原料から糸になり、染色されて、編まれて、縫製されることによって形作られ、お店に届けらる。
お店では、レイアウトされ、接客でご紹介されることによって付加価値の連鎖が続き、最終お客さまの手元に届くという長い道のりを経ています。

COOHEMはモノ作りの会社から生まれたブランドという背景もあり、今後もこの二つの『付加価値が生まれる場所』から『付加価値が生まれる場所』へ商品、デザインを通してこの長い付加価値の連鎖の魅力を伝えていけたらと改めて感じた出張でした。

イージーにモノが作られ、イージーに消費されることが多くなったこの頃、レディス、メンズなどカテゴリーを問わず背景やストーリーも一緒に感じて着てもられるブランドになれるようCOOHEMのモノ作りの旅は続きます。

Director 大江

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