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米富繊維が工場見学会を開催する理由

パリの出張から帰国、バタバタと過ごしていますが、すっかり秋らしくなってきました。

BLOGの更新もずいぶん久しぶりになってしまいましたが、今回のDirector’s BLOGは「米富繊維が工場見学会を開催する理由」について。

今週、10月1日(金)〜10月12日(土)の3日間、昨年に引き続き米富繊維の一般のお客様を対象にした工場見学会「YONETOMI FACTORY TOUR」が開催されます。

現在では多くの業種で「工場見学」が一般化していますが、それだけモノづくりへの関心、携わる人達への関心、その商品が生まれた背景や土地、文化などへの関心が高まってきているのだと思います。

今まではこうした「モノづくりの背景」は、特にこだわりが強い男性に多かったイメージですが、昨年9月に開催した初のYONETOMI FACTORY TOURでは、女性や子供たちも多数いらっしゃいました。

さて、今回のBLOGテーマである「米富繊維が工場見学会を開催する理由」についてですが、いくつかの理由があります。

COOHEMはまだ直営店舗を持っておらず、直接お客様と接する機会が多くない現状です。
また、製造業という業種から米富繊維で働く人達が自分たちが作った商品を買ってくれている、着てくれている、または気に入ってくれる方々ってどういった方々なのか知る機会もありません。

僕がこの米富繊維に入社した際に、前職の服屋での販売経験とのギャップで最も感じたことは、「お客様との距離が遠い」ということでした。

小売業であれば日々ご来店されるお客様と接することが仕事の一部ですが、製造業は販売されるマーケットの多くは首都圏に集中していることもあるため、お客様と接する機会自体が無いと言えます。

これまで「工場」とは、ある意味で閉ざされた世界で、「職人」とは未知の存在のような捉えられ方をしていた部分もありますが、自分たちが日々一つ一つを丁寧に作り上げていく仕事だったり、長い歴史の中で培われた技術、そこからしか生まれないストーリーを工場見学を通して何かしら感じて頂ける機会にできればという想いからスタートしたプロジェクトでした。

かつてはニットの産地として有名だった山形県山辺町。
今では山形県や山辺町がニットの産地であったこと、同じ町内の工場から有名ブランドの商品が生産されていること、ご存知の方も少なくなってしまっている現状です。

そうした現状の中で、自分たちの仕事をオープンにすることによって、少しだけ身近に感じることができたり、そこでモノづくりに携わり働くことに興味を持ったり、そこで作られる商品に感動したり、ファンになったりする人がでてきてくれたらと思っています。

 

 

昨年、YONETOMI FACTORY TOURにご参加頂いた方の中で小学生の女の子がいました。
その子が工場見学が終わってから「COOHEMのデザイナーになりたいのですが、どうすればいいですか?」と質問してくれたそうです。

小さい工場ですが、その「体験」がもしかしたら未来のニットデザイナーが誕生するきっかけになるかもしれないと個人的にはとても嬉しい出来事でした。

 

 

山形県または山辺町という地域にとっても、ニット業界にとっても、ニット工場という産業自体に興味を持ってくださる人達が増えることは、再び活性化させていくためには必要不可欠です。

 

 

 

まだまだ手探りで一つ一つ試行錯誤しているプロジェクトですが、ご参加頂いた皆様に楽しんで頂ける内容にしていきたいと思います。

今回は、初のニット巾着のリンキングが体験できるワークショップの開催や、国際ドキュメンタリー映画祭とご一緒に楽しめるタイミングでの開催のため、山形県内の方も県外の方も、是非ご参加ください。

皆様のご来社心よりお待ちしております。

Director 大江

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