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これからの国内生産
久しぶりのDirector’s BLOGの更新となりました。
年明けからAUTUMN&WINTERの展示会、海外出展、各コラボレーションのリリースと忙しく過ぎたこの数ヶ月。
ファッションのサイクルは早く、今は2018AUTUMN&WINTERの量産と2019SPRING&SUMMERの企画の真っ只中というこの頃です。
さて、今回のDirector’s BLOGは「これからの国内生産」というテーマ。
少し内容がシビアに聞こえる部分もありますが、先日こんなニュースがありました。
「衣類の国内生産、ついに1億点割れ」
「2%から逆襲できるか」
日本国内に流通するアパレル製品に占める輸入品(海外生産)を表す指標「衣類の輸入浸透率」は、2014年に97%台へ突入、そして2017年には過去最高の97.6%となり、国内生産はついに3%を割り限りになく2%へ、その数は1億点を割り込んだと報じられました。
この数字だけで見るといわゆる「日本製」のシェアは3%未満、2%台。
当然、皆さんのクローゼットにも、私のクローゼットにも海外生産の服は溢れています。
国内のSHOPでも全て「日本製」なんてことは珍しいのかもしれません。
近年、「MADE IN JAPAN」ブームとも言える国内生産回帰の流れがあっただけに、数字で表されたこれらのニュースは衝撃的でした。
「日本製」だから、「国内生産」だから高品質、と短略的に捉えるのは間違いなのかもしれません。海外生産でしか作ることができなくなってしまったモノも多いのかもしれない。
人が服を買う時の第一優先事項は「原産国」ではないと個人的には今でも思っています。
「ブランド」「デザイン」「価格」「品質」などなどあらゆる要素の一つとして「原産国」も含まれ、さらにその服を作った「人」「会社」「ストーリー」なども重要な要素となる。
服やブランド、SHOPが飽和状態で、同じような商品が氾濫する中で、服を買う時の動機として何か一つを第一優先事項として挙げるのは難しい時代なのかもしれません。
最近、スナックで飲むことや、カセットテープで音楽を聴く、使い捨てカメラで写真を撮るなどが注目をされています。
デジタルの時代に思い切りアナログなものが流行する。
これこそが、人が人である所以な気がします。
世の中が、周りの皆が、左を向いたとしても、右を向きたくなる人も必ず出てくる。
すべてがAIに取って代わられるのではなく、人でしか表現できない仕事や製品がある。
COOHEMを立ち上げた時の、裏コンセプトは「この場所でこの人達と一緒だからできる商品作り」。
この場所(米富繊維+山形のニット産地)で
この人達(ベテラン職人+若手職人)と
一緒だからできる商品作り
=COOHEMのモノづくり
これからの国内生産は、そんな角度で考えていきたいと思う。
Director 大江