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ニットの不可能を可能にしたCOOHEM Gジャン
3月に入り、気温が温かくなり春めいてきました。
重い秋冬物から軽く、色が明るい春物を着たくなる頃です。
今回のDirector’s BLOGは、「ニットの不可能を可能にしたCOOHEM Gジャン」について。
「Gジャン」とは、ジーパンと同じデニム素材で作られたジャンパー、ジャケットのこと。
英語では通常ジーンジャケット (jean jacket) ですが、日本では和製英語ジーンジャンパー (jean jumper) の略称が定着したようです。
その語源から考えると「ニットのGジャン」は素材がデニムではないので意味合いとしては異なりますが、ニット素材で作られたGジャンのデザインということ。
さて、本題に入ると、BLOGテーマである「ニットの不可能を可能にしたCOOHEM Gジャン」の「ニットの不可能」って??
どんな「不可能」を「可能」にしたのか?
ニットのモノづくりの世界では、Gジャンに使われるネオバーボタンは素材の特性上、使用することは不可能と言われてきました。
なぜなら、ニットは編物で布帛のような織物と違ってネオバーボタンの挟み込む附属がニットの編み目から滑脱する恐れがあったためです。
米富繊維株式会社においてもこの附属・仕様は品質安定上、禁止されていました。
まだCOOHEMがウィメンズラインのみだったころに、デニムのようなニットツウィードをGジャン型で表現したことがありましたが、この時にチーフパタンナーや現場の職人たちを説得するのに約1ヶ月かかったというエピソードも。。
「不可能」とされてきた仕様をどうやって「可能」にしたのか?
滑脱を回避し、ネオバーをセットする際にニットの糸を切ってしまわないように手で編み目を潜り抜けさせて、裏に芯を貼ったり、現場の創意工夫を重ねることによって、安定して直立するネオバーボタンを付けることに成功しました。
やはりこのGジャン型を表現するためには、この直立するネオバーボタンは必要不可欠であり、商品になった時の見え方が、Gジャンボタン風の足つきボタンとは全く異なります。
ボタンの付け方ひとつとっても、創意工夫と実験、失敗を繰り返しながら実現させるのが、COOHEMのモノづくりポリシーと言えます。
ニットらしいけどニットらしくないモノを開発する。
そんなニットブランドって今までなかったのではないでしょうか。
それは長い歴史と技術に裏打ちされたファクトリーと職人たちがいるからこそ、誰も挑戦したことがないアイテムをリリースし、日本のファクトリーブランドの新しい姿を追求し続けることができる。
まずはトライして、何が問題で使用できないのか?
今まで「不可能」とされてきた理由を整理し、問題点を克服するためにどんな工夫ができるのか?
そこに日本人ならではの地道な試行錯誤と創意工夫があるからこそ、誰もできなかったことが「可能」になる。
これがCOOHEMのCOOHEMたる所以で、2018SPRING&SUMMERのコレクションにおいて象徴しているアイテムです。
とても軽いので、Tシャツと合わせるのもいいですが、あえてシャツにタイドアップしてドレスアップしても新鮮です。
サラッとした素材感と軽さは、Tシャツやポロシャツの上に着て夏の羽織りモノとしても重宝します。
おそらくGジャンはお持ちでも、みなさんのワードローブに「ニットのGジャン」は恐らく無いことと思います。是非、お試しになってみてください。
Dorector 大江