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2016年9月上海出張 〜初のSPIN EXPO〜

10月に入り、いよいよ秋物を着る季節が到来。
少し時間は経ちましたが、今回は米富繊維株式会社としても、Coohemとしても初の上海出張となったSPIN EXPOの報告。

ニット業界でお仕事されている方は当然ご存知の展示会「SPIN EXPO」。
中国・上海で開催される「糸」の展示会で出展者数が世界最大規模と言われています。

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出展者は、主に中国メーカーで、日本、イタリアの大手メーカーも一部出展しています。

僕もイタリアのPITTI FILATIには何度か行ったことはありましたが、このSPIN EXPOは初めて。
出展者数、来場者数ともに多いことにまず驚きました。

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提案されている編地や糸、ディスプレイにもお国柄がでているのか、とてもカラフルでファンシー。

PITTI FILATIではイタリア名門メーカーが上質な糸をシックに高級感溢れる提案をしているのに対し、SPIN EXPOでは中国メーカーによるチャンキーでポップな提案が目立ちました。

特にフリンジ使いのオンパレードには圧倒されるほど。

中華圏の方が好むディティールというのは知っていましたが、ここまで連発されるとは思いませんでした。。

とは言え、世界最大の生産地である中国のマーケットの大きさを物語る規模感。
出展者数も多く、バリエーションに富んだ展示会という印象を受けました。

また、驚いたことの一つにある程度大きなメーカーの営業担当者は、皆日本語を流暢に話し、言葉の障壁がなかったということ。

日本国内で開催される糸やニットメーカーの合同展示会に海外ブランドのデザイナーが来場したら、弊社を含めてどれだけのメーカーが英語で対応できるのか???

色々と考えさせられるキッカケとなりました。

その後、同行した糸屋さんとともに中国でも有数のファンシーヤーンメーカーの工場見学にも行かせて頂きました。

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噂では聞いていたものの、日本でもここまで設備しているところはないと言われるくらい最新の紡績、撚糸の機械の数々。工場で働く工員さんも若く、数百人単位で工場が稼働している。

当然、人件費やエネルギーコスト等も日本とは異なるが、設備面ではイタリアのメーカーをも凌ぐという事実。

彼らは日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカと世界中を飛び回り、英語を使いこなしグローバルにビジネスを展開している。糸自体の企画力や提案力は日本やイタリアのメーカーに劣る部分もあるが、生産能力では勝っている。

今後は、米富繊維・Coohemとしてもイタリア、一宮とならび、この中国においても素材開発にチャレンジしていく必要がある。

そんな中国という国とどう付き合っていくのか?
アパレルメーカーであれば生産地として、そして消費地としての中国という国を無視できない現実。

そんなことを考えさせられた出張でした。

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展示会や工場見学の合間に中国の商業施設やセレクトショップもリサーチ。
スピード感を持って成熟化する中国のファッションマーケット。

国内ではインバウンド需要による「爆買い」が一段落など話題になっていますが、一時的なインバウンド需要に頼るのではなく、今後も増え続けるであろう外国からのお客様も、日本人のお客様も含めてどう提案していくのか?

アパレルも小売もブランドも考えなければならない。

欧米に学び、国内でアレンジ、中国で生産という図式は糸もアパレルも一緒なのかもしれない。

そして、日本のメーカー、ブランドとしてどういう提案・商品が「日本人らしい」のか?

その「らしさ」の追求に今後のキーワードがあるのだと思う。

Director 大江

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