COOHEM

COOHEM 2022 SPRING & SUMMER
時間を越えて感じる懐かしさ
COOHEM 2022 SPRING & SUMMER
いつか訪れたいと思っていた街。異国文化が色濃く残る街並みと海沿いの原風景。時間を遡ったような不思議な感覚。
今では数軒しか残っていないオーダージャケット専門店に入ると、一人の老人に話しかけられた。聞けば、同郷の出身。紆余曲折の人生でこの地に移り住み、米兵を相手にしたお土産物屋を開いたのは30数年前で、現在ではオーダー専門店としてひっそりと営業している。
「職人が少なくなって、手に入らないものもある」。そんな中、残っていた一着のジャケットを譲り受けた。繊細な手仕事とも言える意匠に感動を覚え、失われつつある伝統技術や文化に思いを馳せる。
初めて訪れた街なのに、夏休みに帰省した時のように懐かしい感じがしたのは、戦後史を物語る文化遺産とも言えるそのジャケットが、同じく戦後に地域資源を活用して生まれた山形ニットのルーツに通じていたのと、同郷の彼が偶然にも祖父と同じ名前だったからだろう。
街も人も当時の面影を残しつつゆっくり変わっていく。
これまでも、これからも。ゆるやかに受け継いでいく。そういう気持ちにさせてくれる街だった。
COOHEM 2022 SPRING & SUMMER
PHOTOBOOK

Photography_Ko Tsuchiya
Styling_Shuhei Yamazaki
Hair & Makeup_Nori Chibana
Models_Tetsu / Senping(BRAVO MODELS)

Art Direction & Design_Motoki Koitabashi(akaoni)
Web Design_Yuka Matsuzaki(akaoni)
Direction_Akihiko Kanke(kankeischa)
Text_Ken Oe

Special Thanks_People in the town